巡礼の詩 3  時々の思いを、残したい。
                 平成18年3月25日自宅から高野山へ。5月から3回目の遍路に。


■巡礼の詩 1 ■巡礼の詩 2 

  
   高野へ 終わりなく

  大師に呼ばれ 参り道 永久に

   (自宅から高野山10里を歩き始め)
 花遍路 導く花は 浄土華

   うぐいすもまた 法華経あぐ

        (高野街道)
 極楽の 橋は 地蔵が迎えたり

  いざ お大師に まみゆ これから

        (高野山 極楽橋)
 不動坂 上る先には 仏待つ

   ひきずる足にも 力添えたり

              (高野山 不動坂)
   
 田植え道 遍路いざなう しるべ石

  金泉寺(こんせんじ)すぐ 大師にお会いに

             (3番 金泉寺手前)
  こいのぼり 八十八夜も過ぎにけり

    朝の気もまた  清浄句(せいせいく)なり

              (4番 大日寺前) 
  五百もの 羅漢を背に負い 

  次なりし み寺に詣ず 吉野川光る

          (5番 地蔵寺へ)
  さつき晴れ 大師の背にも 降り注ぎ

     遍路とともに お四国に いざ

   (5番地蔵寺の鐘楼と
             9番法輪寺の大師)
 
  切幡の 門に至る  階段(きざはし)の

    その段ごとの 毒や 落ちたりしか

               (10番 切幡寺)
  早朝に 吉野川あたり 霞みたり

        はやる気持ちが つい早足に
  朝日浴びて 長き影に 導かれ

   今日もまた行く 遍路道 たのし

      (吉野川堤防 朝6時)
  風薫る 吉野川 たおやか

       遍路あたかも  天の釣り舟

         (沈下橋の上から)
  沈下橋 流れに逆らわず 流されず

    行けるなら行く 行く喜び更に
 いざ 焼山寺さんへ 今行かん

  先を見ず ただ一心に 御元(みもと)へ

      (12番 焼山寺みち スタート)
   
