■十二神将■

薬師如来の脇侍(きょうじ)は左に日光菩薩、右に月光(がっこう)菩薩で、十二神将に取り囲まれています。十二神将は翻訳により色々とバリエーションがあります。この十二神将は言い伝えによれば、時を表す十二支に対応していて、一日を約2時間ずつ交替で守護しているのだといいます。

一般的に、十二の時間、十二の日、十二の月を交互に休みなく守護するとされています。さらに、薬師如来の分身であるという説もあります。また、本地垂迹(ほんじすいじゃく。衆生の救済のために現れた神々は、すべて仏や菩薩が姿を変えて現れたものとする考え)の説によれば、十二神将もまた他の仏・菩薩の化身とされます。「覚禅鈔」に書かれている、最も有力な「一行阿闍梨詮集」の説を挙げておきます。「月将」とは、陰陽道で用いられる十二月将(精霊。日月が相会する時、ところをあらわしているようです。

    名称   十二支   月将    本地仏
1   金毘羅    亥    微明    弥勒
2   和耆羅    戌    阿魁    得大勢(勢至)
3   彌伽羅    酉    従魁    阿弥陀
4   安陀羅    申    傳迭    摩利支天
5   摩尼羅    未    小吉    観音
6   宗藍羅    午    勝先    虚空蔵
7   因特羅    巳    太一    地蔵
8   婆耶羅    辰    天岡    文殊
9   摩休羅    卯    大衡    薬師
10  真陀羅    寅    功曹    普賢
11  照頭羅    丑   大吉    金剛手
12  毘伽羅    子    神后    釈迦(または陀羅尼)

なお、この十二神将の筆頭の宮毘羅大将は一般には「金比羅(こんぴら)様」の名前で親しまれています。全国の金比羅様の中核は四国の象頭山・金比羅大権現・金刀比羅宮です。

十二神将の役割は、薬師如来を説く経典を読む者、信ずる者を護り、薬師如来の十二の大願を守護することです。薬師如来十二の大願とは東方にあるという浄瑠璃世界に住む薬師如来が、過去において菩薩として修行していた時に、衆生を済度するために起こした十二の願のことです。

お釈迦様が薬師如来について説教したところ、それを聞いていた十二人の薬叉神将が感動して仏法へ帰依し、おのおの7千人の眷属とともに薬師如来と信者の加護を誓った

十二神将の解説 元々は 十二神将は十二夜叉大将ともいい、それぞれ七千、総計8万4千の眷属夜叉を率いて薬師如来を信仰するものを守る武神。経典 経典は「薬師瑠璃光如来本願功徳経」に薬師如来の名号を唱える者を守護すると約束されている。

十二神将の形 武器を持った甲冑姿。持ち物、十二支、お姿は必ずしも一定していない。と頭上に十二支の動物を乗せる。薬師三尊を囲んで八方方位と十二支に配される。



[高野山薬師十二神将めぐり] http://www.joukiin.com/yakushi.html
宮毘羅大将(くびら)太刀を持つ十二神将。
子神 第十二願 美衣満足 満足する衣類を得て健全な精神を宿らせる    天徳院
宮毘羅大将は一般には金比羅さま(こんぴら)、金比羅大権現で知られています。
伐折羅大将(ばさら)宝剣を持つ十二神将。
丑神 第十一願 飲食安楽 食事に関する苦悩を除き健全な食を与える   常喜院

迷企羅大将(めきら)独鈷を持つ十二神将。
寅神 第十願 苦悩解脱 人々の苦悩や災難をことごとく消滅させる   浄菩提院

底羅大将(あんてら)太刀を持つ十二神将。
卯神 第九願 安立正見 心中の邪悪な感情を除き健全な精神を得る  高野山大師協会本部


額爾羅大将(あにら) 矢を持つ十二神将。
辰神 第八願 転女得仏 女性的な優しさだけでなく力と勇気を得る   釈迦文院

珊底羅大将(さんてら) 法螺貝を持つ十二神将。
巳神 第七願 除病安楽 人々の病気を完治し、心身に安楽を与える   成就院

因達羅大将(いんだら)鉾を持つ十二神将。
午神 第六願 諸根具足 迷いを生ずる原因をことごとく消滅させる   増福院


波夷羅大将(はいら)弓矢を持つ十二神将。
未神 第五願 具戒清浄 人々の日々精進させるとともに善行を促す   遍照尊院


摩虎羅大将(まこら) 斧を持つ十二神将。
申神 第四願 安立大乗人々の悟りを確立させ、永遠のものにする   宝亀院

真達羅大将(しんだら)斧を持つ十二神将。
酉神 第三願 施無尽仏 人々の願いを叶え、満ち足りた環境に導く   桜池院

招杜羅大将(しょうとら) 太刀を持つ十二神将。
戌神 第二願 随意成弁威徳と人徳により人々を悟りの境地に導く   報恩院

毘羯羅大将(びから) 三鈷を持つ十二神将。
亥神 第一願 光明普照 自身から発する光明で世界を普く照らす   西南院