須菩提尊者(スブーティ)
解空第一の須菩提(しゅぼだい)

コーサラ国のバラモンの家系に生を受けられました。叔父さんは釈尊に「祇園精舎」を寄進した須達多(すだった)長者です。祇園精舎で釈尊の説法を聞き、深く感銘して釈尊のお弟子になったといわれています。


尊者は解空(げくう)第一と称されます。解空 とは、般若心経に出てきます「色即是空空即是色」の「空」、つまり、物事にとらわれない、執着しないという 教理に精通されていたからです。


ある時、釈尊が利天(とうりてん)にて亡き母・摩耶夫人のため説法を終えて、下界へ降りてこられるのを人々は我先にお迎えしようと待ち望んでおりました。しかし、尊者はじっと座ったままでした。そして真っ先に釈尊をお迎えしたのは 蓮華色比丘尼だったそうですが、釈尊は比丘尼に向かって「私を最初に迎えてくれたのはあなたではなく、須菩提尊者です。尊者は空を感じて私の法身を最初に拝謁したのですよ」と、いわれたそうです。


また、尊者は無諍(むそう)第一とも称されます。無諍とは言い争いをしないことです。穏和な性格で、教団内は勿論のこと、在家の人々からも慕われていました。もっとも、和合僧の集まりを僧伽(さんが)(教団)というのですから、とりわけ模範的な比丘だったのでしょう。


舎利弗  ■目連   ■摩訶迦葉  ■阿那律  ■須菩提 
富楼那  ■迦旃延  ■優波離    ■羅喉羅  ■阿難

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