寒山拾得 仏教の勉強室

●平成16年1月31日(土曜日)
西国薬師49箇所
第40番 瑠璃山  雲龍院  京都府京都市東山区泉涌寺山内町 36

ときおり霧雨が降る曇天の寒い朝。9時前に門をくぐり、木鐸をたたき
朝一番の参拝客となりました。にもかかわらず、笑顔で丁寧に迎えら
れ、早速お薬師さまの本堂にお参りしました。

さすがに北朝時代の天皇家の菩提寺です。京都今熊野の山中に佇む
格調も気品も漂う泉涌寺別院です。

まず、感動したのは「薬師本願功徳経」本がそこにあり、読めないながら
も拝読させていただきました。

ここは、写経の会があるようで、本堂には朱で書いた多くの方の写経が
奉納されてあります。今度、させていただこうと思います。つたない般若
心経の折、自分の息が白く見え、この気持ちが如来に通じていると実感
しました。

お庭を拝見しようと、お部屋に入りますと床の間にある三服の軸に
わが目を疑いました。長い間忘れていた、あの「寒山拾得」です。



江戸期の俳諧師の画、無知なわたしには作者のことは分かりませんが、
おそらく南画の文人画系統ですね。ユーモラスな仕草で、一目で「寒山
拾得」だと分かりました。

しばし、緋毛氈に腰を下ろし一服していますと、ふと入り口で人の気配。
振り向くと、小学校2.3年生の男の子が覗いています。

その時、何の躊躇もなく「おはよう」と言えました。彼もまた「おはよう」って
いってくれましたが、すぐに消えてしまいました。……

・・・・・・きっとどちらかですよ。寒山か、拾得か。

私には、初めてのことです。私の前に、現れたんですよ。



榊 莫山 (著作権違反ですね。)私の居間に20年飾られています。



 ●今から、20年も前のこと。縁あって、伊賀上野の榊 莫山先生のお
 宅に行かせていただいた事があります。ご自分が焼かれたという、伊
 賀焼きのお茶碗でお抹茶をいただき、また書斎を見せていただきまし
 た。

 ご自分の白髪で作った筆。
 お子様を亡くされたとき、その涙で書かれた虚空蔵菩薩の寺院絵馬。……

 計り知れない人生の重さを背負いながらも、屈託なく豪放に過ごされ
 ているお元気な先生もまた、寒山・拾得なのでしょう。






 寒山拾得図 (南宋) 伝 顔輝 Ganki 


http://www3.ocn.ne.jp/~gogouan/Ryokan/Kanzan-Jittoku.html
 一度ご覧ください。良寛和尚の寒山・拾得がいます。

寒山拾得図  梁楷 Ryohkai (南宋)


●寒山寺(中国)

月落ち烏啼いて霜天に満つ 江楓の漁火 愁眠に対す 
姑蘇城外の寒山寺      夜半の鐘声 客船に到る

これは唐の詩人「張継」の詩である。
寒山寺といえば、「寒山と拾得」の物語が有名で、昔、蘇州と遠く隔たった村に、
二人の若者が住んでいた。二人は幼なじみで姓も名も違うが 肉親の兄弟よりも
親しかった。年上の寒山は、家が貧しく、早くに両親に死に別れたため、子供のこ
ろから豚の屠殺の技を覚えた。30歳になって近所の人から縁談が持ち込まれ、
三里ばかり離れたところにすむ娘と結婚することになった。娘も働き者で一頭の
豚を飼っており、その豚を 結婚祝いに殺すつもりであったが、寒山しか屠殺する
ものがおらず、彼に頼むことにした。寒山は拾得を伴って娘の家に向かい豚を屠
殺し、娘はその豚でご馳走をこしらえ3人で祝いの夕食をとった。どういうわけか
拾得は何も話さず、寒山はきっと娘も拾得もはにかんで黙りこくっているのだ
と思っていた。寒山にはまだ十里も離れたところへ屠殺にいかなければならず、
拾得に 「食事の後片付けをして家に帰りなさい」と伝え娘の家をでた。
道を急いでいた寒山は豚の毛を剃るカンナを忘れたのに気がつき、急いで来た道
をひき返した。ひき返すと娘の家の門は閉まっており、中から娘のすすり泣く声と
拾得と娘の会話が聞こえてきた。

 「もう泣くなよ。兄さんは僕らのことをぜんぜん知らないんだ」   
 「もし知っていたら引き離すようなことを決してしないよ」
 「じゃーなぜ兄さんにうちあけなかったの?」    
 「決まったことだし、絶対幸せになれるよ」。。。。

二人の会話を聞いて寒山は結婚することをあきらめ「拾得と娘」を結婚させるため
自ら出家の道を選んだのだった。 拾得は考えたあげく結婚をあきらめ寒山と同じ
僧侶になることを決心し、寒山を探すたびに出る。何の手がかりもなくやせこけ
た拾得は蘇州にたどり着きそこで寒山に再会するのです。そして楓橋の袂にお
寺を建て「寒山寺」と名づけたそうです。言い伝えによると、拾得はその後、仏
教を広めるために日本に渡ったそうで、今でも日本には「拾得寺」、蘇州には「寒
山寺」があります。


四睡図 (寒山・拾得・豊干・虎)  黙庵 Mokuan  14世紀中葉

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