遍路三度 40番から43番、51番                 H19.2.10-12


2月10日(土) 朝、5:30 
      昨夜からの霧で、フライトが心配でしたが、無事何事もなく出発です。
      今日は、大阪から一番遠い宇和島です。5時間以上交通機関に乗ります。
       7:10発 高知行き 飛行機

     

       8:00着 バスでJR高知駅へ
      高知駅、快晴。まだ1時間もありますから、ちょっとうろうろ。
      あなご弁当を購入。電車で食べよう。

     JRアンパンマン列車

       9:50発 高知 南風1号 中村行き
       11:34着 乗り換え 宿毛行き  
       11:37 発 12:07 宿毛着  
      うとうとしながらでした。須崎の観音様を見てから、記憶にありません。
      宿毛駅に着きました。駅前のバス停は、さみしい感じ。

    

       12:22 発 宇和島駅前行き 宇和島バス  
       13:01 着 平城札所前 
      バスで40分、やっぱり遠いなあ。宇和の海が光っています。
      だるま夕日の町ですかね。湾には養殖のいかだがたくさんありますよ。

      40番観自在寺 今回は、piicats柄杓を4つ持参しました。

      

      久しぶりのお参りです。山門には、方位盤。やっぱり去年と中の亀さんの向きが違います。
      かえるさんに迎えられて、十三仏を過ぎてご本堂。ここは、本堂で納経です。
      大師堂。独鈷、三鈷、五鈷とお大師様。お堂の周りが八十八ヵ所巡りです。

  

      なんと三方の壁にお大師様。いままで気づきませんでした。左横が、真魚さま、後ろが
      見慣れたいすに座ったお大師さん、右横がなんと剣をもったお大師さんなんです。

              

      ゆっくりお参りしました。早春の観自在寺。梅が咲いています。

      まだ少し時間があります。バス停横の地元の物産店。なにかないかとのぞきます。
      「いも天」はあるかな。「いも天ありますか?」「いも天ってなんですか?」
      えっ、このあたりではもうない。郷土菓子ですが、高知県南国市や須崎ではポピュラーなのに。
      「ひがしやま」があります。砂糖をまぶしてないのが、おいしいですよとかわいいおじょうさん。
      地元のおばあさんが手作りの「ひがしやま」。干しいものスライスを飴煮にしたおやつです。
      くせになりますよって。ほんと!くせになりそう。(以後、どこにも見かけませんでした。)

                     

       14:11 発 宇和島駅前行きのバスがきました。
      バスで1時間以上乗ります。やっぱり遠いな。途中、観自在寺から歩きの方を3人みましたよ。
      実は、翌日出会うのですよ。

          携帯電話ボックスです。

       15:21 着 宇和島駅前到着。駅の上がホテルです。歩かなくていいのが、いいなあ。二度目。
      お風呂に入って、散歩しました。「じゃこ天」の町ですよね。コンビ二で明日の朝のおにぎり購入。
      あしたは、4時30分起きです。じゃこ天にもいろいろあることを知りました。3つで160円から400円。
   
      今夜は、ホテルで豪華「宇和島御膳」です。手作りのじゃこ天とかまぼこ、「さつま汁」ですよ。
      この薩摩汁も愛媛の名物。麦味噌ベースの汁で、ゆずのきざみ皮にねぎ、しょうがを入れて、
      ごはんにかけて食べます。いやあ、もうわたしはいいな。好き嫌いがありそう。2,600円!
      歩いてないけど、今日は移動でくたくたですよ。早く寝よう。7時就寝です。

2月11日(日) 朝、4時に眼が覚めました。それでも9時間も寝たんです。寝すぎですね。
      宇和島駅始発  6:11  窪川行き普通列車。乗客は9人。

           

      6:20 真っ暗な務田駅に下車しました。もちろん、だれも降りませんよね。ワンマンカー。
      さて、街灯を頼りに歩きます。駅からは、1.5kmくらいです。
      だんだん東の空が、白んできます。早朝の遍路は、最高です。一本道。

                       
 
      まもなく、41番龍光寺さん。お稲荷さんの階段ですよ。すでにおまいりのおじいさんが一人。
      「いま何時ですか。」「もうすぐ7時ですよ。」納経所は、7時からなんです。

      上のお稲荷さんにもおまいりしました。さて、わたしもご朱印をいただきます。
      お軸を広げますと、どこで付いたのでしょう、つぎの仏木寺さんの場所に墨の跡が付いてるんです。
      納経所のおばあさん、「うちで付けたのでないことを、仏木寺できちんといってくださいね。」
      苦情がくるんですって。いやはや、大変だ。幸い、場所が字でかくれそうだから、言えばいいと。
      忘れ物もいっぱいあるんだよと、しばらく忘れ物談義に花を咲かせました。

