遍路ふたたび(9)
  

遍路ふたたび(1)東寺出発準備 (2)別格1.2番、1番ー11番
(3)12番-19番、別格3番 (4)20番ー23番、別格4番 (5)24番ー33番、別格5番  
(6)34番ー43番、別格6.7.8番 (7)44番ー53番、別格9番 
(8)54番ー66番、別格10ー15番 (9)67番-83番、別格16-19番 
(10)84番-88番1番、1番、 (11)高野山 (12)別格20番、別格1番 (13)東寺

衛門三郎懺悔の像

12月23日 

 朝、5時40分出発 9時観音寺市 (大野原IC 着)
    雪の心配はなく、小雨が時々降っていました。
    別格16番萩原寺は、あの雪で白い雲辺寺のお山に向かって南に下ります。
    どなたもいない境内で、静かにこれからの安全をお祈りしました。

     

    67番大興寺は、今度は山からおまいりしました。豊かな森です。大きな木々に
    包まれて、静かです。やはり、冬のお参りは少ないですね。まだ、誰も歩きの方を
    見かけません。

     

    ここまで車で行って、観音寺サニーインに車を置いて歩く。駅前の新しいビジネス
    ホテルです。部屋はいいですよ。不安だったのですが、なかなかです。
    いよいよ歩きます。まだお昼まで時間があります。完全防寒です。
    歩くこと15分、68番神恵寺、69番観音寺に到着です。コンクリートのご本堂。
    見事な波模様の鐘楼。二つくっついている札所はここだけ。ゆっくり拝見しました。
    境内に茶店があります。「うどん」ののぼりに釘ずけです。体も冷えています。
    さっそく入りました。「精進うどん」(素うどん)です。おでんと。おいしかったです。

      
     神恵寺本堂              納経所前に阿弥陀曼荼羅
      
       やっぱり山に上がり寛永通宝。

    さあ、5km川沿いに歩きます。目指すは、70番 本山寺。あの五重塔があるお寺です。
    川沿いは、風が強くすこし辛かったですね。塔が見えてから遠かった。

      
    馬頭観音ですよ。でも有馬記念は、・・。

    なんと五重塔を全開でお掃除中。四方の仏を見ました。ありがたいことです。
    掃除中の奥様が、走ってきてご朱印をくださいます。

    自転車遍路の紫のジャージ少年。これから弥谷寺まで10km走るとか。
    もう2時30分ですよ。私は歩いて、予讃線「もとやま」まで。
    でも電車が2時44分発。歩いて15分かかりますよって言われて競歩のごとく。
    間に合いました。1時間に1本ですから。手でドアを開ける電車でした。

     
    観音寺駅               橋の欄干

    「かんおんじ」までもどり、今夜は3時半到着。コンビニ弁当。もう一歩もでません。
    7時30分就寝。ははは、明日5時半起きでも10時間ですよ。

12月24日

    「かんおんじ」駅から電車で行く予定でしたが、休暇村「みの」まで車でいきます。     
    朝の「みの」はだれもいませんね。駐車場に車をおいて、善通寺まで歩きます。

    7時に71番弥谷寺に登ります。俳句茶屋も閉まっています。子供連れのご家族。
    上に到着して、鐘楼で朝の鐘を撞きました。歩きの遍路の方がいます。
    「ご本堂は、上ですか?」「そうです。もっと上ですよ。」と教えてあげました。
    すごい雪山装備の方です。懐かしい壁の仏です。ちょうど1年ほど前、ここでカメラマン
    に写真を撮られました。「カメラを気にせず、さりげなく歩いてくださいね。」だって。

      

    ご本尊のお参りを済ませ、あの岩屋の大師堂です。靴を脱ぎます。先ほどのお歩きの方。
    子連れの家族。奥の岩屋におまいりしました。やっぱりそう簡単に帰れません。畳のとこ
    ろで眺めていますと、歩きの青年が「ここが大師堂ですか?」と声をかけてくれました。
    「ここが、お大師さんが修行した岩穴ですよ。」と知っていることをお話し、通し打ち
    とのことで、雲辺寺の様子を聞きますと、「山の途中で、雪に埋もれてテントを張って
    一夜を過ごしました。中でコンロを炊いても寒くて眠れず、1時に眼が覚めました。」
    「5時には、お寺に行ったのですが、お坊さんが掃除をされていて、迷惑をかけました。」
    なんとも凄まじいお話です。なんと同郷の方で、仕事を辞めて遍路にでたとか。
    いろいろあったのでしょうが、いいお顔でした。きっと誰かと話がしたかったのでしょ
    うか、30分も話していました。お札を交換してお別れしました。もう今頃は、満願
    されていることでしょう。

