「桜の花」に学ぶ

昨年、ぼんやりとテレビを見ていて、桜の木を守っている植木屋さん(すごい人)が、

「桜は、つぼみの時には、精一杯天を向いて、その自然の恵みや恩恵をいっぱい浴びて成長し、やがて、頭を垂れて、満開の花を咲かせる。」(成長のときは、しっかり顔をあげて、人の話をしっかり聞いて、たくさんの教えを学び、やがて、逆にまわりの人々に、謙虚に、頭を垂れて、学んだものを差し上げるものなのだ。)

そんな、話を聞きました。そうなんだ!桜の花がすべて下を向いて咲いていることに気づかなかった自分。花見がどうして、桜なのか。どうして、木の下なのか。

桜は、花だけが咲いて、花が終わらないと若葉をつけない。不思議な木ですよね。

今年も、日曜日の早朝にNHKの「宗教」に時間に、あの老人がインタビューされていました。

「桜というのはね、花が咲いているときにはね、虫一匹いないんだよ。だから、下で花見ができるんだ。満開のはなを咲かせて、人々を包み込んで、慈悲の心でくるんでくれるんだ!」

若い葉の時代やたくさんの芽をつける時期には、多くの毛虫や害虫、鳥などが襲ってくる。また、守ろうとする人間でさえ近づけない。でもね、花を咲かせる時期には、一匹も虫がいないんだ。まるで、恵みを求める人々をやさしく受け入れるように、まったくの無害で、真下まで許すのだよ。

そんな、人間になりたいなあ。

15代佐野藤衛門さん!    

創業天保3年、代々御室御所に仕え、植木職人として御室仁和寺の造園工事に携わり、家業の植木屋を継承し、明治より造園業を営み14代目より滅び行く桜を憂い、日本各地の名桜の保存に努め、現在約200種を保存している。

       16代目です。

    http://www.uetoh.co.jp/

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