吉祥天(C)2004 RayLand

  真言 おん まかしりえい そわか     種子はシリー
 この真言を唱えれば、大金持ちになれる。

 また蓮華の華が一万本咲いている池で、左手に香炉を持ち池に入って
 華を一本摘むごとに真言を唱える。これを一万回繰り返すと吉祥天が表れ、願いを叶えてくれる。

●吉祥とは繁栄・幸運を意味し幸福・美・富を象徴する神とされる、密教では功徳天・宝蔵天とも呼ばれ
 美女の代表としての尊敬を集め五穀豊穣も信仰されている。
 功徳は 家内安全 罪障消滅 財宝金銭 商売繁盛 富貴繁栄 国土安穏の功徳があるとされる。
 お祭りする場所 お仏壇・床の間・お厨子

 古来、吉祥天は、おがまれる仏さまというよりも、人々の中に入ってこられてともに苦しみ、ともに喜んで
 下さる大変身近な仏さまとして親しまれておられます。

●梵名マハーシュリーまたはシュリーマハーデーヴィー。
大いなる幸運という意味で、吉祥天女とか吉祥功徳天などと漢訳される。室利摩訶堤毘、摩訶室利などと。

● 吉祥天の系図は鬼子母神の五百人の子供の中の一人。
 梵語名ラクシュミー・シュリとされインドの伝説では海の泡から蓮華を持って誕生したと言われる。
 佛典中最初に女人を登場させた金光明経には弁才天と共に現れ功徳を説いており法会では主尊に
 祭られ重要視されている、佛教では訶利帝の娘で毘沙門天の妃とされている(インド神話ではビシュヌ
 の妻)。
 
 吉祥天は起源的にはインドの女神マハーシュリーで、三大主神の一人ヴィシュヌの妃であるラクシュミー
 の別名とされます。あるいはマハーデービィであって、三大主神の別の一人シヴァの妃であるという説も
 あります。また仏教の中では、毘沙門天(クペーラ)の妹あるいは妻との説もあります。又、鬼子母神の娘
 という説もあります。元々幸福の神であり、富と豊饒の神、そして家庭の神でもあります。

  インドの神話では、昔神様たちが乳海で大きな瓶に綱を付け、みんなで引っ張 って撹拌し、そこから
 甘露(アムリタ)を得た時、その渦の中から手に蓮の葉を持って出現した神とされています。インドの信
 仰では4本の腕を持っており それぞれに彼女のシンボルである蓮、甘露の瓶、ヴィルヴァの実、法螺
 貝を持 つとされますが、通常像を作る時はインドでも日本でも二臂で表現します。


●日本では主に貴族階級に崇拝され、多数の吉祥天像が作られました。日本の仏像は基本的に色を塗ら
 ないことが多いのですが、吉祥天や鬼子母神に関しては彩色の像が多数作られています。

 姿形の多くは唐の貴婦人をモデルとしており一面二臂・冠に瓔珞・臂釧を付け如意宝珠を持つ例が多い。
  左手には如意宝珠を持ち、右手は施無畏(せむい)の印をむすぶ。
 
 吉祥天の持ち物の中で本来一番重要なのは蓮の葉なのですが、日本の吉祥天像では左手に如意宝珠を
 持ち右手は施無畏印を結ぶことが多いようです。

 七福神が定まる前は福禄寿のかわりに入れられることもあり、その美貌は弁財天の天女の姿にも影響を
 与えた。美と福徳の神である。


 ● 経典と信仰 日本では8世紀初め、「金光明最勝王経」が訳されると、主に貴族に崇拝され、多数の吉祥
 天像が作られた。金光明最勝王会や吉祥悔過会(けかえ)の本尊として、鎮護国家、五穀豊穣、滅罪招福が
 祈願された。しかし、中世になると民間に信仰が広まることなく、天女としては弁才天に地位を譲ることになった。

 吉祥天像の形 中国では釈迦如来や千手観音の脇侍として毘沙門天とともに安置される。
 
 『陀羅尼集経(だらにじっきょう)』には宝冠をつけ装身具で身を飾り右手は与願印か施無畏印を結ぶとある。