遍路ふたたび(6)  平成17年8月25日(木)から8月29日(月)

遍路ふたたび(1)東寺出発準備 (2)別格1.2番、1番ー11番
(3)12番-19番、別格3番 (4)20番ー23番、別格4番 (5)24番ー33番、別格5番  
(6)34番ー43番、別格6.7.8番 (7)44番ー53番、別格9番 
(8)54番ー66番、別格10ー15番 (9)67番-83番、別格16-19番 
(10)84番-88番1番、1番、 (11)高野山 (12)別格20番、別格1番 (13)東寺

    
     清滝寺観音様


8月25日(木)。朝5時に大阪発。

10:00種間寺着。土佐インターから20分くらいでした。早速お参りして、駐車場に
車を置くことを納経所でいいますと、ハイチューをくださいました。

  

さあ、暑い中を出発です。平坦な道です。歩きの青年が、お寺に到着です。滋賀の学生だとか。お先
に。村の中を通り、橋の下で休憩です。今回は、ピクニックシート持参です。休憩の
時には、靴下も脱いでリラックス。パンも来る途中でちゃんと購入済みです。約10km。



仁淀川を渡り、堤防沿いに行きますと、若い女性が自転車で。「こんにちは。ご苦労様
です。」と声を。後ろからきたサイクリング老夫婦。おばあさんが、「道は分かるかい。」
ってわざわざ自転車を降りて、説明してくださいます。ありがたいことです。

 堤防から。右の中腹が、清滝寺です。

 国道56号線の交差点に出ました。新しいバイパスができていて、地図には載ってい
ません。道沿いの出店に「ご自由に。」と35番清滝寺までの道順コピー。頂こうと近
寄るとお店からおじさんが出てきて、本当に丁寧に教えてくださいます。高知は実に
暖かい!信号6っつ目を右に。4つ目にローソン発見。どうも最近コンビニでは、外で
地面に座り込んで休憩するようになり、変な若者のようになっています。カルピスの
氷アイス。今日は、暑いのですがあまり汗をかきません。もう6kmは来ています。
 国道を折れると、田園地帯。野原の中で、日陰もありません。やっと高速道路の
下で休憩です。あと2km。ここから上り坂です。

 軽ワゴンのおじいさんが上から下りて来たのに、Uターン。変だなと思いながら
近づいていくと、窓から1000円札をひらひら。「何か食べなさい。」「92歳!まだ
運転してる。」と笑顔でお接待です。現金をいただくのは初めてです。「これから
ずっとおじいさんの分もお参りします。」と約束しました。
 ひたすら上ります。

 途中から遍路道。冷たい山水が流れています。

やっとの思いで、清滝寺。あの大きな観音様のあるところ。

  

山門は、歩きでないとつらいですよ。上から階段を下りないと見れません。
天井には、有名な龍です。

なぜか消防車があるんですよね。平日ですから、参拝者もまばらです。夫婦連れが多いです。
たっぷり休憩。このまま青龍寺までは、あと13km。ちょっと無理です。なにしろ
今朝は、4時起きで、370km走ってきましたから。

 

 納経所にゴールデンレトリバーがいます。ジャムパンをお接待しました。
ぺロッと食べてまた、お昼寝。

 途中、タクシー会社の前を通ってきました。あそこまで引き返そう。2km。
運転手の方に聞くと、この夏1番の暑さ。36.9℃とか。台風の影響ですね。どうり
で汗が出ないはず。体温より暑いんです。

種間寺に3時着。車で、国民宿舎土佐へ。実は、清滝寺から青龍寺への道です。
明日は、戻って歩こう。そんな思いで、宇佐大橋へ。でもタクシーの方に聞くと
高岡のバス営業所が廃止されて、宇佐からは不便だとか。

 

 計画では、「土佐」で連泊予定。宿に着くと、部屋からの眺めはいいのですが、
便所もお風呂もないんです。ちょっときびしい。計画変更です。予定では、明後日
250km車で宇和島まで。これもきついので、急遽四万十市まで行くことに。電話
をかけると、「四万十の宿」(ロフト付の部屋)がOK.。

8月26日(金)

 朝、宿のすぐ裏手にある36番奥の院「不動堂」にお参りしました。

    

