[補陀落山](ふだらくせん)観音菩薩
『華厳経』の「入法界品」
観音菩薩の所在が南方海上の山、補陀落山(ポータラカ)とされ様々な地に観音霊場が成立。
玄奘の『大唐西域記』には「南印度秣羅矩咤国秣剌耶山の東」として、南インドの海岸とか。
その補陀落山の頂上に独自の浄土を持つという。そしてこの「観音浄土=補陀落山」とする神話は、
広く各地に根を下ろしていった。まずインドでは、半島南端部の山地に「補陀落山がある」とされ、
多くの人々が集まり、彼に拝謁せんと努めていた。チベットでは、都ラサにその名が
「ポータラカ(=補陀落)」に由来すると言われるポタラ宮があり、観音の転生活仏ダライ・ラマが
代々住所としていた。中国でも、浙江省の舟山列島に普陀山があり、現在も信仰を集めている。
朝鮮半島にも、江原道(大韓民国側)の襄陽に洛山がある。
日本では、栃木県の二荒山が古くから補陀落山と同定されていた
他、山形県の月山に
東西2所の補陀落が見出されている。
また、和歌山県の那智には、補陀落へ行く為に
沖合へ漕ぎ出し、海中に身を委ねる「補陀落渡海」と云う奇習もあった。
補陀落山(千手経、十一面観自在菩薩儀軌経、八十華厳経等が説く)
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