遍路6回目の(1) 

平成16年7月30日ー17年2月13日。初めての遍路でした。ほとんどが車。でも20%くらいは歩いたかな。
平成17年3月19日(土)ー18年3月4日まで。2回目の遍路でした。このときは別格20寺も。30%歩き。
平成18年5月3日ー平成19年8月5日まで。3回目満願。今度は、40%くらい?500km以上は歩きました。
平成19年12月23日(日)−平成22年8月2日まで。4回目満願。長かったなあ。800km歩いたかな?
平成22年8月24日(火)-平成23年8月21日(日)まで5回目4回で27番まで行きました。(ここでしばらくお休みです。)
実は、平成23年12月1日に霊場会公認先達に補任しました。         
また平成24年3月末で定年退職しました。そこで、改めて初心に戻って、
先達として、新規に「先達納経帖」に足跡を残そうと、平成24年4月15日から19日、6回目を始めます

 ドラゴンボールの「かりん様」です。(孫の名前と同じです。)


退職して、いくつかのお仕事のお誘いもあったのですが、実は私には密かな夢がありました。
それは、じっくり・のんびりお四国を歩いてみたい。そして、たっぷりと仏教の勉強をしていきたい。

多くの方が、退職して「通し打ち」でお四国に出られます。私は、まだ長く家を空けれる状況では
ありませんし、ずっとぞんざいにしてきた家の周りの整備や部屋の片付けなども気になって、通し
はできません。

平成24年1月には、仕事の合間に情報を入れて、証明書などを取り寄せて、高野山大学密教学科
の社会人通信教育の申し込み。また、学生さんと一緒に授業も受けたくて、準備してきました。

退職して2週間ですが、何かと多忙で、かえって忙しいのですが、心はいたって平穏です。
させられているものは何もなくて、すべて自分のペースでいいのですからね。まだまだ、社会人の
癖で、時間やノルマや見通しを立ててしまいます。まあそのうち慣れるでしょう。

そして、月に一度は、必ず1泊でもいいから「お四国」に出ようと思っています。
今回、記念すべき1回目。これも4月始めから計画していました。
始めは、なんとなく金曜日くらいからのスタートを立てて、宿を探していましたら、やはり土日は満室。
よくよく考えれば、働いていないのですから、なにも土日を含む理由もなくて、それだったら日曜日
から出発すればいいと気づきました。

もうひとつは、札所の順番もこだわることもなく、「歩き」に固執する理由もない。もっと、いろいろな
パターンをご紹介できたら、さらにお役に立てないかと思います。できるだけ、リンクも入れて、
作っていきたいと思います。

また、今回のテーマ(課題)は、「出会った人々」から学んだこと」にしたいと思います。
高野山大学の登録した科目に『遍路学』というのがあります。本来なら続いて『実習』をとるのですが、
まあこれからもマイペースで歩いていきますので、「考え方」を学ぼうと思います。


それでは、記念すべき(1)の道中記を始めます。

4月15日(日)
  7:05 なんば ¥3150 
            南海電鉄なんば駅の5階にある高速バスターミナルからバスがでます。
            徳島行きや高松行きが出ます。最近はおもにこれを利用しています。
            今回は、1番からですから、高松行きの高速バス。「たかなんフットバス」。
            http://www.nankaibus.jp/express/06/index.html 讃岐国分寺まで行ってます。
            
   ○早朝家から駅まで2.5kmあるのですが、家人に送ってもらいました。黙って家を出て歩くのも
    逆に気を使ってしまいます。

   ○日曜日の早朝でも、たくさんの方がお仕事です。申し訳ない気持ちです。でかい荷物をもって
    興味ありげな視線を浴びて、なんば駅に25分。改札を出ますと目の前にコンビニ。お昼のパン
    やバスの中の飲み物を買って、すぐにエレベータがあるので、5階のバスターミナル。

   ○6時30分には、待合のベンチです。もうお一人でっかい真新しいリュックの方がおられます。
    通しで出発されるんだなあと拝見していました。
    しばらくしますと、その方がこちらに来られまして、お声をかけていただきました。
    これから、1番から通しで出発する。前に1度車で回ったのだが、なんとも満足できなくなって
    今回念願叶って、出発するのだと。あとで3日間毎日お会いすることになるのですが、なんと
    となり村の地元の方だったのです。お互いに、こんなご縁から出発するなんて、奇遇ですよね。

