普賢菩薩            真言  オン サンマヤ ザトバン
         「(C)2004 RayLand」           この真言を唱えれば、災いを避け、寿命が延びる。

                      延命呪 オン バザラユセイ ソワカ

 梵名サマンタバドラ。サマンタとは普く、バドラとは賢いを意味する。

普賢とは、十方世界に普く現れ方便を持って人々を救う観音である。

普賢菩薩は、釈迦如来の慈悲行を象徴する仏として、智恵を受けもつ文殊菩薩とともに釈迦の脇侍菩薩として、お釈迦様の両脇に侍し、(お釈迦様の向かって左側に控えてます)白象の背で胡座している姿が一般的。文殊とともに釈迦三尊としてる他、法華経仰者の礼拝像としての独尊もある。


十三仏の四七日導師。冠に五仏が付いているのが特徴です。また白象に乗っているのも特徴のひとつですが、この仏さまはかなりのバリエーションがあります。胸の前で合掌しているタイプもあります。智慧の文殊に対し慈悲の普賢といわれます。

 単独で祀られる像には、法華経を守る仏として、合掌して白象に乗る姿で表される像を多く見ることができます。
また『法華経」「普賢菩薩勧発品」では六牙の白象に乗った普賢が行者を守護すると説かれる。 普賢菩薩は、理・定・行をつかさどる菩薩とされており、象が進むとき、それを妨げるものはない。つまり、徹底した行の象徴である。


<六牙の白象>
象:徹底した行いの象徴。
純白:自利利他行は、すべて衆生済度のため。
六本の牙:六波羅蜜

眷属としては、十羅刹女<尼藍婆(にらんば)・毘藍婆(びらんば)・曲歯(こくし)・華歯(かし)・黒歯(こくし)・多髪(たほつ)・無厭足(むえんそく)・持瓔珞(じようらく)・皐諦(こうたい)・奪一切衆生精気(だついっさいしゅじょうしょうけ)>が従う。
 普賢には増益と延命という二つの大きな徳がありこの二徳を表した、普賢延命法の本尊を普賢延命菩薩(梵名ヴァジラモーグハサマヤサットヴァ)と呼ぶ。金剛薩たと同体とも云われる。その姿は二臂像では五鈷杵と五鈷鈴を持ち、また二十臂像もあり一身三頭六牙(四頭のこともある)の白象に乗っている。

 普賢菩薩は、六波羅蜜(菩薩の修すべき六種の行)のうち、心の安定を修する行の禅定をつかさどる仏であるとされ、また、普賢菩薩の「普」は遍(あまねく)一切をさし、「賢」は最妙の善をさすといわれ、一切にわたる最もすぐれた善を説く菩薩で、密教の大日如来と徳を表現する金剛サッタと同体異名ともされています。

 さらに、この菩薩が発展して密教の仏して表現される仏に普賢延命菩薩があります。普賢延命菩薩は、一身四頭(三頭)の白象に騎乗され、二臂(ひ)もしくは二十臂の手には印や仏具などをもっています。その名のとおり、寿命をのばす御利益のある延命像とされ、また福徳を与える仏であるとされたことから、一段と世の中に普賢信仰が広まりました。 
胎蔵曼荼羅の中台八葉院東南に四菩薩の一尊として描かれるとともに、「同文殊院」に三鈷杵、蓮華、利剣を持つ姿が描かれている。


<十大願>
『華厳経』「普賢行願品」には、
礼敬諸仏・@仏を礼拝いたします。
称讃如来・A仏を称讃いたします。
広修供養・B心から供養いたします。
懺悔業障(ざんげごっしょう)・C悔いをあらためてあやまります。
随喜功徳・D功徳をお喜びします。
請転法輪・E教えを説いて頂きたくお願いいたします。
請仏住世(しょうぶつじゅうせ)・F仏がこの世におられるようにお願いいたします。
常随仏学(じょうずいぶつがく)・Gいつも仏にしたがって学びます。
恒順衆生(ごうじゅんしゅじょう)・H生きとし生けるものを父母のように敬います。
普皆廻向(ふかいえこう)Iすべての功徳をみんなにふり向けとおさとりを願います。

