私の『源氏物語』コレクション

 今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」は、いい感じです。久しぶりに愉快です。で、今一度私も『源氏物語』を見直してみようと、本棚に『源氏物語』関連の図書を集めてみました。

 

新任のころ、国語は「現代文」「古文」「漢文」に分かれていました。年配の教員は、「古文」がお得意で新任の教員は「現代文」担当です。「古文」は一度勉強すると大きく変化したりしませんから楽?。

やっと「古文」の担当が回って来て、しっかり勉強しなくてはと、いささか興奮気味でした。文庫本の全訳で有名なのは、与謝野(晶子『源氏』、田辺(聖子)『源氏』、谷崎(潤一郎)『源氏』や円地『源氏』、瀬戸内『源氏』など。また、その周辺知識も勉強です。特に、『源氏物語』の和歌や漢詩の知識もね。

 次に、高校教育ですし受験古典ですから、正確な文法解釈も必要です。教員の教科書解説本、受験参考書。授業で活用します。

当時から、私はこの難解な古文をいかに、生徒に興味付けし、情感理解させるかに腐心していました。もともと私はマンガ好きでしたから、当時本屋さんにあった『源氏』の漫画本を探し集めました。

  

漫画にも、教育漫画とギャグやシャレで随分原作とかけ離れたものもあります。私は、できれば原作を理解した上で読んでもらいたいです。

昭和50年代、やっとコミックの社会的理解が進んできた頃でした。視聴覚教育なんて言葉もやっとです。私は、新しい教育として視聴覚教育を教材提示装置やスライドだけでなく、最新鋭のビデを編集機を使った目新しいものに取り組みます。でもやっぱりスライドとあまり変わりませんが。

『源氏物語』のなかで、桐壷の更衣が六条の御息所の生霊に取りつかれて亡くなるシーンを、画像は「あさきゆめみし」からのかッとシーン。音楽は、中島みゆきの「うらみます」で作成しました。当時の近畿視聴覚教育研究会で、研究発表。(奈良の私学。今の孫の高等部でした。)また、別途公開授業。(ドアも窓もはずして、生徒より多い見学者でしたね。)でも後の討論会では、まだまだ不理解で「ふざけている」とか、「効果的な授業でない」とか批判が続出でしたね。
 
  残念ながら、当時の編集ビデオは残っていません。あってももう家にもビデオデッキもありません。今はCDかSDですね。

また、当時せめて生徒たちに本物を見せたくて、給料の20%ほどの『国宝源氏物語絵巻』の完全復刻版を購入して、授業で閲覧しました。残念なことに、心無い生徒に落書きされて以来、回覧は止めました。どんなに傷ついたことでしょう。私の人間不信の始まりだったのかもしれません。

  化粧箱に入っている見事なものです。BOOKOFFで、今1,6000円くらいで打ってますね。

  

いまNHKの番組で紹介されている絵巻です。一昨日、20年ぶりくらいに開けました。懐かしくも愉快です。

私は、高校の夏季講習や選択授業で、2度全訳しましたが、しばらくぶりで随分忘れているところも多いです。もう一度、世間のブームにあやかって、勉強しましましょうかね?

テレビでは、清少納言と紫式部を比較したりしていますが、私はこの偉大な『源氏物語』をもっと過大評価しています。かのシェイクスピアが、欧州でゲルマン文化とケルト民族の伝承をミックスして独自の文学を確立したように、紫式部もまた、それまでの日本の女流文学である日記,紀行、随想を集大成した『源氏物語』を執筆しました。以後の全ての文学に多大な影響を及ぼし、当分みんなが模倣しかできなくなります。江戸期になってやっと新規の文学の道が拓けたんです。

シェイクスピアの三大悲劇、『源氏物語』の男女の機微や人間模様を理解するのは困難かもしれません。

滋賀県大津市にある石山寺。今年は春からにぎわっています。そう、紫式部が籠って『源氏物語』を執筆したお寺です。

 もう一度、行ってみたいですね。いまは、特別館もあるようです。
大本山 石山寺 公式ホームページ (ishiyamadera.or.jp)