愛染堂だより(9)(C)2004 RayLand   [覚性律庵 ]
                                     [久修園院 ]

 今日も、雨でした。昨日までの一週間が、真夏の熱気で連日34度でしたが、
一転土砂降り、雷の朝です。

車で、琵琶湖の西、比叡山の麓にある覚性律庵というお寺です。近づくにつれて
さらに雨脚が強くなり、道は滝のようです。

細い道を進み、なんとか到着しました。見上げると斜面にお堂が二つ見えます。
どうしたものかと、車をとめましたら、雨の中尼僧が出迎えてくれました。

どうぞごゆっくりという言葉に甘えて、まず本堂にお参りです。扉をあけますと

お薬師さまが、ひっそりおられます。50センチほどの四天王が周りを守って
おられます。解説やwebサイトでは、本尊は「阿弥陀如来」となっています。
でも確かに左手に薬壺を持ち、右手は施無畏印です。でもそのとき不思議に
思ったのは、後ろは阿弥陀如来の後光でした。私たちは、お薬師さまだと
思っています。(このように二つの仏像が合体したような形もあるんですね。)
懺悔文から読経です。できるだけ大きな声を出して祈りました。


 

続いて石段を登り、愛染堂に。ここは正面のふすま上半分が開くようになっていました。
残念ながら秘仏ですが、お厨子の前に、愛染さまの画があります。右には、お不動様が
そっと警護されてるようです。
 

愛染堂の隣にもう一つお堂があります。入れそうなので、扉を開けました。
なんとお不動様の護摩堂です。土間に床几が6脚ほど。真っ暗な護摩壇の向こうには、
身の丈30センチほどのお不動さんが、三体。両脇におそらく五大明王らしき仏さまが。

お灯明をあげました。やはり自分で、事前にお線香とお灯明は持参しないといけないなあと
つくづく思います。最近やっときちんとあげられるようになった、お不動様のご真言を七返。

なんとかお参りをして、石段を降りますと、水掛不動さまがいらっしゃる。きちんとお参りせねば
と石の荒削りのお不動さんに水を掛けてお祈りしますと、なんとあの土砂降りがみるみる
晴れて、明るくなってきました。

さて、これから京都の有名な岩清水八幡宮のそばにあるという、久修園院に向かいましょう。
木津川の向こうは、サントリーの山科工場。

チャイムを鳴らして待つことしばし、奥様とおぼしき方がこられて、愛染堂を開けていただきました。



まず驚いたのは、愛染さまのお体が真っ黒なんです。思わず「黒いのですか?」と声を出して
しまいました。「愛染さまは、本来は真っ赤です」って、気を悪くさせてしまいました。
ごめんなさい。

高さ6尺(約2m)。本当に大きいです。日本でも有数の大きさですって。縁起に、「延宝8年(1674)、
中興の宗覚律師が母の列死後8年目に母を慕い、自ら制作した。母の愛を慕い、その愛の偉大さを
讃える"慈母愛染"像でもある。」とあります。

お顔は、あごが少し張った感じで、「他の愛染さまに比べて、とても柔和なお顔」とご説明いただき
ました。なるほど、でっかい愛染さまの右には、お不動様。左には、虚空蔵菩薩です。

ご説明はいただかなかったのですが、おそらく十三仏の最初のお不動様と最後の虚空蔵様。
母を慕い、そのご供養ならさもありなんと、一人で納得です。

ご読経されますか?って聞かれると、どうも辛くって・・、ご真言を二十一回唱えました。

帰り道は、また炎天下でした。大阪の枚方にある、とってもおいしい飲茶のお店で食事しました。
今度も満足な一日でした。

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