       
     大師堂、納経所           あの岩屋です。

    さて、わたしもそろそろ72番曼荼羅寺に向かいます。4kmほどです。いい遍路道でした。
    夏には、マムシのメッカらしいですが今は冬。落ち葉を踏む音も心地いいです。

     
                        曼荼羅寺の松のあとに。  捨身ヶ岳

     緩やかな坂道を上るとすぐに73番出釈迦寺。去年は、ここからあの捨身ヶ岳にのぼり、
    鎖場から頂上を越えて向こう側に下りたのですが、さすがに今回は遥拝所から拝みます。
    初めての団体さん。先達がいないガイドさんのみの団体です。あまりお経も挙げておられ
    ません。

      箒と巻物の欄間。
                     掃除と勉強ですよ。

    ここから74番甲山寺へ。ここも去年はミゾレがふっていましたが、今回はいい天気。
    のんびり歩きます。毘沙門堂が新築で真新しい。ちらほらお参りのかたが。

      
     甲山寺の毘沙門堂         仙遊が原 故事の絵馬

    仙遊寺(大師が遊んだ原っぱ)を経由して、75番善通寺へ。ここでは、目的が
    うどんやさん「きむら」と堅パンの老舗。ははは、どうも食欲には勝てないかも。
      

    御影堂の戒壇めぐりをして、お大師さんの声を聞き、宝物館では再度愛染様と将軍地蔵様に
    お会いして、いそいそと「きむら」屋さんへ。前回、おここさんに聞きながらも時間の関係で
    行けなかったうどんやさんです。弥谷寺で出会った青年にも紹介したんです。彼は来たので
    しょうか。釜揚げうどん小250円。一気にいただきました。本当にうまかったです。

    また、御影堂を通り抜けたところの堅パンのお店は、おばあさんがおられて感じのいい
    昔ながらの駄菓子屋さん風。それからは、ずっとポリポリ食べていました。
    
    「ぜんつうじ」から「みの」にもどるには、電車を乗り継がないと帰れません。タクシーに
    しました。それから車でまた善通寺を通過して、満濃池に向かいます。

    別格17番神野寺は、もう夕方でだれもいません。満濃池を見下ろしておられるお大師さん。
    感慨も一入です。
      

    今夜は、善通寺グランドホテルに泊ります。折りしも今日はクリスマスイブ。仏教徒のは
    無縁ですが、近くのコトブキヤでショートケーキを買ってきました。メリークリスマス。
    やっぱり7時30分消灯です。

12月25日

    寝すぎなのか、4時には眼が覚めました。でも、次の76番金倉寺まで4km弱。6時30分に
    真っ暗なホテルを出発です。日曜の朝です。ほとんど車も走っていません。夜明け前の出発は
    気持ちいい。遍路道もよく案内されていて、迷うことなく到着しました。

      

    1番乗り。お線香も1番。ろうそくも1番。当然、朝の勤行も声高らかに。なんと、起き上がり
    大師の人形があるではないですか。去年、根来寺で見つけたものです。また、起き上がり地蔵様
    まであります。思わず3個購入。乃木大将の妻返しの松。背の高い鐘楼。カチカチ音のする数珠
    のあるお寺。
 
    77番道隆寺に向かいます。早朝のバス停のおばあさんたち。おはようございますのご挨拶。
    みんなにこにこ見送ってくれています。
    
    1時間もしないで到着。なんと団体さん。「今日は7寺回ります。覚悟してくださいね。」と先達さん。
    でも、きちんとした団体さんで、トイレもみんな白衣を脱いで行かれてました。衛門三郎懺悔の像。
    裏の目の仏様。頭のよくなる石。みんな行きましたよ。

       

    裏から出て、別格18番海岸寺に向かいます。遍路地図には別格への道が途切れていて、よくわからず
    近そうだったのですが、絶対2.9kmじゃなくて4kmくらいあったようです。

    途中、佛母院に立ち寄ります。ここは、弘法大師のお母様がお産されたところだとか。大日如来がご本尊。
    四国曼荼羅霊場です。保育園もあるのですが、今日はお休み。お大師さんのへその緒塚。

       
                         佛母さまは、お大師さまのお母さん。    佛母堂

    もう海岸寺はすぐです。やっと着きました。山門をみてまたびっくり。仁王さんではなく、本物の力士像。
    お相撲さんですよ。お堂におられる方が、これまたいろいろお話を。上にあがらせてもらって、拝見。
    奥には、不動堂。愛染様も。故住職の直筆の色紙や短冊がいっぱい。

