観音巡礼(6)   [霊山寺、矢田寺、法隆寺、長弓寺]

立冬も過ぎて、秋うららかな休日。奈良の里は霞みがかかり、小春日和です。

少し前から、懐かしい「法隆寺」に行こうと思っていました。いま、大和13仏めぐりもしていますから

前に西国薬師49寺でも行った大和「霊山寺」に向かいました。朝、早すぎて「ご本堂は、

開いていませんが、・・」とのこと。「お参りするだけですから。」と中に入れてもらいました。




紅葉も始まって、もみじのみ寺。お藥師様にお参りです。ご朱印をいただいていますと、

ご住職でしょうか、「ご参拝の方が来ているんだから、早く本堂を開けなさい。」と若い僧に

いっておられます。ちょうど朝のお勤めを済ませたところでしょうか、「ご住職の奥様に、ご朱印

を書いていただくことはめったにありませんから、きっといいことがありますよ。」と若い僧。

本堂を開けていただくならと、もう一度戻りました。その甲斐あってか、お薬師様をゆっくり

拝見しました。時間はたっぷりあります。大師堂や弁財天もお参りしました。





 続いて、矢田寺(「金剛山寺」)です。こちらは、人もいない静かなお寺です。



ぼんやり眺めていますと、赤い葉がかすかな風に、一枚、二枚、・・・。はらはらと落ちていきます。

生駒山の麓に、秋が確実に来ているんだなあと、感慨がひとしおです。

 さあ、法隆寺に向かいましょう。車で20分程度です。

中学生のとき、歴史の重みに感動。高校生のとき、三好達治の詩にあの法隆寺の参道をあこがれ、

中宮寺でみ仏のすぐ横でうたた寝しました。百済観音を見たとき、光背を支える竹に大感動。玉虫厨子

の捨身飼虎図の前で動けず、詩をつくったことなど、思い出がいっぱいです。もう何回行ったでしょうか。

  
 太子堂の横に、僧のお部屋が並んでいます。
 前から、大好きなところです。

 
 
 法隆寺の五重塔の4面には、
 涅槃の塑像があります。







 庭には、猫が日向ぼっこです。やたらと、啼いて餌をおねだりです。












夢殿ですね。久しぶりでした。


 

 中宮寺には、半跏思惟の仏がいます。脇侍が、あしゅくさまと薬師さま。
 前仏が、大日如来の化身の

 護法童子。はてさて、「弥勒菩薩」?「お釈迦さま」?私は、弥勒菩薩の
 ような気がします。だって、

 過去仏であるあしゅく如来も薬師如来も東に浄土を持ち、奈良時代、
 半跏で思いを馳せる仏は、きっと

 現世の苦を来世に救うため、私たちを慈悲のまなざしでご覧なのです。
 もっと、人の少ないときに来たいな。






 法隆寺をあとに、あの信貴山スカイラインを通って

 生駒山を過ぎ、大和13仏の勢至菩薩の寺「長弓寺」

 に来ました。午後3時を回っています。どなたもいま

 せん。ひっそり静まりかえったお堂。

 そっとお祈りして、ご朱印をいただくために法華院に

 いきました。小さな門をくぐると「愛染明王」という立て札。

 「庭石を渡っていってください。奥にお祭りしていますか


 ら。」という案内に、庭石を踏んでいきますと、奥のお部屋に愛染さまがいらっしゃった。



 お大師さまも。お不動様。大日如来。そうです、両界曼荼羅の世界ですね。

 久しぶりに、それも今日の最後のお参りに、『愛染様』が待っていてくださった。

 秋の一日。いい日を過ごすことができました。「ありがとうございます。」

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