大元帥明王(だいげんすい?みょうおう)

※秋篠寺では、「たいげんみょうおう」というるびでした。

    真言 のうぼう たりつたぼりつ ばらぼりつ しやきんめい しやきんめい たらさんだん おえんび そわか

 秋篠寺に日本で唯一の像が、あります。その縁起を転記します。

  「たいげんみょうおう」とは、大聖無辺自在元帥明王といって、宮中においてのみ修せられるべく
御治定の鎮護国家の大法大元帥御修法(たいげんのみしほ)の本尊として重んじられて、何地においても
勅許を得ざる修法、尊像の造顕奉置も禁じられ、その結果日本で唯一の像として、奈良の秋篠寺のみに
伝えられているそうです。

 『阿?薄倶元帥大将上陀羅尼経修行儀軌』
   我信じ我礼し我帰し奉る元帥大明王、此れは此れ大毘慮遮那の化、釈迦と諸仏の変、如来の
   肝心衆生の父母にして不動愛染等の諸々の威徳身、観音無尽意虚空蔵等の諸々の菩薩身、
   聖天十二天等諸々の功徳心等一切を摂して衆徳荘厳せり。或は金剛忿怒の相を現じ、或は
   菩薩大慈悲相を現じて類に随って擁護したまう。今願力の故に以って大元帥明王となし、諸尊
   中、最尊最上第一の威徳身を顕現す。若し一切世間有情の類、宝呪を持し宝号を称せんに、
   内外諸障を除きて、必ず世間出世間の願にこたえん。菩提心を成ぜんと願じ、乃至金剛心無
   畏心に住せん等の出世間の大願を発せんに正法護持の故に悉く願成就せん。又衆生あって、
   正因縁に住し、災を息めんものは即ち願成就し、栄福を求めんものは即ち願成就し、勝利を為
   さんものは即ち願成就し、横病を離れんものは即ち願成就せん。明王の名を聞いて一度讃嘆
   せんものは、世間の宝果悉く円成す。

 秘仏のお堂の前に、写真がありました。記憶だけですが、お姿を紹介します。

 大きさはわかりません。髪の毛は逆立ち、一面六ぴ。六本の五つの手には、法具を持って
 おられます。一つの手は、真ん中の三本を立てている印相です。すべての手には、二匹ずつ
 蛇が巻いています。首、腰は、二匹の蛇で巻かれ、二本の足にも蛇。忿怒の相。二眼です。

 毎年、6月6日にご開帳されるそうです。

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明王
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