      
                         金毘羅宮にあった不動尊だとか。愛染様も。

    本当に広い境内です。このあたりを屏風が浦というのは、海からみた景色が屏風絵のようだからだとか。
    奥の院が大師堂だと聞いて、行かないわけにはいきません。なんと200mあるんです。国道と踏み切りを
    越えるんです。静かなお寺です。両方のご朱印をいただきました。「団体さんには、書かないんだ。」
    とか。本当に、別格は札所と比べたら大きくて由緒のあるお寺が多いです。でも、歩きだととても遠回り
    ですね。
       
     海岸寺奥の院(大師堂)                     海岸寺駅

    予讃線「かいがんじ」から「ぜんつうじ」に戻る予定でしたが、まだ時間があります。「うたづ」まで
    行って78番郷照寺に向かいましょう。電車遍路も愉快です。駅から1kmくらい。あの有名なもち屋
    さん。前は、正月あけの日曜日ですごい車で駐車場待ちしたところです。今回は、歩いていますから。
    がらがらです。妙なおばあさんが出てきて、どうやらお金のムシンのようです。自動販売機やお賽銭を
    あさっています。ちょっと声をかけられたのですが、どこかへ行ってしまいました。観音様の地下廟が
    あります。大師堂奥には粟島宮、弁天様。

       
                                              名物 地蔵餅

    お腹もすいてきて、駅前でどこかに入ろうと探しましたが、お店もありません。しかたなく「ぜんつうじ」
    まで戻ります。もう、3時です。ここでもお店を探したのですが、うどんはもういいか。結局ほかほか亭で
    すきやき弁当。スーパーで朝食のパン購入。ははは、日々が充実しています。今夜も7時半就寝だな。

12月26日
    今日はお休みをとっています。善通寺のホテルから車でお昼まで、いけるところまで行こうと思います。
    6時30分出発。79番高照院(天皇寺)までは、30分程度。7時過ぎに到着です。地元のかたがお参りです。
    なんとお堂がまだ開いていません。納経所も閉まっています。うろうろしていると、青年がきて、「どうした。
    納経所はここだ。でもこのお寺は変だ。・・・ぶちぶち」どうも不満げです。聞くと、昨日歩き遍路の
    女性を案内して84番までいって戻ってきたら、置いてあった荷物を全部盗られた。ゲーム機や食べ物が
    なくなっている。・・・。気の毒だなあと思っていたら、納経所が開きました。ご朱印をいただいて、
    青年を探したのですが、もういない。大丈夫か心配です。
      

    今度は80番国分寺に向かいます。このあたりの札所はみんな5-8kmくらい間隔なので、私の足では、
    3つが限界。4つでは遠すぎる。大きなお寺です。もうお参りのかたがいます。
    大師堂が売店・納経所と同じです。お土産の中で勤行します。大師堂にはたくさんのお大師さんが並んで
    います。また、写経用紙を買いました。いったい何枚心経を書いたでしょうか。できるだけ毎日書こうと
    思っています。もう88*2*2+20*2=392+100くらいですね。まだまだです。

      

    まだ、9時です。次回歩きたかった81番白峯寺ですが、行きましょう。遠くに見える瀬戸大橋。
    干支ごとのお堂には干支の仏がおられます。ちょっと雰囲気のある五色台のお寺です。

     
                              

    山道のスカイラインは最高の冬景色。今度は、82番根来寺です。回廊式のご本堂。二組のお参りだけ。
    静かな山の中のお寺です。大好きなお寺のひとつです。牛鬼が駐車場の奥で見ています。

      
                                        牛鬼です。山門前左の奥。

    もうひとつ。別格19番香西寺です。町の中にあります。車で山門を通過。お堂にあがってお参りです。
    なんともリアルなお大師さま。地蔵菩薩です。眼・耳・足とそれぞれの地蔵さまがおられます。

      

    11時。今度のことを思うと、もうひとつ83番一宮寺も。ここはすこし南に入ったところで、海岸沿いから
    離れています。次回の時には、方向的にネックです。がんばっていきましょう。高松南高校の横ですね。
    お薬師さんの覗き石(地獄の釜)があるところです。今回は首をいれてみました。閉まったらどうしようと
    思いましたが「ゴーゴー」という音がします。無事でした。今回の旅の無事をお礼して、大阪に戻ります。

      

    やっぱり津田の松原でセルフのうどんです。ありがとうございました。帰阪は、午後5時でした。