お堂の前に下駄箱があって、裸足でおまいりします。朝から、くもの巣やら蚊で大変です。
でも、旅の安全とおじいちゃんの健康をお祈りしました。

青龍寺は、駐車場も狭くて大変です。長い階段を上って、波きり不動さま。
納経所が恵果上人のお堂とくっ付いてるんです。

   

 さあ、今日は車で走ります。須崎の別格5番大善寺は前回行きましたから、車の
中からお祈り。岩本寺まで60km。歩きの方を見かけません。

 37番岩本寺に到着です。あの天井絵(マリリンモンロー)にまた会いました。

  

ご夫婦と出会いました。犬の「ひろ君」は今日も寝ています。歓喜天さん。

 

 おじいちゃんのお線香とろうそくは、お寺のを。これからすべてのお寺であげる
つもりです。お線香20円、ろうそく20円くらいですから25ヶ寺分を頂いたこと
になりますね。

 今度は、足摺岬の38番金剛福寺まで、80km。四万十の前で、ドライブインに
入ると、さっきのご夫婦。

 

 四万十の橋を越えて、半島に入るとちらほら歩きの遍路がいます。さっそく水と
パンとみかん(早生ですが、初物)をお接待です。まだ30kmはあります。もう、
昼を回っていますから、野宿ですかね。

  

3時、やっと金剛福寺です。明日のことを
考えると、足摺は行っておきたかったです。白い亀。愛染堂にもお参りしました。
岩本寺のご夫婦、「またお会いしましたね。」

 

 さて、来るときはスカイラインでしたが、帰りは海沿いコース。また道が狭くて
大変ですが、歩きの人はここを通ります。少しでも、味わいたくて。
 ずいぶん四万十に戻ってきました。あ、あのお接待したおじさんが私の車を見つ
けて手を振ってくれています。うれしい。

 逆に四万十川を東に渡って河口まで行き、今日の宿「四万十の宿」です。
温泉もあって、オートキャンプ場などリゾート地ですね。高台から土佐湾です。
こんな贅沢していいのでしょうか。客室も20くらいの木造のロッジ風。

8月27日(土)

朝は、ゆっくりして、宇和島へ。39番延光寺へ。いま、高速道路があるので随分
便利になりました。50km。
  

40番観自在寺へ。
   独鈷、五鈷。

  

 干支の仏。山門天井には、方位盤です。前回みれませんでした。

25km。さらに宇和島に。別格6番龍光院。もう駅のすぐそば
です。急な階段をのぼるとご本堂です。法事のかたがたがおられましたが、だれも
お参りはいません。静かなお寺です。愉快なお大師像。

  

まだ昼過ぎです。八幡浜の別格7番金山出石寺に向かいます。
実は、これがまた大変でした。出石寺には大洲からいく道と八幡浜からいく道が
あります。新しい高速道路ができているのを知らなくて、八幡浜からの地道を
向かいました。いけどもいけども着きません。40kmくらいも走ったでしょうか。

  すごい狭い、しかもヘヤピンカーブの坂道を行きました。山頂にはとても大きなお
大師さまがおられます。でっかいお寺です。お参りの方もけっこうおられます。
 やはり、別格は八十八ヶ寺と一緒はきついですね。おおきなお寺です。上には牛と
鹿の像が。

  手洗水に亀。

 さすが宇和島ですね。牛像。隣に鹿です。

帰りは大洲に抜けて、宇和島に戻ります。4時到着。早速駅で、あすの
電車の時刻をチェックします。明日は、41番から43番まで歩きます。歯長峠。
 予讃線は宇和島がスイッチバックになっていて、乗り場は同じ。特急は多いの
ですが、普通があまりありません。

8月28日(日)

朝、早起きして6時14分初の窪川行き。1両です。

 

特急は、有名なアンパンマン列車。普通は1両のワンマンカー。
務田(むでん)駅下車。ここから歩きます。幸い天気は曇り。
誰も降りませんよ。草むらに降りた感じ。もちろん無人駅です。



 いい気分。今日は歯長峠越えで14kmほど。足取りも軽く41番龍光寺へ。
1.7km、30分ほどで到着です。まだ7時台。村の人が犬の散歩をさせている
だけ。でも日曜日ですから、車のお参りのかたがちらほら。



 平坦な田園の道を、進みます。村の小学生が4人。「おはようございます。」って
そろって挨拶してくれるんです。「今日は、奉仕活動です。」「がんばって」。
村のかたも総出で車道沿いに花を植えておられます。

