遍路ふたたび(4) 平成17年7月16日(土)から7月18日(月)予定
遍路ふたたび(1)東寺出発準備 (2)別格1.2番、1番ー11番
(3)12番-19番、別格3番 (4)20番ー23番、別格4番 (5)24番ー33番、別格5番
(6)34番ー43番、別格6.7.8番 (7)44番ー53番、別格9番
(8)54番ー66番、別格10ー15番 (9)67番-83番、別格16-19番
(10)84番-88番1番、1番、 (11)高野山 (12)別格20番、別格1番 (13)東寺
21番太龍寺 捨身ヶ嶽のお大師様
7月16日(土)
朝、4時50分 大阪発。一路お四国へ。
7時30分に、慈眼寺の手前潅頂の滝に着きました。
階段で100段はありますね。
上には、お不動様が。
この旅の無事過ごせますように。朝日がさすと虹がでるとか。
8:00 別格3番慈眼寺に着きました。大師堂にお参りして、納経所で「穴禅定」に行きたい旨を伝えます。
すると白衣を貸してくれます。大師堂にあがって着替え、ロッカーの鍵を預けます。ろうそく1本を
いただき、あとは何も持たないで大師堂左脇から坂道を登ります。
観音さまの石門をくぐり、坂道を登ること10分くらい。(これがきつい)上には、本堂と岩壁に
木の小屋風の建物。(岩の奥に大師様や地蔵様)そこで待つのです。先客が戻ってくるまで。
黄色い容器に清めの塩。お大師さまの足元からは、水が湧いています。(口をすすぎ、塩で身を清めます。)
どうやら、ご案内のおばあさんが戻ってこられました。先客は、中年のご夫婦です。「清々しい」と
おっしゃっています。ワクワクしてきました。
おばあさんは、「少し休憩させてね。その間に、身と口を清めてね。」
さあ、行きましょう。おばあさんのご案内で少し岩肌を登りますと、赤い鉄の柵に南京錠。
おばあさんに開けてもらって入ります。すごい岩肌を登ります。ひょいひょいのぼっていくんです。
上に少し広いところがあって、割れ目にお不動さまの石像です。おばあさんの独特の口上で
説明を聞き、一緒にご真言を3度。右の階段をあがると、いよいよ洞窟の入り口です。
入り口には、大日さまの石像です。おばあさんが、ろうそくに火をつけてくれます。
さあ、1本のろうそくでお参りです。
噂以上に狭いです。大きな岩が縦に割れたその割れ目をたどっていくのです。
「ろうそくを左手で」「左から、肩を下に!」と言われた通りにいくと進めます。途中、ひざをついて
いくところや頭から通らないといけないところなど、本当にすごいですよ。
龍の爪やほら貝の泉など、鍾乳洞の見どころを、何箇所かろうそくでご案内です。
やっと奥の広いところに出ました。
お大師さまの坐像です。おばあさんが心経を唱えてくれます。そのあとで、持っている念珠を
お大師さまにこすりつけてくれて、それで体の悪いところをさすります。本当に病気が治るんです。
おばあさんは、有名人物です。85歳。テレビにもよく出るらしいです。パンフレットにも写ってますね。
帰りもたいへん。ろうは手に落ちてくるし、最後はハイハイして穴からでます。(「仏の胎内から
生まれるんだよ。」って。「安産だったね。」と言ってもらいました。)
1日に10度も案内するんですって。「いつまでも元気でいてくださいね。」。手をぎゅっとにぎってもらいました。
さあ、来る途中でチェックしていた、勝浦町役場の駐車場に向かいます。土曜ですから、役場は休み。
守衛室で、車を駐車したいといいますと、二つ返事。さあ、準備して鶴林寺へ歩きます。
11:16出発です。
約3.5km。天気はかんかん照り。
でも3kmで標高が470m上がるんです。ずっとのぼり坂。
しばらく進むと「あと2.1km」の標識。なんだ近いな。も少し行くと「あと2.5km」
え!増えてる。
抜きつ抜かれつのおじさんが、「二歩進んで三歩下がってるなあ。」なんて。
途中、「水のみ大師」で大休憩。ペットボトルに大師の泉でお水をいただきます。
まだまだこれから標高300m登ります。
遍路路が、参拝車道と二度交差します。ここが、思い出の場所です。
去年、霧雨の早朝初めての参拝でした。霧の中を車で。其のとき、歩きの母子を
見かけました。ここです。「親子で歩いてるんだ。」「朝早くから大変だなあ。」
そんなことを思いながら通過したんです。
「あっ!冷たいお茶をお接待すればよかった。」時はすでに遅く、母子は山の中に。
そのとき、私の去年の遍路は『接待遍路』と決めました。できるだけ多くの歩きの方々に、お接待しよう!
