大日如来
             「(C)2004 RayLand」
             ご真言 オン バザラダト バン(金剛界)
                  ナウマク サマンダボダナン アビラウンケン(胎蔵界)

■別名 大日さん 摩訶毘盧遮那仏 遍照如来仏
■金剛頂経(金剛界)  大日経(胎蔵界)  理趣経

十三仏の13回忌導師。

 大日如来は摩訶毘盧遮那(マカビルシャナ)の訳で、その発達した形態。宇宙の全てを仏格化し、色も形も超越した絶対的な仏、諸仏の根本の仏として位置づけらている。それを表現する為に、何も装飾を身につけないという如来の約束を破って、五仏の宝冠や瓔珞・腕輪(腕釧)などの飾りを身につけて、一見菩薩の姿のように華やかな姿で表す。

 金剛界の大日如来、、金剛界曼陀羅の主尊。智拳印を結び、智慧法身。大日如来の知恵で全てを断ち切る金剛の石のような強い働きを示す。

胎蔵界の大日如来、胎蔵界曼陀羅の主尊。理徳法身。大悲を示す定印を結ぶ。仏像の作例は金剛界の大日如来より少ない。

サンスクリット語ではマハーヴァイローチャナ、すなわち「偉大な光照者」。空海の開いた真言宗において、最も重要なブッダ。弘法大師(空海)によると、あらゆる宗教における神や悪魔は、すべて大日如来の顕現であり、大日如来の身体は宇宙そのものである。同時に、1粒の微塵の中にも大日如来は存在する。大日如来は、白蓮華に坐して瞑想を行っている姿で、両界(胎蔵界・金剛界)マンダラの中心に描かれる。

 大日如来は、真言密教において一切諸仏諸尊の根本仏として帰依し観想されている本尊です。
 大日如来の名前は、大日の智恵の光が、昼と夜とで状態が変化する太陽の光とは比較にならないほど大きく、この世の全てのものに智恵の光をおよぼして、あまねく一切を照らし出し、また慈悲の活動が活発で不滅永遠であるところから、特に太陽である「日」に「大」を加えて「大日」と名づけられています。

 真言密教の根本経典である『大日経』と『金剛頂経』には、衆生の救済者としてそれぞれ異体的な性格をもち、特定の誓願をもった諸仏諸菩薩をはじめ諸神が説かれていますが、これらの全ての諸尊は、大日如来より出生し、大日如来の徳をそれぞれが分担し、また衆生救済にあてられている諸尊の働きも大日如来の徳の顕現であると説かれています。

 根本経典である両経には、大日如来の徳の現れ方を、多くの諸尊との関係において説かれていますが、その関係を図示したものが胎蔵曼荼羅・金剛界曼荼羅で、この両曼荼羅を総称して両部(両界)曼荼羅と呼ばれています。
 この両部曼荼羅に描かれている大日如来の姿は、釈迦如来や阿弥陀如来のような出家の姿ではなく、うず高く髪を結(ゆ)うなど、一般に菩薩形と呼ばれる姿をされて他の如来とは異なっている点が特徴といえます。菩薩形の姿である大日如来は、宇宙の神格化とも考えられる密教観から、宇宙の真理そのものを現す絶対的中心の本尊として王者の姿をされているといわれています。その姿は帝王にふさわしく五仏を現した宝冠をつけ、菩薩よりさらにきらびやかな装身具を身にまとわれています。背に負う光背は円く大きなもので日輪を表し、諸仏諸尊を統一する最高の地位を象徴するにふさわしい威厳のある姿です。

 大日如来の姿の基本は変わりませんが、両部曼荼羅に描かれる大日如来の手の結び方(印相)が異なるところから、古来より胎蔵大日如来・金剛界大日如来と区別して呼ばれています。

 胎蔵大日は、膝上で左の掌を仰けておき、その上に右の掌をかさね左右の親指の先を合わせ支える「法界定印」を結び、金剛界大日は、胸の前にあげた左拳の人差し指をのばし、右の拳をもって握る「智拳印」を結んでいます。

 密教の仏といえばその根本は大日如来で、その他の仏様は大日如来の徳の現れとされています。ですから密教の仏様を紹介するに際して、最初に大日如来について述べさせていただきます。大日如来には「金剛界大日」と「胎蔵大日」とがありますが、これは別々の仏様ではなく、この世界を智と理の二つに分けて考え、それぞれの中尊として表現されたものです。そして「智」の世界の大日如来について説かれた教典が「金剛頂経」、「理」についてのそれが「大日経」です。さらにこれを図示したものが、金剛胎蔵両部曼荼羅です。

 密教では、大日如来は宇宙の真理を表すとされ、また宇宙そのものとされます。大日如来は宇宙そのものを神格化したものであり、一切のものは大日如来から出生するとされる。つまり、一切のものは大日如来に胎蔵されるのであり(胎蔵界)、また一切のものは大日如来のなにものにもおかされない堅固な智の顕現でもある(金剛界)とも考えられる。
 さて大日如来は宇宙を神格化したものと述べましたが、そうすると私たちを含め全てのものは大日如来によって生じ、大日如来に含まれるということになります。ですから全てのものが大日如来であり、私たち凡人でも即身成仏ができるのです。

[お姿]

 大日如来の姿についてですが、殆どは金剛界及び胎蔵大日ですがほかにも四面大日というものもあります。普通如来と呼ばれる仏様のお姿は袈裟をまとわれたお姿で、飾りは身につけられていないが、大日如来は菩薩のように装飾的なお姿で表されます。これは王者を象徴するためであるとされます。

1、金剛界大日      頭に五智の宝冠をかぶり、手は智拳印を結んで座っておられます。
2、胎蔵大日       座禅のお姿で、手は法界定印を結んでおられます。
3、四面大日       日本ではきわめて稀ですが、如来内証の四智を顕しているとされます。

その他にも胎蔵大日の中に釈迦座像のような如来型の大日如来があるそうです。

 密教の根本仏である大日如来ですが密教系寺院の本尊として祀られている数は少ないようです。
しかし、全ての仏様は大日如来の徳の現れですので、どの仏様を拝まれても全て大日如来に帰することになります。

仏教の勉強室  十三仏
薬師如来  普賢菩薩  ■不動明王  文殊菩薩  ■釈迦如来  
■地蔵菩薩  ■弥勒菩薩  ■観世音菩薩 ■勢至菩薩 ■阿弥陀如来
■阿しゅく如来
大日如来 ■虚空蔵菩薩