遍路ふたたび(3)  平成17年4月28日から5月1日

遍路ふたたび(1)東寺出発準備 (2)別格1.2番、1番ー11番
(3)12番-19番、別格3番 (4)20番ー23番、別格4番 (5)24番ー33番、別格5番  
(6)34番ー43番、別格6.7.8番 (7)44番ー53番、別格9番 
(8)54番ー66番、別格10ー15番 (9)67番-83番、別格16-19番 
(10)84番-88番1番、1番、 (11)高野山 (12)別格20番、別格1番 (13)東寺




1日目 JR徳島線 「鴨島」駅ー(11番藤井寺)ー12番焼山寺ー神山温泉

4月28日 昼過ぎに出発。
JR徳島線 「鴨島」駅前のビジネスホテル 泊。無理いって車を30日まで置いてもらいました。
 鴨島駅は大きな駅です。駅員さんがいます。タクシーもいっぱい。

4月29日
6:00 出発。
 1.5km 
  藤井寺は、あの藤が満開です。
7:00  11番 藤井寺 通過
 3.2km
 さあ、「焼山道」にはいります。藤井寺本堂に、道中の無事を祈って。

 何人もの方が、山越えに向かいます。説明には、強足6時間、弱足8時間。
 私は、もちろん弱足です。2時に着いたらいいじゃないですか。

8:30 長戸庵 H440m
 3.4km ちょうどいい塩梅「ちょうどあん」とはいうものの、すでに疲れています。
 竹やぶに囲まれています。
 次々、仲間が来ます。連休ですから、ハイキング客も。おじいさんは、「月に一度、往復するんだよ。」
な、なんと!きっとおじいさんの帰りに出会うなあと。すごい人がたくさんいるものだ。

10:30 柳水庵 H500m
 こんどは、あまりきつい坂道もない。最後にきつい下り坂。「ふくろうに注意」の看板。
 左写真の奥から下りてきます。マムシがかえるをくわえて足元に!久しぶりに見ました。

 
 以前は、宿坊だったようです。湧き水を空のペットボトルに。

  柳水庵を下りると車道に出ます。きれいな遍路小屋。
 中には、いっぱいお札が貼ってあります。物干し台までありましたよ。

 2.2km だらだら上りの車道。

12:30 浄蓮庵 H740m この山がきつい。石段が続くんです。二つ目の山ですね。
空が見えてきて、最後の階段。
  一本杉のお大師さん。待っていてくれましたね。

 立派な千手観音さまがあります。
 4.1km
 長い下り坂です。ふもとまで下ります。途中で、とても元気なご夫婦が来ました。
「向こうの山の中段にあるのが焼山寺の駐車場ですよ。ご一緒にどうですか?」と。
「ごめんなさい、とてもそんな速さで歩けませんよ。」「じゃあ、がんばって!」
この人たちは、何者なんだろう。強靭な足腰。あっという間に見えなくなります。

 谷あいの渓流まで下りて、最後のお山です。「最後の山は、大変だよ。」
と聞いていました。覚悟はあるのですが、本当に辛かったです。
大きな岩の階段。何回休憩したでしょう。足が上がりません。杖を両手で支えて、
一段づつ。でも、一歩づつ進めば到着するんだ。誰のためでもない。
自分を限界に曝すのを望んだんだ。なにも考えていませんでしたよ。

 杖と傘 ともに歩みし 道はるか

15:00  12番焼山寺 H665m

 到着しました。なんとか弱足さん(8時間)。
 お寺は、参拝客でいっぱいです。道中抜かれた方は、2、30名。亀さん、亀さん!

 

 4月29日は、お大師さんのご命日。右の塔婆は供養塔。
 前に、暴風警報のなか鉄のろうそく台が風でころんでいたんですよ。
 バス停はどこでしょう。納経所で聞きますと、山を1時間下りないとだめとか。
 とうとう挫折です。タクシーを呼んで、神山温泉までいきました。4.500円。

 タクシーを待っていると、「歩いてこられたんですか。若い青年2人ずれをみませんでしたか?」
 と老夫婦。「向こうの山の麓で追い越しましたよ。」疲れて待ってるらしい。車で迎えに行けますか。
 すごく遠回りですよ。歩いて迎えに行けますか。息子たちが歩きたいといって、向かったんです。
 途中までなら、車でいけますよ。(母親の気持ちは、ありがたいものです。)
 まもなく一人が上がってきました。お二人が、走って迎えに行きました。

 杖杉庵は、今回はタクシーの車窓から。衛門三郎の像。あの松山の道を思い出しました。

神山温泉で宿泊。日帰り温泉があって、混雑しています。透明でぬるっとした温泉です。
道の駅「神山」の栗アンパン。ジュースのおいしいこと。明日のパンを買いましょう。

4月30日

   神山温泉 善覚寺大師堂

 早朝、お参りしました。散歩のおばあさんに、大師堂を教えてあげました。


「寄井中」7:00発の徳島バス。7:06「神山温泉」駅から「徳島駅」行きに乗車。
 
 鏡大師と建治寺は、断念しました。徒歩では22kmくらいあるんです。

 「一の宮(大日寺前)」停留所下車。
7:50
 13番大日寺
  
 すでに多くの参拝者です。お参りを済ませて、さあ歩きます。この道は、去年の8月にも歩きました。

2.3km 吉野川を渡ります。昨日の足の痛みを引きずってます。

 14番常楽寺

 あららぎ大師。あの岩肌の境内のお寺です。
 お久ぶりです。庫裡の縁側で休憩していましたら、団体遍路のおばあさんが、
 「歩いておられるの?夕べ泊まった宿で、歩きのお遍路さんに会ったらお接待
  してくださいって、もらったの。どうぞ。」と、バナナ2本・ゆで卵5個。
 意識していなかったので、ひたすらお礼をいうばかりです。お礼のお札も渡していません。
 (ごめんなさい。夕べ温泉に泊まったとは言えなくて。)
 向こうに、野宿した風の青年が。『お接待返し!』いただきものですが!
 ふと見ると、ゆで卵にかぶりついてる。よかった!