の十大願が発せられている。


 『法華経』の初めの方では、菩薩の主役は「智」の文殊菩薩であった。中ほどにおいては「慈」の弥勒菩薩であった。そして最後の結びに「行」の普賢菩薩が登場するのは、『法華経』の教えを聞いて諸法実相の智慧を知り、久遠実成の慈悲に生かされ、その教えを実行してこそ意味があるということである。

 東方、宝威徳上王佛の国の普賢菩薩の問いに対して釈尊は、次の4つの事柄を成就すれば、如来の滅後においても、この『法華経』の真義をつかみ、その功徳を得ることができると説く。


<四法成就>
  一には、諸佛に護念せらるることを為、
     第一に、諸佛に護念されているという硬い信念を持つこと。
  二には、諸の徳本を植え、
     第二には、怠りなく日常生活に善行を積むこと。
  三には、正定聚に入り、
     第三には、正しい教えを奉ずる人々の仲間に入ること。
        正定聚:正しいことに決定したものの集まり。
        邪定聚:悪いことに決定したものの集まり。
        不定聚:善にも悪にも定まっていない人たちの集まり。

  四には、一切衆生を救うの心を発せるなり
     世の中のすべての人々と共に救われることが真の救いである

                       を知り、自ら多くの人々を救おうという心を持つこと。


<普賢菩薩の四つのはたらき>
1.自ら『法華経』の教えを実行する。
2.『法華経』の教えをあらゆる迫害から守護。
3.『法華経』を実行するものが自ら招く功徳と、迫害するものがみずから招く罰とを証明。
4.『法華経』の教えに背いたものも、懺悔することによって罪から解放されることを証明。

四法成就後の五百歳の悪世に普賢菩薩を念ずれば自由自在な方便力が得られる。


<普賢菩薩の導き>
1.法に基づいて悟った真理が誤りでないことを証明する。
2.実際において真理をどのように当てはめ、実行すればいいのか指導する。
3.道を誤り失敗したら、その失敗を取り返す方策を教えてくれる。



濁悪世(五濁)
1.劫濁、2.煩悩濁、3.衆生濁、4.見濁、5.命濁

劫濁 :同じ時代が長く続いたために、マンネリ化して、活性化できなくなった世の中。

煩悩濁 :煩悩のままに、他人を省みない欲望や行動によって、正常に機能しなくなった世の中。

衆生濁 :衆生の一人一人の性質の違いから生じる調和のとれない世の中。

見濁 :一人一人のものの見方が、よこしまの見方になったために起こる争いの世の中。

命濁 :年をとるとともに一人一人の残された命を不安に感じたり、時代を経て弱まる組織や国家において、
    人々が焦りを感じ不安になる世の中。


智者の条件
1.ものごとの是非善悪をよくわきまえている人。

2.自分のすることがどのような結果を生み、他にどのような影響を及ぼすかをあらかじめ見極めることのできる人。

3.自分がこの世でどのような位置を占めているか、どのような役目を持っているのかがよくわかっている人。

4.人を愛し、人と調和することの高貴な喜びを知っている人。

5.どのような生き方が人間らしい意義のある生き方であるのかよくわかり、世の中全体をもよくする道を知り、考え出すことのできる人。

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東京
 大倉文化財団 騎象像(平安 木造)国宝
 東京国立博物館 絹本着色画像(平安)国宝
奈良
 円証寺 騎象像(平安 木造)重文
京都
 岩船寺 騎象像(平安 木造)重文
滋賀
 宝厳寺 普賢十羅刹女画像

<普賢延命菩薩>
京都
 松尾寺 絹本着色画像(平安)国宝
奈良
 法隆寺 坐像(平安 木造)重文
佐賀
 竜田寺 騎象像(南北朝 木造)重文


仏教の勉強室  十三仏
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