四国八十八カ所霊場会の公認先達とは


歴史    昭和33年 内藤浅三氏(滋賀県)が最初


規則   「先達審査委員会規則」(H14.4.1 改定)

   ・先達の任務と資格 (規則第6条)
    「弘法大師の教義を信奉し、四国八十八ヶ所霊場を巡拝し、同行二人の振興を修得し、多数の信徒を四国巡拝に導き
     祖風の宣揚と霊場の興隆に寄与するものをもってその資格とする」


補任の条件

   @札所住職で構成する先達審議会において、規則にのっとり、毎年10月に決定する。
   A先達の資格取得を希望するものは、四国八十八ヶ所の札所を四周以上巡拝し、四国八十八ヶ所寺院一ヶ寺の住職の推薦を受けなければならない。8月中には、申請書を提出しなければばらない。
   B先達審議会で承認された後、毎年12月初旬に行われる先達研修会において、所定の課程を修了して、公認される。


公認されると 
   認定証のほかに、
      1.先達納経帖
      2.先達輪袈裟
      3.朱塗りの金剛錫杖  が授与される。


データ
   H18年  先達総数 11,546 名 (H18現在 8,381名)

        先   達    4,370名   
        権中先達    1,457名
        中 先達     963名
        権大先達     645名
        大 先達     902名
        準特認大先達  定員30名
        特認大先達   定員10名
        元老大先達   寺院先達数名

    H18 府県別人数   1. 愛媛 1140       44. 福島 3
                  2. 大阪 996        45. 山形 2
                  3. 愛知 896        46. 沖縄 1
                  4. 岡山 633        47. 山梨 0

    50周以上巡拝された先達さん   267名 金のお札。

    100周以上の方は、錦のお札  


    世代別先達数     20歳代   20名
                  30歳代   134名
                  40歳代   291名
                  50歳代   860名
                  60歳代   1959名
                  70歳代   2560名
                  80歳以上  2555名


 先達になったら、

  @どこかの観光業に登録して、「巡礼バス」などの添乗をして、参拝者を案内する。

  Aただ、ただ回数をお参りして、上位の資格を目指す。(大先達でしょうか)

  B自分の励みとして、修行を重ねる。


 私の場合

  @きっかけは、ひとりへとへとになって札所に到着して、ベンチでたたづんでいましたら、団体のおばさんたちがぞろぞろやってきて、「先達さん?ひとり?修行ですか?」などとニヤニヤ。トイレに行くにも、白衣をきたまま。階段も逆をのぼったり下りたり。ご注意申し上げるにもパワーがいります。きっと、先達の輪袈裟をして、赤い錫杖をもっているだけで、ご注意を聞き分けてくださるだろう。それなら、やっぱり見た目にも、先達になって対機説法として、お声かけもしたいと思い立ちました。

  Aやっぱり、自分への励みにしたい。時として、仕事や用事に追われて、お四国から遠ざかります。そのとき、「先達」なんだから、修行しないといけないと自分に鞭打てればいい。

  B他の人に「先達」さんなら、きっと何でも知っているのではという目でみられます。社会ルールも違反できませんね。人の悪口や、批判もだめですよね。そういう見られ方、自分でも責任感や自覚が増せばいいですよね。勉強もさらにしないとだめですよね。

  C実は、過去に何度も目撃している、添乗先達さん。すごく命令口調で、お参りの方々にテキパキ?と指示されて、勤行。聞きますと、お参りのツアーのかたがたに信仰を多く望んではいけないよと。それもあって、「先達」にはならないでおこうと思っていました。また、お坊さんに導かれて、全員「先達」さんの団体お参りさん。整然とならんで勤行。粛々とお参りして、静かにお帰り。やっぱり、違うだろうと思います。できたら、札所で、お参りのときにこそ、ちょっと戸惑っておられたり、間違った所作を覚えておられるような方を見かけたら、お声をかけたいなあ。本堂の後ろに回らないといけないお寺や、大師堂以外にもご覧いただきたいお堂のある札所もあります。階段がきつくて、上るのも大変なお年寄りにも、お手伝いしたいなあ。こころを許してもらえる姿をしておきたい。

  D「優婆塞」(在家の仏道帰依者、修行者)でありたい。「先達」は、出家していませんが授戒を受けています。自ら、宣言しています。(十善戒)その実践としての行こそ、「先達」行ではないでしょうか。慈悲のこころを実践する立場。在家の代表として、衆生を導きともに仏道を歩み、「みちしるべ」こそ「先達」ではないでしょうか。兼好法師が徒然草で、「世に先達はあらまほしきことなり」と書いています。「道案内」でしょうか。ちょっとだけ先を歩いているのなら、後からこられる方々にお役に立たないといけませんよね。

  E歩いてきた道のご案内ならできますが、勤行の「頭」を勤めるのは、まだできません。建物や歴史、仏の説明はできますが、心を説くことはできません。僧侶ではないので、加行や祈祷はできません。行者ではないので、呪術ができるわけもありません。
  
  F私の場合、とても偶然に(運命的に)、mixiでつぶやいたら、すぐにご紹介しましょうと言ってくださる方と出会い、札所のご住職にお口添えいただきまして、トントン拍子に補任されました。本当は、もっと難しいのだろうと思います。

   納経帖も最初から狙っているのなら、同じものに重ね印をいただいて、証明にするのもいいでしょう。個人なら、納経所で4回以上なら声をかけてもらえるかもしれません。私も苦労したのですが、納経帖が2冊のうち重ね印のが1冊、白衣1回、掛け軸1回。証明が苦しいですね。日記や記録も大事ですよ。まあ、あせってもらうものではないのかも知れませんね。曼荼羅寺で、12回目のおばさんに、「わたしなんかまだまだ先達には、遠いですよ」って、言われてしまいましたが。

   地元の参拝講などがあれば、主宰されているご住職がお世話くださいます。また、四国在住の方なら、自分の県の札所に行って、申し出てお願いすることです。私のように他府県なら、どの札所でもOKです。ご住職のご推薦をいただきます。

   簡単にいいますが、個人でお参りの方なら、4回目以降に満願されたら、お礼参りの1番霊山寺で申し出て、ご相談になったらいかがでしょう。簡単に札所のご住職と知り合えるものでは、ありませんよね。ネットやツイッター、mixiなどで相談してみてください。ご推薦くださる大「先達」さんがいらっしゃることでしょう。

   ご了解いただくと、手続きの書類をいただいて記入、お寺に提出します。7月末めど。8月に、ご住職が県でまとめた書類を持ち寄って、審査会をするそうです。そうして、10月でしょうか、自宅に封書が届き、振込み用紙があって、50,000円入金します。先達研修会の案内がきて、H23は、12月1日でしたが、香川善通寺で、6時間の研修。認定書をいただき、補任されました。毎年、約400名だそうです。

  G「先達会」が、各地方にあるようです。特に「関西先達会」は大きいようですね。霊場の発展に寄与されておられるようですが、まだ集まる意味がよくわかりません。当面は、自分の「行」を中心にしたいと思います。

  H迷っています。5回目の納経帖が、28番までです。一部6回目の重ね印もありますが。「先達納経帖」というのをいただきました。今後は、この納経帖に重ね印を何度もいただくそうです。2年で2回以上いただいて、「先達」に補任した札所で、申請して上の資格をいただくそうです。いやはや、仏の世界もランキングですか?