   
    9:30 「鳴門西」到着。鳴門大橋を渡るとすぐに板野です。
      降りたらそこがドイツ公園。降りたのは、私とその方の二人だけでした。

    バス停から、約1.2km。いい天気で、歩き始めですから、1番「霊山寺」まで15分くらいでしょうか。
    いつも始めは緊張します。まだペースもできていませんし、もたもたぎこちない仕草です。
    一緒に山門まで行きましたが、どのようにその方がお参りされるかも分からないし、いろいろ
    ご説明するのも、もうその方も2巡目ということですから、お互いにマイペースにとお別れしました。

    私は、まずは札所横の売店に行って、携帯線香入れのコンパクトなのを物色して、それから
    白衣を着て、ゆっくり準備。ご本堂に参ります。寺は団体さん、個人の方々、観光客までと
    かなりの混雑です。大師堂におまいりしていたら、あの方がおられて、納経所までご案内しました。
 
    ご存知ですか?1番さんの山門横の駐車場前の売店で新しい納経帖を購入すると、すでに1番の
    ご朱印が押されているんです。だから、たいていの方は1番の納経所をご存知ないのです。

    あの方をご案内して、靴を脱いで納経所。歩き遍路の方の「ノート」にお名前や住所を書いて
    お礼参りのときにもう一度そのノートに到着の日にちを記入します。書いていただきました。
    そのときなんです。「えっ、私は隣の村ですよ!」

    10:30 1.4km 10:50−2番極楽寺
    歩きはじめというのは、足も慣れていませんが、どうもぎこちないものです。山門で一礼して、
    いよいよ出発です。私は私で、人生の二度目の旅立ちです。不安や期待がこみ上げてきます。

    近くですから、さっそくかけ連れです。二人でゆっくり歩きます。まだお互いのペースが分かりません
    から、世間話をしながらです。国道ですものね。あまり情緒はありません。

    2番さんに着きました。赤い山門から本堂までちょっと遠いですよね。団体さんがおられて本堂前
    のろうそく台は一杯。わたしリュックをおいてしばらくながめていましたら、あの方は先に大師堂に
    行かれました。わたしは、これはこだわりなんですが、やっぱりご本堂・ご本尊様が先なんです。

 重軽地蔵さん。今回はとても軽く感じました。いいことありそうな・・。

    なんとかお参りを済ませて、山門横の納経所兼売店。ここの手作りお弁当もおいしいのですが、
    私は、いつもリュックにミニアンパン・クリームパンが入っています。

    お参りの所要時間ですが、ご朱印の待ち時間を含めても30分以内でないと、札所が近くで
    1日に何寺もお参りする日は大変です。やはりかけ連れでお参りするときは、お互いのペースが
    大事ですね。ここで、あの方が先に出発されて、分かれました。

  11:20 2番さんを出発。2.6kmで3番金泉寺です。
    山門脇からお墓を通って、村の道に出ます。ちょっとありますよね。出会う方々にご挨拶しながら
    進みます。お年寄りはみんな向こうから声をかけてくださいます。でも、最近お若い方は、あまり
    挨拶していただけません。さみしいですね。「都市化」なんて、人間関係を疎遠にしていきだけです。
    むなしく頭を下げ続けながら、歩いていきます。

  12:00 3番金泉寺到着。あのお寺の裏のあぜ道からです。
    本堂横の龍と剣のお不動さま好きです。お念珠をこすって、旅の安全を祈りました。
    金泉の井戸では、はっきり姿が映りましたよ。

 逆打ちしないと、この山門から入れませんよね。いつも出るだけ?

  12:20 5.0km 
    まずは、愛染院を目指して、板野の町を通過します。
    やっと最初の遍路道らしきところにやってきます。なんとあの方が、休憩されています。
    愛染院がすぐですよ。あそこの縁側で休みましょうって、お連れすることになりました。
    歩くのが初めてですから、やっぱり少しご一緒しましょう。

    愛染院。縁側にはお接待のお水(あの温水も出るミネラルウォーターの機械)、お茶にコーヒー
    ありがたいお接待です。私は、毎回ここでパンをいただきます。

    いつも不思議なんですが、ご本尊は「お不動さん」なんです。「愛染院」ですのにね。
    わんちゃん、寝てました。今回はあの尼さんの院住さんをお見受けしませんでした。

    愛染院から野道を通って2km。
    途中、民家でうどん屋さんできてました。前もあったような。今度は、気をつけておいて
    一度いただきたいものです。おへんろさんと、地元の人しか来ないでしょう?!

