此土の六瑞 /他土の六瑞
(しどのろくずい)

妙法蓮華経序品第一 には、佛を供養するときに起こる超常現象や、佛から放たれる超常現象のことが
書かれています。それを此土の六瑞、他土の六瑞 といいます。

経典では、釈迦が『法華経』を説法されるときに現れた現象を説明します。
それについて、弥勒菩薩が疑問を問い、文殊菩薩がそれに答える形式をとっています。

此土の六瑞
1.説法瑞、 2.入定瑞、3.雨華瑞、4.地動瑞、5.衆喜瑞、6.放光瑞

他土の六瑞
1.見六趣瑞、 2.見諸佛瑞、3.聞諸佛説法瑞、4.見四衆得道瑞、5.見菩薩修行瑞、6.見諸佛涅槃瑞

此土六瑞・・・此土六瑞(しどろくずい) 此土とはこの世のことで、娑婆世界をさす。
        瑞とは、めでたいことの起こるきざし。釈尊が法華経を説かれる前に、
        この世に素晴らしい6つの前兆が現れたことを言う。

@説法瑞  釈尊が説法をされた。
 読経などの声が聞こえる。
A入定瑞 心を一つの対象に集中させて動揺を静めて平穏に安定させること。心の散乱を静めた瞑想の境地。『法華経』を説かれる前にそのような境地に入られる瑞相があらわれた。
 静かな暗闇や空・海が見える。
B雨華瑞 『法華経』が説かれる前に花が雨(ふ)ってくる瑞相があらわれた。めでたいしるしとして天から雨り、見る者の心を悦ばせるという。諸天が仏徳を讃歎して四華を散花する記事は諸経典に見える。法要中に散華といって花びらに似せた紙を散じることは、このことをあらわしている。
 空から無数の花びらが降ってくる。
C地動瑞 『法華経』が説かれる前に、瑞相として普(あまね)く仏の世界の地面が揺れた。
 大地や建物が揺れる。雷音や鐘・鈴などの音が聞こえる。
D衆喜瑞 その場にいたものたちが瑞相を喜んで一心に仏をみること。
 仏を感じ、その姿を見える。光るものや何かが見える。
E放光瑞 釈尊の眉間から光が放たれ、東方一万八千の世界を普く照らし、地獄、餓鬼、畜生、修羅、人、天の六道の世界を映しだした。
 回りが急に明るくなったり、光を感じる。


他土六瑞・・・他土六瑞(たどろくずい) 他土とは直前の放光瑞で照らされた東方一万八千の世界。その世界の六つのめでたい出来事の前兆が釈尊の眉間から映し出された。

@見六趣瑞 その世界の六つのめでたい出来事の前兆が釈尊の眉間から映し出された。
A見諸仏瑞 諸仏を見る瑞
B聞諸仏説法瑞 諸仏の説法を聞く瑞
C見四衆得道瑞 諸の比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷の諸の修行し得道する者を見
D見行瑞  菩薩摩訶薩の種々の因縁・種々の信解・種々の相猊あって菩薩の道を行ずるを見
E見帰涅槃瑞  諸仏の般涅槃したもう者を見、諸仏般涅槃の後、仏舎利を以て七宝塔を起つるを見る


※仏を祈っていますと、いろいろ不思議なことが起こったり、出会います。
 また、同じような体験をした話を聞きます。

 私は、私達の世界に何か起こったのではなく、私達が仏の世界の一端を垣間見ることができた瞬間では
 ないかと思います。

   @ 読経などの声が聞こえる。人の中に何かが見える。わかったように感じる。
   A 静かな暗闇や空・海が見える。錦の泉や光る大地。
   B 空から無数の花びらが降ってくる。降り注ぐ光線を感じる。
   
C 大地や建物が揺れる。雷音や鐘・鈴などの音が聞こえる。
   
D 仏を感じ、その姿を見える。光るものや何かが見える。気配を感じる。
   
E 回りが急に明るくなったり、光を感じる。痛みや苦痛が消える。