      掛け軸を本堂に忘れて取りに来ない人。御影を落として、気づかない人。
      そういえば、以前私の前の人がご朱印をもらってその御朱印帖を持たずに帰ろうとしたことが。
      みんな、忘れ物注意です。(実は、今回わたし、地図を忘れてきたんです。あとで、えらい目に。)

      さあ、ここから42番仏木寺さんまでは、そんなにありません。2.6kmです。
      車は遠回りですが、龍光寺さんの横の丘を越えたら、近道です。

                        

      道路の歩道をてくてく。見覚えのある小学校や田園風景を眺めながら、いつもよりペースが速い。

      やがて、お堂の金色の擬宝珠が見えてきます。
      42番仏木寺です。山門のお大師さんに迎えられて、お参りです。
      もうぱらぱらとおまいりの人がいます。紅梅がみごとでしたよ。

      

      納経所では、無事ご朱印をいただき、あのかやぶきの鐘楼前でパン休憩。
      お接待の「みかん」をいただきました。のんびり日向ぼっこしていましたら、昨日のおじいさん。
      もうひとりの白ずくめのお遍路さんと掛け連れで、到着です。
      「これから歯長峠越えですか?」と聞きますと、そうだと。「どうか気をつけて」と合掌。

      無骨そうな青年がうろうろやってきて、目の前の鐘楼で横からゴーーンとすごい音。
      私は、まだ9時。朝が早いから、ご近所の方の迷惑だろうと撞きませんでしたが。いやはや。

      さて、私も 歯長峠に向かいましょうか。12km。今回はトンネルを抜けようと思っています。
      遍路道の峠は、鎖場です。長くはないのですが、前回へとへとでしたから。「極楽道」にします。

       

      遠くに、あのおじいさん遍路お二人が見えています。どうやら、このあたりも四国横断道路の
      建設が進んでいて、景色が変わっていきます。いつまでも青々とした山並みがいいなあ。

      

      トンネルです。真っ暗。反射板をリュックや杖につけないと危険です。きっと車では、見えないです。
      遍路の白装束には、こんな意味もあるんだなあと思いました。頭には、白い手ぬぐいをまきました。
      向こうからチリンチリンと音がします。逆うちのお遍路さん。真っ暗なトンネルで、「おはようございます。」
      「お気をつけて」と大声で挨拶です。愉快、愉快。

            


      トンネルを抜けると、遍路小屋です。休憩。ん?トンネルからチャリ遍路青年。あの青年です。
      「もう後は、下りですよ。」神戸から折りたたみ自転車を担いできたそうです。いつかは歩きたいと。
      うのまち駅から電車で松山、バスで岩屋寺までとか。それはきついでしょう。心配、心配。
      もう11時ですから。どうか無事に、かれが到着しますように。

           


      なんとか峠を下り、歯長地蔵さま。老夫婦が車で、ごみを焼いて掃除をされています。ありがたいなあ。
      あたりいちめんのごみのやま。反省!(二回言うとうそになる!)

      小休止の後、川沿いに。あの交通安全大師の遍路小屋まで。みかんのお接待かご。ノートに書き込み。
      いつもありがとうございます。

       

      12時40分、43番明石寺到着です。だらだら坂をあがると休憩所です。「大師うどん」を夢見てきたのに、
      お店が閉まってる。とほほ。やっぱりパンですね。

        

      山門の前が階段になっています。うえからおばあさんが下りてこられました。私をみて、階段の途中で
      立ち止まり、だまって合掌されるんです。えっ!わたし?私も、おばあさんに合掌!!目礼されて
      下りていかれる。「歩き遍路は、お大師さん。」わたし?ドキドキしました。もったいない。こんな、
      俗世間にまみれた、未熟者をどうか拝まないでください。すみません。もっともっと高まらないと!
      お接待されて、手を合わされたことは何度かありますが、こんな形では初めてです。申し訳ないです。
      叱られて反省するより、きつかったですよ。涙が出そうでした。

      お参りも済ませて納経所。なにやら地元の方が大勢います。今日は、横の神社のお祭りらしくて
      「伊勢おどり」がどうのって。まもなく、太鼓の音が山に響き渡っていました。

      予定より早めに、明石寺出発。また峠からは、遍路道からはずれて文化歴史博物館を下りて、
      JR卯之町駅を目指します。商家民家の歴史保存地区を通ります。観光客が、めずらしそうに遍路を
      眺めるんです。

       

      14:00ちょうどに駅に到着。なんと 14:06発の特急がきます。いやあ、あわてて乗りました。
      15:29松山着です。今回は、大洲のお大師さん(十夜ヶ橋)には行きませんでした。
      電車から瞬間見えましたよ。合掌しました。