    お寺の前のお宅、以前大きな鯉幟が出ていたのですが、お子さんも大きくなられたの
    でしょうか、今回はありませんでした。ちょっと寂しくも、時の移ろいを感じました。

  13:45 4番大日寺
    またまた団体さん。マイクロバスの赤い錫杖の集団。同じ柿渋の菅笠に、同じ錦の頭陀袋。
    やはり、ちょっと違うかなあって思うのは、私だけでしょうか。(不悪口)

 西国観音さま33体ですが、その前に「弁天様」。穏やかなお顔です。

  14:15 2.0km
    五百羅漢さんから5番さん。これも歩きでしたら、裏から入ります。
    あの方が、「歩き」はたいてい裏からお寺に入るのかとおっしゃいます。
    でも、私の感じでは、「歩く」と山門にまっすぐに向かい、入っていくという感じです。車ですと
    どうしても駐車場からがお参りの感じになりますからね。

  14:40 5番地蔵寺 到着。
    初めてきたとき、暴風警報が徳島に出ていて、お昼なのに本堂の戸締りが始まっていて
    早く帰りなさいって言われたのを思い出しました。こんなにいい天気で、のんびりとお参り
    できるなんて、夢のようです。6回目のお参りです。

    すごい団体さんで、観光バスが3台。6番さんか、7番さんで泊まりでしょうね。
    水洞窟を聞いている余裕はなさそうです。

 ここのお大師さまは、空がよく似合う。

    わたしは、いつも初日は10kmも歩かない。無理しないで、今日は徳島市内にもどります。
    今回の目玉は、4泊を全部同じ宿で泊まる。途中のお参りの荷物は、1/3にできる。
    様子の分かっている宿で、安心できる。こんな方法を試したかったのです。

    あのかけ連れの方は、7番まで行くんだとおっしゃる。通しの初日に、スタートも遅かった
    のに、がんばるようです。5:00までにあと6km弱ありそうです。

  15:50 徳島バス「鍛冶屋原線」徳島駅行き『羅漢』−16:43 徳島駅 
    http://www.tokubus.co.jp/rosen/rosen_info.php
    1時間ほどかかりますが、寝ていけばすぐですよ。570円
    明日の6番さん近くからこのバスが出ています。
    
  17:00 徳島駅前  サンルート徳島 
    このビジネスホテルは、できたときから使っています。お風呂もいいし、駅前ですごく便利。
    1階がコンビニなんです。

   私が、夜はマイペースで、食事も寝るのも、出るのも自由がいいんです。だから、宿坊や
   民宿、へんろ宿はすこしつらいのです。だって、7時には寝るんです。3時か4時には起きます。
   きっとそんな方もいらっしゃるだろうと思います。

   「歩き」遍路が、「行」だという考えもありますが、「苦行」にこだわらなくてもいいし、マイペースで
   できるんだというご紹介もいいかなあと思っています。

   明日は、雨の予報です。早く寝て、明日に備えましょう。


4月16日(月)
    お四国二日目です。
    今日は、逆打ちです。一度は、川島から逆に打ちたかったんです。あの潜水橋(沈下橋)を
    逆に歩むんです。もう一つは、帰りがバスのほうがゆっくり寝れるんですよ。
  
    朝はけっこう強いので、6時発の電車です。なんと2両編成で、各駅ではドアが自動で開きます。
    JR徳島線 徳島 6:10発 阿波池田行。 6:51 阿波かわしま駅に着きます。途中平日ですから
    鴨島高校や川島高校の部活動などの生徒たちが乗っています。

    いつも思うのは、みんな日常の学校や仕事なのに、遊んでていいのかなあ?
    まあ、長く働いてきたんだから、自分にご褒美もいいのかなあ。

    電車を下車して、駅のベンチで出発準備をします。もうだれもいません。
    7:00 さて、お城を目指して歩き始めます。今日は、天気が良くなくて、いつ雨が降ってくるか
    いささか心配です。でも、雨のお遍路も好きです。



    お城を過ぎたら、すぐに川島橋に出ます。あのへんろ小屋があります。階段を下りて、橋を進みます。
    橋の途中でいつも思うのですが、車が来ると、たいてい橋の横のちょっと幅のあるところで立って
    車をやり過ごしますよね。向こうも気遣うでしょうし、歩いているのが迷惑なんでしょうね。それでも
    文句も言わずに、挨拶していただくのがうれしいです。