私が歩けない代わりに、歩いてくれているんだ。そう決めたのです。おかげで前回の遍路では何十人と
お接待しました。その原点に、いま立っています。当時、帰り道でおじいさんにお茶を始めて接待したときの
あの笑顔「わあ、うれしい!」って飛び上がるほどの感謝でした。今日の私に導いてくださった方です。
もう1:30です。2時間もかかりました。遅足さんです。それにしても、途中までいっしょだったおじいさんが
きませんね。本堂左奥に、ご本尊降臨の杉があります。前回、見落としてお参りしていませんでした。
20番鶴林寺
2:15 ゆっくりお参りして納経所の前の坂道を下ります。太龍寺への道を下りて、県道283号線まで。
2:50 ここもけっこう坂がきつい。今日は、ここで打ち止めです。勝浦町役場までタクシーを呼びました。
4時まえに、太龍寺ロープウェイ下の「わしの里」に。ん?朝の慈眼寺で見かけた方が、同じ宿です。
7月17日(日)
あさ、太龍寺道を登るつもりでしたが、体がぎしぎし。だめだ!目の前のロープウェイで山頂の
21番太龍寺へ。
大師堂の欄間がこんなにすごいのを発見しました。
納経所横の天井絵です。
平等寺へは、上のロープウェイ駅から歩きます。
ロープウェイから。 すぐ側で。
あのお大師さまに。捨身ヶ岳のお大師さんは、岩の上におられます。
ロープがあって目の前までいけます。(中が空洞です。肩をこんこんたたきました。)
19歳のお大師様。(一番上の写真です。)
195号線まで遍路路は山の中。3.5km。途中持福院というお寺で休憩。いっきに500m
くだります。
国道を右に曲がれば、「わしの里」。左に曲がれば「わじき」です。
さあ、平等寺まで歩きます。
国道に出てから3.5km。だらだら坂をアスファルト。山道がはるかに快適なのを実感しましたよ。
炎天下を歩くのは、本当につらいです。
なんとか、道の駅「わじき」に着きました。冷たいうどんが最高でしたね。ゆっくり休憩です。
ここから峠越えの遍路道。あと4.6kmです。
見えますか。「わじき」から遍路道に入ってすぐに、どこから
ともなく、一匹の犬が。すぐ前でおしっこするような仕草を
して、ずっと先導してくれるんです。
途中で止まると、もどってきて側に座ります。そうだ、メロンパン
を持っていました。ちぎってあげると、ペロッと食べましたよ。
「わじ」と勝手に名づけました。なんと、平等寺までご案内。
きっとお不動さまのお使いだと信じます。
3:00前に22番平等寺に到着です。
1時間ほどいました。駐車場には、アイスクリンやさんがいます。天の食べ物のような気持ちでしたよ。
「わじ」にもあげようとしたのですが、どうやらアイスはだめらしい。
去年の画像
平等寺は、四国88ヶ所のなかで一番手水のきれいなところですね。
去年は、蓮の花が。今回は、あじさいが水中花なんです。
本堂のなかには、粗末な板でできた「病人を乗せてお参りした」という
輿のようなものが3台奉納されています。
これに乗ってお参りした人は、どうなったのでしょう。病気が治ったという
話はよく聞くのですが、・・。痛ましい、すごい歴史が遍路にはありますね。
そっと手を合わせました。
そうそう、「わじ」はね、途中山のせせらぎでは首まで浸かって水風呂ですよ。体を冷やすんです。
近づくとそそくさと出て、また道案内なんです。
タクシーを呼んで、「わしの里」まで戻りました。運転手さんに案内犬「わじ」の話をすると、有名ですよって。
7月18日(月)
朝から、車で23番薬王寺、鯖大師にお参りして、一路大阪に戻る。大阪まで250kmくらい。
薬王寺
薬王寺は、厄払いのお寺です。女坂33段、男坂42段。そして60段。
階段には、1円玉がいっぱいです。「肺大師」は、肺がんや結核のお大師さま。本堂左奥ですね。
この本尊は2体あって、裏にまわってもう一度お参りします。
肺大師。
別格4番、鯖大師です。お大師さまが、鯖を持っています。奉納絵馬があって、望みを叶えるために
3年間、鯖を断つ祈願をします。お堂の前には、石の鯖がいて、頭をなでなで。
圧巻だったのは、大師堂の右横の建物です。ご自由にお入りくださいと書いてあります。
お参りさせていただこうと中に入りますと、なんと洞窟になっているのです。
四国88ヶ所札所の像と別格20寺。下の蓮絵のタイルを踏みながら進みます。
ずっと歩いていくと、奥のおおきな空間があり、両界曼荼羅にお不動様。心経のテープが流れています。
周りは、すべて奉納された金のお不動様。思わず、正面に座ってお祈りしました。
親玉ストラップ、私の一例。
今回の遍路は、ここまで。鯖大師で、家族全員の親玉を買いました。いま、みんな携帯のストラップにしています。
私の珠も4つになりました。はやく20個そろえたいな。