  道はるかに 続き  息途切れ 

       遍路癒すは 山つつじ花
長戸庵(ちょうどあん)  遍路を待ちて 幾星霜 

    木漏れ日浴びて  地蔵守りて
  山頂の 一本杉の前にいて

    大師はまたひとつ

        遍路の澱を 受けん
 杖杉庵 同行二人


 三郎よ よかったね ついに大師と めぐり合い

    吾はいつ まだ路 遥かに
  雨の遍路道 またワクワク

     笠の雨音(あまおと) 経の如くに

               (14番 常楽寺)
  鈴の音と 雨音 杖音  三度目の道

    (15番から16番観音寺への道)
 炎天の野道 あの向こうへ さらに前へ

  (17番井戸寺から)
 地蔵越え 守れと祈り 上る坂道

  (地蔵院から徳島へ)
  暑さゆえ 思考は薄れ 歩くのみ

   向かうみ寺の 甍(いらか)いずこ

     (19番手前)
 せみ時雨 お山の むこうに 待つものは

       みほとけ世界か 道続く

   
 鶴林(かくりん)の み寺に詣ず

      地蔵の待つや 鶴の待つや

  (20番 鶴林寺 山門)
 いざ 太龍寺へ あの御山 はるか 

 (20番 鶴林寺から下りて、
         21番 太龍寺への遍路道)
 点を 線に つなぐ よろこび

   疲れも ピーク

  (21番 太龍寺 山門前)
 波音や 夜明けの室戸 人も無く

    背負う荷もまた  み心のまま

   (夜明けの室戸)
 室戸なる 荒波音に 責められて

   おやまに待つ 大師に会いに

 (24番 最御崎寺 遍路道)
  神峯(こうのみね) 参る御山(みやま)に

   秋の空 最後の一葉も 我を待ちかね

  (27番 神峯寺 参道の木に最後の一葉) 
  おまいりの おだやかな きもち ふみしめて

   ありがたきかな いまをいきたり

   (27番 神峯寺)
  秋野道 歩き来しかな 

  踏みしめる  足音杖音   また心地よし

      (28番大日寺から29番国分寺へ)
  国分の 野道を行きて 申し分なし

    秋風 秋空 秋の道

     (29番国分寺から30番善楽寺へ) 
  参道を帰る 仏 背に感じ 

   今日の宿に  向かうも 言うことなし

         (30番善楽寺打ち終わり)
  朝日登る  ともに山門  くぐりたり 

         参るみ寺の  木々も秋色

                (31番竹林寺)
  種崎の 渡しに乗りて 道つなぐ

   遍路また 次の札所へ

  (32番-33番へ高知県営フェリー
                 いまも無料)
  仁淀川 観音のお山に待つ

         冬の河原に 日差しあたたか

                (34番-35番)  
 
  清瀧のお山は そこに

    落ち葉踏みしめ われはいまここ

            (35番 清瀧寺)
  岩本寺 門前町を抜けて 来たり

        五仏に参る 歓喜堂もまた

             (37番 岩本寺)
  分け入っても 分け入っても 青い山

                    山頭火

           (四万十市内から) 
  早朝の 遍路道に 息切れす

         次の札所の仏 迎えに

           (42番-43番 歯長峠手前)
 
 地獄道 極楽道の 選択は

         苦行 楽行 行に変わりなし

              (歯長トンネル前)


  『おちついて 死ねそうな ・・』 山頭火


一草庵に 音もなし 静けさに 山頭火の姿 なし
 青き山 青き山 遍路道 ほとほと 止むことなし
    三郎よ 何度歩んだ この道を

        大師いずこ  我もまた行く

            (衛門三郎の故郷で)
    早春の 遍路道 草萌ゆる

       ウグイスの 経も つたなし

           (47番 八坂寺から)
    朝立ちに 町の明かりも いたずらなり

         白き遍路は 札所目指して
    菜種道 越ゆれば み寺 在りしかし

        朝日まだ 今朝もうれしや

       (夜明け前の、52番太山寺みち)
    (松山の み寺に 参る) 

      椿花 踏みしだかれて 

          我より先に 参る人あり
   今治の野に 地蔵頼りて 遍路行く

      (56番 泰山寺すぎて)
  川渡る 遍路道 水ぬるみ 夏きたるらし 
      
           ツバメの飛ぶ見ゆ
     
 岩清水 八幡さんの お山より

      下り来る遍路  まだ未熟なり

         (57番 栄福寺 そこに)
  待ってください 大師さま

      おぼつかぬ足と 至らぬ我を

           (58番 仙遊寺)
  横峰の 門に至りて ことばなし

       がくがく膝に 息絶え絶えに

          (60番 横峰寺)
 星ヶ森 鉄の鳥居の その前は

      石鎚山に 星供捧げん
  神の門 仏の門の 向こうには

    天狗の待つか 不動の待つか

          (石鎚神社)
 羅漢五百 われはこの世の 阿修羅なり

      いつの日か 大師のみもとに

          (66番 雲辺寺)
  弥谷へ 朝   始発の道

     いざいざ 進もう 仏道

          (71番 弥谷寺)
   竹やぶに 蝉のシャワー

     足音のみが ぼそぼそ 聞こゆ

          (72番 曼荼羅寺へ)  
  お大師さま 善通寺の町は いかがです

    幼い頃と 変わりなく 今も

     (73番 出釈迦寺)
    甲山へ 昼  日影(かげ)もなし

      とぼとぼ 進め  土用へんろよ

            (74番 甲山寺) 
      
  木のトンネル 3km

    空も見えず 音もせず

          (82番 根香寺へ)
 五色の山に 先達のあり

      白峰 根香  鬼は無し

            (81番 白峯寺)
 TOKIOのうどんやさん 過ぎたら

  公園の中が 遍路道  少しいったら

   商店街が そのまま遍路道 ははは
  香西寺 地蔵の寺に 向かう道

   遠く高松の 町や そこに
 88番 大窪寺  大雨の満願
    大師よ!

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