佛頂尊勝陀羅尼(ぶっちょうそんしょうだらに)   
      
 
古代インドでは、英雄や偉人は常人と異なる相があるとされた。釈迦には、32の異相があるとされ、
 頂成肉髻(ちょうじょうにくけい)相といって、頭の頂に骨肉塊があるとされる。以来、仏頂崇拝が進み
 仏頂如来として信仰されるようになった。

 仏頂髻は、「
うしゅにしゃ」といい、ここから放たれる光によって、すべての悪魔・外道が調伏される。


 釈迦は、一切の悪業障を消滅する功徳のあるこの陀羅尼を授けたところ、夜に閻魔王が仏前に拝し、
 この陀羅尼を拝するものを守護し、地獄に陥らしめないと誓願する。

のうぼ ばぎゃばてい 
たれいろきゃ はらちび 
しゅだや ぼだや ばぎゃばてい
第一帰敬尊徳門
 三世中最も殊勝なる世尊・仏陀世尊に礼したてまつる
たにゃた おん  第二影表法身門
 即ち、おーん
びしゅだや びしゅだや 
さまさま さんまだ
ばばさそわらんだ 
ぎゃちぎゃ がのう
そはばんば びしゅでい
第三浄除悪趣門
 甚平等にして、地獄の底まで普照するを自性とする
 清浄尊よ。
 
あびしん じゃとまん
そぎゃた ばらばしゃのう
あみりた びせいけい 
まかまんたらはだい あからあから
第四善明潅頂門
 われに潅頂したまえ。善逝の妙言説たる甘露潅頂の
 大真言句をもって、(涅槃に)導き到らしめたまえ。
あゆさんだらに しゅだやしゅだや 
ぎゃぎゃのう びしゅでい うしゅにしゃ
びじゃや びしゅでい
さかさらあらしめい さんそじでい 
さらば たたぎゃたばろきゃに 
さたはらみた はりほらに 
さらば たたぎゃた
きりだや ぢしゅたのう 
ぢしゅちてい まかぼだれい 
ばさらきゃや そうかたのう
びしゅでい さらばばらだ 
ばやどらぎゃち はりびしゅでい
第五神力加持門
 無量寿尊よ。浄めたまえ。浄めたまえ。虚空遍浄尊よ。
 仏頂最勝遍浄尊よ。衆生(の昏睡)を警覚せしむる千
 光明尊よ。一切如来の仰ぎ見る尊よ。六波羅蜜の行
 を完成せし尊よ。一切如来の心真言の加持力によって
 加持される尊よ。広く衆生の成仏を計る尊よ。金剛身
 に集成されたる遍浄尊よ。一切の惑障・怖畏・悪趣を
 浄化する尊よ。
はらちに ばにたや 
あよくしゅでい さんまや 
ぢしゅちてい まにまにまかまに
第六寿命増長門
 転迷開悟せしめたまえ。慧命清浄尊よ。(一切如来の)
 本誓に加持されたる尊よ。宝珠中の宝珠尊よ。大宝珠
 尊よ。
たたーたばたくち はりしゅでい
びそほた ぼうぢしゅでい 
しゃやしゃ びじゃやびじゃや 
さんまら さんまら
第七定慧相応門
 真如実際に遍浄なる尊よ。開敷せる仏智による清浄
 尊よ。(悪魔を)撃て。撃て。(怨敵を)摧(くじ)け。摧け。
 (われらを)憶持憶念したまえ。
さらばぽだ ぢしゅちたしゅでい 
ばじり ばざら ぎゃらべい 
ばざらん ばばとまま 
しゃりらん
 さらば 
さとばんなん しゃ 
きゃやはりびしゅでい
第八金剛供養門
 一切仏智に加持される清浄尊よ。金剛尊よ。金剛蔵尊
 よ。われらと一切衆生の身体を金剛身たらしめたまえ。
 身体極清浄尊よ。
さらば ぎゃちはりしゅでい
さらば たたぎゃたしっしゃめい
さまじんばさえんど
さらば たたぎゃた さまじんばさ
ぢしゅちてい ぼうぢやぼうぢや 
びぼうぢや びぼうぢや 
ぼうだや ぼうだや 
びぼうだや びぼうだや
さんまんだ はりしゅでい 
さらば たたぎゃた きりだや 
ぢしゅたのう ぢしゅちた 
まかぼだれい      
第九普証清浄門
 一切生趣を全く清浄ならしむる尊よ。わが身を極清浄
 ならしめたまえ。また一切如来はわれを激励したまえ。
 一切如来に激励護持されたる尊よ。成覚したまえ。成
 覚したまえ。
 みそなわしたまえ。みそなわしたまえ。成覚せしめたま
 え。成覚せしめたまえ。成仏せしめたまえ。成仏せしめ
 たまえ。
 普遍清浄尊よ。一切如来の心真言の加持力に加持せ
 られ、広く衆生の成仏を計る尊よ。
そわか 第十成就涅槃門
 成就あれ。