    JR川島駅から--6km 中州の畑道を黙々と進みます。ポツポツと雨が落ちてきました。
    さっそく菅笠にビニールカバー。リュックカバー。上着は少しは水をはじきますので、それで行きます。
    3人ほどの遍路さんと会いました。10番近くでお泊りだったのでしょう。これからの12番焼山寺への
    ご健闘を祈ります。まだ、お四国を初めて3日めでしょうか、新しい杖です。初めての雨でしょう。
    どうか、気を付けて。



    8:30 10番切幡寺に着くころには、本降りです。山門裏の駐車場に、老夫婦が車でお参り。
    傘をさして降りるところです。急いで近寄って、今日は雨だから、あの333段の階段は無理しないで
    上まで車で行けますからとご案内しました。本当は、あの階段が値打ちなんですけどね。

   ここが、ご本堂の裏側です。この後ろ向きの観音様にもご挨拶です。

    雨で、杉の切れ枝が階段にいっぱいです。できるだけ、横に寄せながら上がりました。
    上には、団体さんがマイクロバスに乗り換えてきたんですかね。鐘楼のところでお参り準備を
    して、ご本堂。ここは前と後ろでお祈りしないといけません。でも先達さん、前だけと、そのまま
    ご本堂前で、みんなに横を向かせて大師堂もそこでお経。雨だし、仕方ないのかなあ。
   (以前、どなたかが言っておられましたが、団体の案内は信仰だけでは通用しないんですって。)

    9:00から 3.8km 9番法輪寺です。約1時間ですね。逆打ちですと、実は車道から右に曲がって
    旧の遍路道に入るところが分かりにくいんです。途中ベンチがあって休憩していたら、全身青の
    雨具の逆通し打ちの精悍なおじさんに追い越されました。逆は、分かりにくいねえなんてね!



    10:00 雨の中、9番につきました。いまは納経所の前がきれいになって、屋根がついています。
    なんと、昨日のあのご近所おじさんがいました。もうお友達(同宿だったよう)がお二人。
    30代のわかもの(2度目)がご案内です。

    おう、あんたか!11番から逆か!?なんと既に旧来のお友達です。リュックが重いでしょう?
    明日、遍路ころがしは大変ですよって、脅かしておきました。今日は、11番までいって、早めに
    休むんだって。そうそう、若くないんだから、ゆっくりマイペース。無理したって40日はもたない
    から。また明日会いましょうって約束して、別れました。

    わたしは、ぐずぐずしていて、おひとりとてもぎこちない青年がいます。金剛杖も上のカバーが
    びしょ濡れ。私がもっていた小さなコンビニ袋を、杖の先につけてあげました。雨にぬれると
    すぐに先っちょの縫い目が切れて、ぼろぼろになります。大事にしなさいって。

    わ、わたし岩手県から来ました。・・です。(苗字がはっきりしない)。いいですか、先は長いですから
    どうぞ無理なく、ゆっくり歩いてくださいねと。きっと明日、焼山寺道で会いますから、そのときに
    作ってきた腕念珠をあげようと別れました。

 桜の季節は、最高です。青葉もまたいいですね。

    10:30 2.4km 30分ほどで、8番熊谷寺です。これもあの仁王門の前で、迷ってしまいました。
    11:45 桜の季節はみごとな山門です。高速道路を走っていて、すぐそばなんです。
    仁王門をすぎて、車道を渡ると、大きな駐車場。へんなカメラおじさんが雨の中、うろうろ。
    後をつけてくるんです。ちょっとやな感じ。毘沙門さんがかわいい山門。(私、似ているらしい)
    「すみません。その赤い杖の歩きの人をめったに見かけないので、写真を撮れせてほしい」と。

    大師堂から後ろ姿。

    そうですね、先達さんで歩きの人は少ないです。車の人が多いですね。そうですね。先達さんは
    歩きにこだわった方より、回数にこだわるのかな?ちょっと「先達」の決まりを説明しました。

    約1時間で、12:45 7番十楽寺です。ビジネスホテルなみの宿坊、納経所。ここの門の上に
    愛染さまがいらっしゃる。私の思い出の深い仏様です。ひとり階上に上って、「ごめんなさい、
    ごめんなさい、・・。」何度も詫びて、泣きました。最近、どこかでいつも泣いています。長く
    生きていると、いろいろあるものです。仏様はすべてご承知です。『懺悔』だけですね。

  今回は、本当に忿怒のお姿です。「ごめんなさい!」

    1.5kmで、6番安楽寺です。近いですからね。ちょっと気になったのは、山門のところに張り紙。
    「HPなどに掲載用の境内の写真撮影はご遠慮ください。」(どうして?お寺の肖像権はあるの?)
    仏像などは、「撮影禁止」が多いですが、いかがでしょう?

