遍路ふたたび(7)  9月22日から25日

遍路ふたたび(1)東寺出発準備 (2)別格1.2番、1番ー11番
(3)12番-19番、別格3番 (4)20番ー23番、別格4番 (5)24番ー33番、別格5番  
(6)34番ー43番、別格6.7.8番 (7)44番ー53番、別格9番 
(8)54番ー66番、別格10ー15番 (9)67番-83番、別格16-19番 
(10)84番-88番1番、1番、 (11)高野山 (12)別格20番、別格1番 (13)東寺

      

9月22日 

  大阪南港午後9時発の関西汽船フェリーが取れなくて、夕方から車で、一路松山を
  目指します。350kmは、仕事の後ではかなり過酷です。幸い、旅館は3連泊で取れ
  ました。夜中に到着です。


9月23日

  7時00分 疲労気味ですが、久万高原方面に車で向かいます。
  7時40分 44番大宝寺に着きました。駐車場に止めていましたら、二人の方に
  「上に止めるところがあるよ。」って声をいただきます。「岩屋寺まで歩きます。」



    8時すぎから歩きます。本堂階段下からすぐ左に行きますが、最初の遍路マークで
  悩みました。行こうとしていましたら、「そっちじゃないよ。」とおじさんに。
  進んでいたらどうなっていたか。遍路マークを移動し、わかりやすくしました。
  どうやらトンネルの上のようです。結構きつい坂道でした。



  そこからは、車道です。坂道を下りていくと住吉神社です。前の自動販売機のところ
  に、先客が。1週間の休みをとって足摺から。「また明日、松山であえるといいで
  すね。」なんて会話をしてすれ違いです。古岩屋旅館に泊まっていたとか。
  なんとその方は、遍路マークに赤のマーカーで上塗りして回っておられるのです。
  (あとで「菊水遍路」で「むんく」さんと判明しました。)



  「この先に石畳の感じのいい遍路道がありますよ。」「ありがとうございます。」
  聞きしに違わず、せせらぎに石畳の小路です。しばらく行くと、八丁坂に指しかか
  ります。これもまた、相当にきついです。峠には大きな石標。ふかふかの山道を
  はねるように進んでいくと、あの岩屋寺のせり割り禅定の上に出ます。





 下りていくと、赤い不動様。そして禅定の扉の前です。昨年行きました。



  一つひとつ思い出しながら、感慨は一入です。
  「八丁坂」を越えて、せり割禅定に 8.4km
    大宝寺H560m トンネル越え715m 住吉神社560m 
    八丁坂730m 760m 岩屋寺670m 古岩屋荘440m

 お参りして、なんともう2時です。車道から戻ります。
古岩屋荘から山に入ります。川の向こうに大きな木のお不動様です。
ふうふう言いながら、あの八丁坂入り口です。遍路道をもどりました。

 

大宝寺トンネルまできました。時刻はすでに4時30分。まあ、大宝寺でのご朱印は、
済んでいます。5時まえに駐車場到着です。暮れかかる三坂峠を車で松山に。去年は
明けの明星を見ました。今年は、夕日と暮れの明星をみました。砥部で地粉うどん。


9月24日
  昨日の足の痛みを快感に(引きずりながら)朝7時にJR松山駅から徒歩1.7km
くらいで伊予鉄松山市駅バスターミナルです。土曜なので、「丹波」行き始発は、
8時15分。600円。ミスドでモーニング。乗客は5人。9時「浄瑠璃寺前」下車。



  46番浄瑠璃寺です。朝からたくさんのお参りの方です。早速鐘を。薬師十二の大願
  をいのりつつ。見ごたえのあるお寺です。干支の扉からお写経を今回も入れました。
  だっこ大師。おまいりの方に、持ち上げてだっこを見せてあげました。おばあちゃん
  も見真似でだっこしてましたよ。今日は、お薬酒がありませんでした。



  さあ、ここから47番八坂寺まで0.9km。バスの方たちも歩いておまいりです。
  なんかぞろぞろ。山門天井の極楽絵みましたよ。駐車場にはお不動様。歩きの方が
  いません。山門を出て、すぐ左に向かいます。思い出のある池です。