  奥の院 木彫りの地蔵様
 
0.8km   
 途中に八大祖のお堂があります。

15番国分寺
 大師堂は烏枢沙摩明王と同じところ。 
1.8km あの卵の青年とまた出会いました。がんばれ!
 去年の夏と同じ場所で!まだ田植えの準備中。
 「鈴の音(ね)と 足音だけの へんろ旅」と詠んだ心細さは、ありません。
 満ち足りた充実した気持ちです。春夏秋冬、4つの季節を歩いています。

 交差点で、おじいさんが「道、分かってるかい?そこを行って左に曲がり二つ目を右だよ。」って。
 なんで、あんなにみんな優しいんだろう。

16番観音寺
  あの光明真言の御印を母の白衣にお願いしました。
 申し出ると、奥から版木を二枚持ってきて、刷毛で墨を付け、両襟に。
 私の印の一部がにじんでるんです。去年真夏で、汗びっしょり。ドライヤーで乾かしたんですが
 部分的に乾いてなくて。でもいいや。その笈ずるで、二度目を歩いてるんだから。

2.8km 観音寺のすぐ東側に神社があります。そこで、パンを食べました。
 境内の向こうにミッキーとミニーの石像があるお寺があります。中に歓喜天堂。
 また、お参りに来ましたよ。

 踏み切りを越えてあるいていると、前から車がきておばあさんが降りてきます。
 手には、バナナ!「ようお参り」と。今日二度目のお接待です。

17番井戸寺

 日限大師

 前のベンチで休んでいると、車のおばさんがビニール袋のお茶・パン・バナナ!!
 「お接待です。」って。ありがたいです。向こうのベンチの自転車遍路の青年ももらっています。
 帰りに、その青年に飴玉を『お接待返し』!「いっぱいもらって困ってます。芋までくれるんです。」
 という始末。まだまだ未熟者め!そのうち、ありがたいと思うだろう。こんな発言をしたことを
 悔いるときがすぐくるだろう。「10連休をもらって、松山まで行きます。」とのこと。道中気をつけて。

1.5km
JR徳島線 「府中(こう)」駅
14:06発
 なんと、駅に着くとすぐ電車がきて、切符を買うのを待ってもらいました。
 「鴨島」駅がいくつ目なのかわからず、きょろきょろしてると、となりのおばさんが教えてくれました。

14:30 「鴨島」駅下車
 まだ、時間的に余裕があるんで、車で建治寺に向かう。
 看板のところから、山道に入りましたが、車では無理と判断しました。また、宿題が残りました。

 さらに走って、地蔵院にお参りにいきました。予想以上の大きなお寺です。大師堂の天井には
 胎蔵界曼荼羅があるそうです。見ていません。
       
 帰りに、今回始めてのうどんをいただきました。

(宿泊)最初に泊まった鴨島のホテルで、泊。

 5月1日
  朝から雨です。寒くはないですが、当初からの計画で、今日は車です。

 18番恩山寺
  駐車場から坂道を登ると、巨大な大師像があります。
   
                                 10大弟子像

 今日も朝から、たくさんのお参りです。

 19番立江寺
    
  今回は、少し余裕があります。本道左の奥には観音堂。なんと本尊が2階建てで、
  上の段に観音様、下の段にお大師さん。 本堂右が護摩堂です。

  上の写真右が、黒髪堂。しっかり見ることができます。ここは、四国最初の関所寺。
  お不動さんの真言を唱え続けていました。

  権先達の輪袈裟、黒装束の方が声をかけてくださいました。私の笈摺をみて、
  「何回目?背中に結願の印があるから。」「二回目です。」
  「二回まわると三回まわるんだよ。一回目は自分のため。二回目は先祖のため。
  三回目は、お大師さんに会うために。」「頑張ります。」

  まだ時間があります。星の岩屋に向かいます。次回を考えると、次回は慈眼寺の
  穴禅定から鶴林寺、太龍寺と薬王寺、鯖大師を考えています。だから星の岩屋には
  今回いっておきたいですから。

  小雨の中、村に入ると村人が総出で道作りです。おじさんたちの星の岩屋の道を
  尋ねると、細い山道をずっと行けば広いところがあるよって。

  半分くらい進んだのですが、上の道の様子も分からないので、車を下りて歩くことに。
  約1kmくらい山を登ります。

  星の岩屋

     

   すごい瀧です。瀧の裏が洞窟(岩屋)になっています。
   修験の地ですね。大師が7日間籠ったところです。悪い星を閉じ込めて成敗して、岩にした。
   人ひとりいません。

    

   滝の岩肌にお不動さん。写真を撮って、家に帰って見て
   びっくりしました。デジカメです。科学的に言えば、雨粒がカメラのフラッシュに光った?
   信仰的に言えば、何かが光ってる!上のお堂にも光るものが。

   でも、怖くはありません。私を守ってくれているか、私にも見えるようになってきたのか。
   お姿を現してくれたのか。結構うれしく思っています。今度は、どんなサインをいただけるの
   でしょうか。日々、精進しようと思います。

 さて、今回の遍路は打ち止めです。何回訪れても、その度に試練と感動をいただきます。
 次回、穴禅定と鶴林寺・太龍寺のお山を登ります。虚空蔵求聞持法を体得された大師の
 跡を訪ねます。6月末に行けるかなあ?もう早く行きたくてウズウズしています。