      JR松山駅で夕飯のお弁当を買って、ホテルに。もう一歩も出ません。やっぱり疲れました。
      それと、もう今回はこれでおしまいかと思うと、味気ないやらさみしいやら。

      明日の朝食は、ホテルで食べて、ゆっくり松山見物の予定です。何度も来ているのに、松山を知らない。
      山頭火の一草庵が、楽しみです。時間があったら、順番でないけど石手寺もおまいりしよう。

2月12日(月) ゆっくり松山の朝です。といっても、朝5時には目覚めていましたが。
      朝食もいただき、8時30分に宿を出ました。松山城の方へ。やっぱり歩いているのが、おかしいですね。
      お城は、まだ休日の朝です。人もまばら。東のほうに向かいます。松山北高校、松山大学、愛媛大学。
      お城の周りは、官庁と学校です。朝から、部活動の高校生。
      なんかぞろぞろ高校生が向かっています。違う制服。検定試験かなと、同じ方向なのでついていきますと、
      なんと今日は、松山大学の入学試験。「みんな、がんばってね!」とお祈りしました。いつになっても
      入試は大変ですからね。(でも、それにしてもみんな悲壮感がなかったなあ。)

    

      松山大学を過ぎて、南海放送前を奥の小道に行きますと、山頭火の一草庵です。2kmくらいかな。
      見過ごしそうな案内に従って、家の間を奥にいくと、ひっそりと一草庵。今日は、中を見れませんが、
      小さな家は、ぐるっと回れます。奥の部屋にはお仏壇が見えましたよ。しばし、玄関先で呆然と。
      横は、お寺の墓地です。山頭火は、ここから道後温泉も行ったし、べろんべろんに酔いながら、
      最後を迎えたんだなあ。

         

      家を捨て、諸国を放浪して、何度か家の前まで行ったそうな。奥さんや子供の声を聞いただろうに。
      それでも、帰れなかったんだ。彼は、寂しかったんだろうな。風や花やトンボや蜂や。
      句作でしか、語れなかったんだろうなあ。「其中一人」。ひとり、仏の名を唱えるものひとり。
      かれは、仏の声を聞いたのだろうか。母の位牌を抱いて、風の中、雨の中。

  

      ここから、道後温泉に向かいます。もう1kmくらいでしょう。
      温泉商店街は、ぞろぞろすごい人出です。あの道後温泉の建物の前は記念写真のひとだかり。
      喧騒です。観光客に混じって、ちょっと旅気分。濡れおかき買いました。きっと白衣でも着ていたら
      記念写真の的ですね。お杖も、袋に入れてひっそり「かくれ遍路」でした。

      さてさて、ここから大変でした。地図を持っていない。石手寺の前に宝厳寺を目指したのに、どうやら
      逆に行ったらしい。工事の人にきいたら、また道後温泉に戻れとか。うろうろ。どれだけ迷ったか。
      なんとか宝厳寺(一遍上人のお誕生寺とか)。子規の句碑「色里や 十歩はなれて 秋の風」
      だれもいないのです。訪れる客もなし。

          

      石手寺に向かいます。バス停ひとつ分。途中に遍路道発見。すぐに石手寺の横から入る道です。
      今回最後のお寺。51番です。深い低い音の鐘を撞きました。

       筆大師   猫も参るや 春近し

      もう時間が、11時過ぎました、。1:40発の飛行機ですから、そろそろバスで松山空港に向かいます。
      バス停まえに「やき餅」やさん。ひとつ70円。あったかいのをひとつ。20分ほど待ちます。
      狭い道なのに、工事道具を載せた軽四バンが止まりました。おじさんが下りてきて、これからどこへ
      行くのかと聞いてくるんです。「いや、今回はこれで打ち止めて、空港に向かいます。」というと、
      「まだ時間があるだろう。松山はあと二つ札所があるだけだ。時間がないのか。」というのです。
      どうやら、お接待で次の泰山寺まで送っていこうということです。丁重にお断りしました。ありがたい。

      前回と今回は、冬だということもあって、菅笠を持っていきませんでした。毛糸の帽子です。でも
      やっぱり菅笠、お杖、できるだけ白い服装でおまいりしないといけませんね。自分が歩いているだけ
      ではないのですね。みんなの代表で歩いているんですね。多くの皆さんが、そんな目でご覧なのです。
      短かったけど、よかったなあ。もう今度の計画が頭をよぎっています。
      
      ANA 1636 13:40発 14:30(伊丹着) 夕方には、ぼっちゃん団子とじゃこ天の土産を家に持ち帰りました。

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