 「佛木寺はもう見えてるよ。」おくさんたちが声をかけてくれます。「峠は、あの
鉄塔のところだよ。(近いよといわんばかり。)

  

お参りを済ませ、出発しようとしていますと、おじさん(歯長城主さん?)が、
「どのコース?遍路道?四国の道?」と聞いてくださいました。「峠を越えます。」
というと、詳しく教えてくださいました。なんて、暖かい人たちなんでしょう。

  

 しばらく進むと雨がポツポツ。曇ってるし、かえって歩きには絶好です。
いよいよ遍路道です。最初がまたきつい!車道と合流して遍路小屋。2度目の休憩。

  

さあ、200mの鎖場ですよ。斜面を真っ直ぐに道があり、横にチェーンがあります。
左手に手袋しないと、錆で真っ赤。右の杖で支えて左のチェーンで上ります。

  

 でも、意外と短かったように思います。ヒイヒイいって、やっと峠です。
コンクリートの小屋には、見送り大師さま。ビニールシートを敷いて大休止。

  

急坂を下ります。橋のところに歯長地蔵さま。遍路小屋です。大休憩。だれも
歩きの人と出会っていません。42番と43番の中間くらいですね。あと5km。

  真ん中は、歯型?のお大師さま。

 橋を渡って、明石寺に。導引大師様のお堂です。



また行くと遍路小屋。ノートがあります。わたしもちょっと記入しました。

まあたらしいお大師像。交通安全。

西予宇和ICの下をくぐって、宇和高校の野球場の横を抜けると、遍路道。奥の院
白王権現の森を右に見ながら、43番明石寺の参道へ、だらだら上りが最後につらい。

 

 観光バスが、何台も着ます。駐車場で、ちょっとへばってソフトクリームです。
たくさんのお参りです。納経もままならず。

 

やっとお参りして、遅めの昼食。そう、
「大師うどん」。帰りは、予讃線「卯之町」まで。聞くと、やっぱり30−40分は
かかるとか。時刻は2時。2時57分発、楽勝か?

 山門横の遍路道。かなりきつい山道です。越えると道が二股に。ここで間違うと
遠回りです。でも、草むらで怪しい。「新四国88箇所」のあたらしい石標。勇気を
出してそちらへ。どうやら愛媛県歴史文化博物館の裏山らしい。どんどん階段を下り
町に。ぴったり予定通り。卯之町のすごく古い町並み(保存地区)を通って、駅。
まだ20分あるよ。ここから予讃線で宇和島まで30分かかります。

 

 駅で待っていると、歩きのお遍路さん。「区切りですか。今日はどこから?」と。
この方は、宇和島の向こうの津島から40kmくらい歩いてきたそうで、駅の人に
銭湯を聞いて、行ってしまいました。

 電車は1両。普通。8人くらい。それぞれに。高校生・遊びの女の子2人。疲れ
気味の人。ことこと走る。うたたねの列車です。

 今夜は、7時に寝ましょう。

8月29日(月)

  

  

7時30分に、大洲の十夜ヶ橋に向かいます。新しい高速を使うと、大洲まで1時間
はかかりません。国道のすぐそばです。別格8番。橋の下にお大師さまが眠って
おられます。それにかけるお布団は、3000円ですね。前回気づかなかったのですが、
川にはたくさんの鯉がいて、えさ(1カップ50円)。功徳のためにあげました。

別格の玉も8個と親玉。お遍路も43番まで。半分になりました。大阪からは、一番
遠いところです。次は大宝寺・岩屋寺からです。石槌山も待っていてくれます。
 今回は、ここまで。カーナビは、大阪まで398kmと出ています。でも、徳島道に
回ると50kmほど近いんですよ。今回は、四国の西半分を回りました。


 今回の遍路では、やっぱりおじいちゃんの1000円です。遍路でのお接待は断っては
いけません。現金をいただいたら、やっぱりジュースや食べ物には使いたくないし。そ
こで私は、今後のすべてのお寺でお線香とろうそくを購入して、おじいちゃんの息災を
祈ることにしました。でも、背負うものがあると責任が伴います。うれしくもあり、
つらいものがあります。お接待を受けたすべての方々を背負うのも、遍路でしょうか。