薬王菩薩、薬上菩薩(やくおうぼさつ、やくじょうぼさつ)

                              真言 オン ビセイシャラ ジャヤ ソワカ
                                  この真言を唱えれば、病気が治る。


 兄の薬王菩薩は梵名バイシャジャラージャと云い、星宿光長者と称し良薬を衆生に与え、
弟の薬上菩薩は梵名バイシャジャサムドガタと云い、雷光明長者と称し兄に従い、菩提心を発して菩薩になった。

未来において薬王菩薩は浄眼如来、薬上菩薩は浄蔵如来になると云う。二尊共、薬師八大菩薩、阿弥陀二十五菩薩中に加えられている。釈迦如来の脇侍としてもつくられた。

「薬師本願功徳経」の中に
『もし世尊薬師瑠璃光如来の名号を聞けば、命が終わるときに臨んで八大菩薩がそこにおり、虚空に乗じて来て、その道を示し、かの世界、種々の色の諸々の宝の華の中において、自然に生まれる。
という一節があります。

薬師八大菩薩
 文殊師利菩薩・観世音菩薩・得大勢至菩薩・無盡意菩薩・宝檀華菩薩・薬王菩薩・薬上菩薩・弥勒菩薩

八大菩薩としての場合、薬王菩薩は薬草と薬壺、薬上菩薩は薬壺のみを持ちます。

 その姿は、薬王菩薩が薬草・藥壺、薬上菩薩が薬壺を持つが、決まった形はない。むしろわが国では、釈迦如来の脇侍として 製作されることがあったようで、奈良・法隆寺金堂の釈迦三尊の両脇侍は、鎌倉時代の文献に薬王・薬上菩薩であると記される。 また薬に関する菩薩であるところから、「薬師本願経」に説かれる薬師八大菩薩の、または阿弥陀二十五菩薩の1尊に加えられ ている。


[由来]

 「観薬王薬上菩薩経」によると、もともと兄弟の長者で、兄の薬王菩薩(梵名バイシャ ジヤラージャ)は星宿光長者と号し、訶梨勒果(インドに産する樹果)と良薬を与えて衆生を救済する菩提心を発して菩薩と なった。弟の薬上菩薩(梵名バイシャジヤサムドガダ)は雷光明長者と号し、兄に従って良薬を持し、衆生を救う大きな誓願 を立てて菩薩になった。仏は「2菩薩がいずれ未来において成仏し、兄に浄眼如来、弟は浄蔵如来となるであろう」と、弥勒 菩薩に告げたという。

 また「法華経」の「薬王菩薩本事品」には、薬王菩薩は前世において、みずから妙香を服し香油を見に塗って、その身を 燃やし仏を供養した一切衆生憙見菩薩であったと説く。この二人が薬王、薬上の二菩薩である」とされます。


参考(曼荼羅等で登場する「八大菩薩」

八大菩薩 / はちだいぼさつ
1 観自在(観音)、慈氏(弥勒)、虚空蔵、普賢、金剛手、曼殊室利(文殊)、除蓋障、地蔵
2 理趣経:金剛手、観自在、虚空蔵、金剛拳、文殊師利、転法輪、虚空庫、摧一切魔

八大菩薩 はちだいぼさつ
 仏教の仏。金剛手菩薩、妙吉祥菩薩or弥勒菩薩、虚空蔵菩薩、慈氏菩薩or文殊菩薩、観自在菩薩、地蔵菩薩、除蓋障菩薩、普賢菩薩をいう。

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