H17.9 H16.11

  「枯野行き 札うち始めの 三郎よ ここにもひとり 懺悔人あり」
  と去年詠んだところです。今はまだ青々と草が茂り、彼岸花がきれいです。
  狭い道路をしばらく行くと文殊院です。山門はありません。中では、法事でしょうか
  護摩を焚いています。団体さんがぞろぞろいます。衛門三郎の像、大きなお大師さま。
  やっと別格9番の珠をいただきました。



  そこからとことこ2kmくらい。今度は、衛門三郎札初めのお堂です。今回は開いて
  いました。中には、和紙で作った3体のお大師さま。外でシートを敷いて大休止。
  一人歩きの方が通りましたが、素通りです。「おいおい!」ちょっと残念。



  さらに2kmくらいでしょうか、杖の淵公園です。食事を「ていれぎ」で。にゅうめん。
  おいしかったです。隣に小さい子供をつれたおかあさん。帰るときに「うるさくって
  ごめんなさい。」って丁寧に。その気持ちだけで、すべての人たちはなごみますね。



  48番西林寺は、すぐそこです。遍路道からは、川を渡って正面なんですよ。車だと
  山門横に来ます。ここでは、ご本尊十一面観音様の霊験が強すぎるので後ろ向きに
  安置してあると聞きます。本堂の後ろに回ってお参りしました。



  49番浄土寺へは車道です。歩きの方がいないのでさみしいですね。3.2km
  お寺に着いたすぐに、女性のお遍路さんが到着です。なんとみんな早いですよね。
  このころから団体さんが多くなって、いつも先にご朱印をいただいていました。
  空也上人の像があるお寺です。歓喜天・愛染様がおられます。お厨子の中。



  50番繁多寺には遍路道(お墓の中)です。もう4時近いです。もうひとつ残念なのは
  歓喜天堂が改築で、あとかたもありません。歓喜天様は、ご本堂のおられます。
  はたして、石手寺まで5時につくのでしょうか。おばあさんのお遍路さん。「荷物が少
  ないね。」「区切りですから。」ゆっくりして、あと2.8km。途中で、あのおばあさん
  が地元の人となにやら話してる。遍路道がわからない。「前はこんな住宅がなくて、わ
  かりやすかった。」とか。開発された住宅地です。なんとか、進みます。おばあさん
  を抜きましたが、石手寺手前で追い越されました。

  

  4時20分51番石手寺です。なつかしい「やきもち」屋さん。そろそろ店じまい。
  今回は、洞窟もなし。高校生(放送部?)たちが山門のところで参拝客にインタ
  ビューしています。そそくさと逃げました。ごめんね、でもいろいろやばいから。
  5時6分発空港行きのバスです。バス停で待っていると、前をおばあさんが。手を
  振ってお別れしました。「お元気で、がんばって!」「さよなら」もっといっぱい
  話をしたそうでした。こんどは、いくらでもお聞きしますよ。ごめんなさい。

  

  

9月25日
  今日は帰ります。朝から車で52番太山寺に向かいました。ここは、駐車場から
  本堂まで坂道を300m歩きます。ちらほら参拝客。鐘楼の地獄絵です。閻魔様に
  見つめられながら、鐘を撞きました。厄除け観音。大師堂の横には、以前の松山
  地震のときに倒れたという身代わり観音様。瓶を持った左手が折れているんです。
  足元にあります。そっとさすりましたよ。

  

  続いて、53番円明寺。ここには左甚五郎の竜が本堂内にあります。こっそり写真。
  参拝のご夫婦と、「すごいですよね。」と感動しあいました。キリシタン灯篭。

   

 今日は、私の誕生日です。こんなかたちで誕生日を迎えるなんて、ちょっと感慨深い 
 ものがあります。あの静岡の青年が、「じっくり時間を考えないで通し打ちしたい。」
 と話していましたが、そのとおり。まだまだ仕事に追われるがまま、それでも少し
 ゆとりができて、始めた遍路です。いつの日か。そんな思いを残して、帰路につき
 ました。