    14:00です。ダイヤでは、14:27 鍛冶屋原線バス「東家」が来ます。5分くらいで、バス停。
    これに乗ると、15:28 徳島駅着。 今日もゆっくりしましょう。明日は、焼山寺です。晴れたら
    いいな!

 


4月17日(火) 

    朝徳島駅から石井経由(童学寺トンネル経由)の神山高校前行きのバスが、平日だけ
    7:05に出ます。7:10発のオロノ経由もあるのですが、阿野で植村旅館の前を通るんです。

    高校生、小学生がいっぱい。申し訳ない思いで小さくなっていました。
    8:20 神山高校前終点。予想通り、あの橋の前です。¥1100.あと7kmで焼山寺です。

     
     道沿いに見事なしだれ桜です。   鍋岩荘も窓が全開で、布団を干していました。
    
    9:30 左右内のバス停。我ながらいいペースです。ほとんど人を見ていません。
    遍路道に入ったところで、ご夫婦に出会いました。こんなに早くです。上で野宿ですかね?!

    10:00 杖杉庵です。タクシー遍路が3組も。降りずに窓から写真。やれやれ。
    個人的には、あそこの本堂右手前のお大師さんとお遍路さんの「同行二人」の石像が好きです。

    10:30やっとの思いで、桜咲く焼山寺です。
  
     お大師さんが、汗で曇ってる。

    やっぱり団体さんで、混雑しています。本堂の前の池のベンチに座って休憩していたら、
    お年寄りの団体が、みんな座りだして、座って読経するからって、席を空けるように睨まれて
    そそくさと逃げました。

    11:00 できるだけ早めに出発したくて、5時間で16時です。6時間かかったら、納経に間に合うかしら。
    とことこ。最初の下りです。ここが、順打ちでは最後の難所ですよね。下りは、快適です。ごめんなさい。
    二組の方が、上ってこられました。きっと朝一に11番藤井寺を出たのでしょう。

    下りたところのお不動さん。谷川です。そこから村を抜けるのが、逆だとちと難しい。
    車道に出たら、でかい狩猟犬がいっぱいいるお宅の前を通ります。今回は、一匹も啼きません。
    よかった!ふと下の果樹園を見ると、イノシシの毛皮が3頭分干してあります。

    この村のお墓のところが、私のいつもの休憩場所。
    そろそろ昨日の隣村のおじさんも来るかなあと思ったのですが、まだまだのようです。
    どこで出会うか楽しみです。

    ※ちょっと不思議なお話
    4月になってから、ずっと家の裏やぶを整理していますが、ある日ずっと何十年と裏にあったむくの木が
    枯れて朽ち果てて、大音響とともに家のひさしに倒れ掛かったんです。それでそのままにはできないので
    懇意にしていただいている大工さんに頼んで、5つに輪切りして裏に置いてました。だって大人二人で
    かかえる大木です。以来ずいぶん朽ち果ててきて、動かせそうなので、半日かかって5つの切り株を
    さらに藪の奥に入れました。そして、お昼ご飯を食べていたら、すうっと後ろを何かが通ったように感じ、
    静かに部屋のドアが閉まったんです。風もないのに、・・。アッと思いました。そうです。あの木には
    「巳さん」がおられるのです。(我が家の屋敷神さまです。)お祭りもしないでそのご神木を触ってしまい
    ました。それで私に憑いていたんでしょう。すぐさま、懇意にしていただいている御坊様からいただいた
    ご祈祷の札(光明真言1万遍)とお神酒を藪の奥のあの切り株にお供えしました。その後、怪我もなく
    きました。
     左右内のお墓のすぐ横から、遍路道に入ります。なんとその入り口に、マムシ?真ん中にトグロを
    巻いて、鎌首をあげて私をにらんでいます。長さは40cmほど。杖で威嚇してもさらに首をあげて、
    逃げてくれない。私の田舎では、マムシのときには「アビラウンケン」と大日様を唱えます。そうして
    持っていた錫杖で持ち上げて、道の横に移動してもらいました。
     なんと、しばらく進むと今度は長さ1mもある青大将です。これもなかなか移動してくれないので
    錫杖で山の斜面に持っていきました。なんと、すでに私の錫杖は2回も蛇を持ち上げています。
     決して怖くも恐ろしくもありませんでしたが、どうやらわたし、「巳さん」が憑いたのかも知れませんね。


