迦旃延尊者(マハーカッチャーナ)
論義第一の迦旃延(かせんねん)
尊者の出自には諸説異論があって、はっきりしないところがあります。しかし、たいへん聡明な少年であったようです。また、兄も博学であったようで、大勢の人たちを前にして、バラモン教の根本聖典である『ヴェーダ』を講義したりしていました。迦旃延少年は、その講義を一度聞いただけで文言は言うに及ばず、内容まですっかり理解できたということです。これでは兄のプライドが許しません。
兄は弟を憎むようになり、ついには身の危険さえ危うくなったので、父親は迦旃延少年をアシタ仙人のもとに預けました。アシタ仙人とは、ゴウタマ・シッダルタ太子は長ずれば仏陀となるであろうと予言をした人物です。後年、予言通りこの世に仏陀が出現するのですが、迦旃延はその説法に浴そうとしませんでした。増上慢となっていたのです。
ある時、難解な偈文の解読をめぐる出来事がおこりました。自信満々の迦旃延でしたが、どうしても解き明かすことが出来ません。ついに釈尊に教えを請うことになりました。釈尊は慈愛をもってお答えになりました。
この出来事が契機となって、迦旃延は釈尊の弟子となり、後に論議第一の尊者と称されるようになりました。
■舎利弗 ■目連 ■摩訶迦葉 ■阿那律 ■須菩提
■富楼那 ■迦旃延 ■優波離 ■羅喉羅 ■阿難