・聖観音 ・梵名:アヴァローキテーシュヴァラ   ・真言:オン アロリキヤ ソワカ
          種子サ                              
、「仏像イラストは(有)レイランドの著作物です。」

仏の慈悲の「非」をもって、現世の生活に悩む人の苦しみを救います。阿弥陀如来の化身と考えられています。頭上には阿弥陀の化仏を付けています。単独像のほかに勢至菩薩と一緒に阿弥陀如来像の脇侍となる場合もあります。


[ルーツ]
 これは文字通り観音の本体です。厳密な意味で言えば、これこそが本来の観音でしょう。聖観音の出自は不明確ですが、流れとしてはゾロアスター教の、世界に遍在する水の女神アナーヒータの要素が含まれているかも知れません。ただしアナーヒータは直接的にはインドのサラスヴァティ、日本の弁天・市杵嶋姫命につながります。またこの女神は西に伝わると、 イナンナ(イシュタル)からアフロディーテ(ヴィーナス)にもつながります。

 実際らは、聖観音の要素にはこのアナーヒータの要素とインドの最高神のひとり、シヴァの要素が混在しているようです。アヴァローキテシュヴァラというのは元々シヴァの別名のひとつです。アーリアというのは「高貴な」という意味。それ故、彼らは自分達の民族をアーリアと自称したのです。
 
 元々シヴァというのは両性具有的な部分があり、パールヴァティと合体したアルダーナーリーシュヴァラ像などというのも作られています。パールヴァティ(シャクティ)はシヴァの配偶神であるとともにシヴァそのものの裏の姿でもあります。恐らく観音の本体というのは、こういう両性具有的な要素を持つシヴァにアナーヒータの要素が加わったものなのでしょう。

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