    最初に出会ったのは、あの岩手の若者です。寡黙で、連れとではなく一人で歩くようです。
    念願の腕念珠を差し上げて、お札も。彼はリュックの中にお札があるので渡せない。でも満願成就
    できたら、必ずメールを送るからと、何度も詫びるんです。待っているからと見送りました
    あと1か月ですかね。彼からの、メールを楽しみにしています。

     昨日の雨で、ちょうど道に倒木です。なんとか通れます。

    やっと一本杉のお大師さん(浄蓮庵)まで来ました。いました!3人連れのおじさんたちです。
    「あんたに脅かされて、覚悟はしていたがこんなに厳しいとは思わなかった。この分だと、5時の
    納経に間に合わないよ。」まだ12:30ですから、大丈夫ですよっていいましたが、さてさて。

    

    また、明日会いましょう。明日も17番から逆に13番まで歩くつもりです。今日、皆さんが何時に
    どうなっているか、楽しみです。まあ若い人がついていますから、大丈夫でしょう。

     柳水庵から長戸庵。4人出会っただけ。少ないですよね。

    快調にとことこ。足も大丈夫。長戸庵からだらだらと下り坂です。
    えっ、あのネパールのお坊さん二人が、まだ端山展望台にいます。挨拶をしましたが、これなら
    夕方までに、柳水庵の小屋まで行けるかなあ?ゆっくりしている場合じゃないような、・・。

    15:45なんと藤井寺に到着です。5時間を切りました。すごい!私、逆ですがこんな早く
    歩けるんだ。自分でもびっくりです。毎日通勤で往復4km歩いていましたから。
    車でお参りのおじさんが、遍路道の入り口をのぞいておられて、びっくりされています。
    逆打ちですって、説明。褒めてもらいました。

    ご本堂の天井絵。龍です。写真を撮っておられたので、実は私は大師堂の壁の夕日の風景が
    好きですって、説明しましたよ。
    
    時間が16:15。急げば16:45の鴨島駅からの徳島行きに間に合う。がんばれ!またもや
    急ぎ足です。ちょっとへろへろ。早く帰って、お風呂・睡眠です。


4月18日(水)
    朝、すごく悩んだのです。バスで13番に行ってから、徳島の宿まで歩くか、逆に宿から
    早朝に歩き出して、昼過ぎにもどって、眉山にいくか?

    

    やっぱり早朝から歩くのがいいなあと、今日も逆打ちにします。
    徳島駅前を6時過ぎに出発。国道192号線でなくて、もう一本南の眉山沿いの遍路道を西に
    向かいます。狭い道ですが、民家の間を「四国の道」です。

    愉快なのは、神社がいくつもあって、それが全部眉山の山の上にあって、急な階段しか
    見えない。ぶらぶらゆっくり、味わいながら歩きます。散歩の方々や家の掃除の方がみんな
    朝のご挨拶をしてくださいます。(私見ですが、徳島が一番みなさん優しいですね。)

    2kmほど歩いて、県立中央病院で北に上がって、JR「くらもと」駅を越えて県道30号線に
    出たいのですが、まず病院を過ぎてから気づいて戻り、駅前を一本前で曲がってしまい
    JRを越えるのに苦労。なんとか鮎喰川が見えてきて、橋を渡ります。

    

    橋にシラサギの絵があって、河原にもシラサギが4羽。
    ふと思い至ったのは、「鮎を喰う」?「あくい」の名前の由来は、ひょっとしたらシラサギが
    鮎を喰うの意味なのかなあ?!なんて。

    徳島駅前から約6km。1時間半。8時ですね。17番井戸寺に到着。ここは不思議ですが、
    境内と道の境目がないのです。そのまま山門の裏に到着。結構お参りの人がいます。
    老夫婦がたどたどしい心経を。いいなあ。ゆっくり経本を読めばいいですよ。

    団体さんの納経が終わりそうな頃合いを見計らって、納経所に向かいます。
    今日は余裕ですから、山門を出て、「府中(こう)」駅の方に向かいます。
    出たところに韓国のお遍路シールを発見。

     「どうぎょう2人 コリア」と書いてあります。国際的になりましたねえ。

    さて、これから16番観音寺に向かいます。前回あの光明真言の版を白衣の襟に押していただこうと
    申し出たのですが、納経所のおばさんが、あれはご住職がおられる時でないとダメなんだと。
    前回、無念にもお留守で押してもらえませんでした。今日の最大の課題です。

    観音寺について、新潟の歩きのご夫婦が大きな声で車の方に「ナンバーが新潟だが、あなた方は
    どの町からおいでなのか?」と。四国で、同郷の人と出会うなんてね。懐かしいのでしょうね。

    ゆっくりしていたら、団体さんのバスが来ました。まずい!先にご朱印をいただいて、光明真言の
    版をいただかねばとね。ごめんなさい。申し出たら、納経所の横に呼び鈴があって、押して待つと
    ご住職が2枚の版木を奥から持ってきて、墨を塗って白衣に押してくださいます。念願が叶い
    ました。これからずっとこの白衣が着れます。

    普通なら、わたし歩いているときは白衣は脱いでいるのですが、完全に乾くまで来ていました。
    14番さんまで。

    16番から15番国分寺までの道、好きなんです。最初に写真を撮ったのが平成16年。それ以来
    来るたびに同じ場所の写真を残しています。ちょっと愉快です。なんと、そのおたくが建て替わっ
    たのです。今回もまた写しました。

     H17年
     平成24年
    
    15番阿波国分寺です。暑いくらいのいい天気です。のんびりあの礎石でパンです。

    おお、やってきました。隣村のおじさん一行です。あれ?お二人です。

     記念に一枚。ご住所を教えていただきましたので
    お帰りまでに届けましょう。

    なぜ二人なのでしょう?どうやら、昨日焼山寺で参ってしまい、神山温泉でゆっくりして、バスで
    一宮寺までワープしたようです。いっしょだった若者は、植村旅館から歩いているようです。

    「無理して、完全歩きでなくていいじゃないですか。のんびり満願を目指してくださいね。」

    隣村のおじさんは、5月の連休に息子さん家族が、高知に旅行に来るらしく、どこかで会うんだと
    たのしみにしていました。

    14番がお庭が岩の上にある常楽寺。ここの縁側が好きで、いつも長居してしまいます。
    実は、この縁側で「おせったい」100%なんです。ちらほら夫婦遍路さんが3組お参りで
    したが、ぼっと眺めていたら、およそ遍路らしくないおじさんがカメラを片手に小さな
    リュック。するとみかんを二つお接待いただいた。聞くと、おばあさんがお四国に回っていたが、
    もう体力もないので、息子のお前が続きのご朱印をもらって来いと言われたのだとか。
    大分からフェリーで八幡浜の着いて、44番から回っているのだとか。

    

    ありがたいですね。そんな遍路もあるんです。

    一宮橋で、あの案内の若者と出会いました。おじさんたちは、5時直前に焼山寺に到着した
    らしいです。また、あした、徳島市内で会うらしいです。元気に続けて行かれたらいいですね。

    私、快調に歩いて、13番一宮寺を打って、1:25の徳島市営バスで3時には宿に戻りました。
    バス停で、おばさんがいて、どうやらバスを間違えて、一宮まできてしまって、戻るんだとか。
    気さくに声をかけていただき、無事を祈ってくださいました。ありがたいです。バスが、徳島バスと
    市営バスと二種類ある説明を受けました。

    そして、当初から計画していた眉山と阿波踊り会館に向かいます。ロープウェイにのって、
    上にあがって、徳島の町を眺め、ゆったりした初めての徳島観光です。

    一度は、眉山。あのさだまさしの小説、松たか子でしたか、切なく哀しい阿波踊りでしたね。
    思い出しながら、うるうるしていました。

    
 
    もう明日、早く帰ろう。駅前のバスターミナルに向かって、明日8:30発のバスに変更しました。
    しんみりと最後の徳島を味わって、翌19日帰阪しました。

   今回は、出会いを大事にしたい・・そんな始まりです。5月・6月は孫が二人も生まれそうなので
   日程がとれるか心配です。まあ、それもよしということで、次回お大師さんが呼んでくれるのを
   待つことにします。

仏教の勉強室