遍路三度(1)阿波 1番から16番
平成18年 5月 3日(水)から7日(日) 念願のお四国3度目にいよいよ出発です。
天気予報 徳島 http://weather.yahoo.co.jp/weather/jp/36/7110.html
徳島バス 八十八箇所路線マップ http://www.tokubus.co.jp/
5月3日(水)
阪急バス大阪7:00-9:40徳島駅 連休で阪神高速が大混雑。経路変更して名神へ。3.600円。
すごい。わずか10分遅れで到着です。天気は、晴れ。真夏の陽気。お大師さまのおかげです。
高速バス時刻表 http://bus.hankyu.co.jp/shikoku/tokushima.html
駅のあちこちにお遍路さんだらけ。きました。
JR徳島-板東 10:14高松行き 「高徳線」
JR徳島駅 時刻表 http://www.jr-eki.com/train-schedule/tokushima/timetable_out-kotoku.htm
JR板東駅に 10時54分着。
約1kmで1番霊山寺15分。すでにお帰りのお遍路さんともすれ違い。わくわくです。はやる気持ちを
抑えながら、あの石の門を過ぎて、正面が山門です。
11:10着 掛け軸を購入。天蓋付で15.500円。ビニールのケースが付いています。
お接待ですと、なんと白衣をいただきました。
うれしくて。持ってきた柄杓を2つ、山門左横の観音様のところに奉納しました。もちろん、鐘も撞きましたよ。
ベンチで座っていると、「お礼参りですか?」と声をかけていただきました。なんとご住職様。写真で拝見して
お顔は知っていたのですが、お庭を回っておられたんです。「いえ、これから3度目のお参りを始めます。」と
申し上げると、「それはすごい。気をつけて。」とお言葉をいただきました。感動です。あんなにいっぱい人が
いるのに、私に声をいただいたんだって、これからのお参りが特別のものになりそうな予感です。わくわく。
3度目は、お大師さまにお会いするため。気分は、上々!いざ、お参りに。
1番霊山寺 12:00発。 1.4km 20分
車道ですが、足がずんずん前に。ペースが速い。気持ちですね。日差しもきつくて、日焼けしますよ。
そうそう、菅笠を小さいものに今回からしました。リュックに掛け軸を差し込むと、どうしてもあたるのです。
それと、もう縁がぼろぼろで、テープで補強していたのですが、新しい門出に新品にします。
(あのね、手作りなので一つ一つ頭の大きさが違うんです。よく選んで、合うのを選びましょう。
紐のかけ方も学習しましたよ。)
2番極楽寺 12:20着
2番はすぐです。山門を入るところで、歩きの方が地図を見ながら悩んでおられます。
さっそく、道順を説明です。先に歩いたものが伝えるのは当然。お墓の中を通って向こうへ。
重かる地蔵さん、今度も軽い!次は、大師堂が分からないでうろうろされてる方に、
向こうですよってご案内。ははは。知ったかぶりでなく、さりげなくね。
12:50発 2.6km 40分
釈迦堂
3番金泉寺 13:30着
懐かしいあぜ道です。裏からお寺に。戻って手水場で、またまたpiicats柄杓発見。そっと新しいのを追加です。
マイ柄杓で口漱ぎですよ。たくさんのお参りです。まだ掛け軸の納経には慣れません。ドライヤーで乾かすのも
まごまご。そろそろ日焼けで、手の甲が熱い。黄金井に影が映りました。うれしいな。タクシーの運転手さんが、
お客さんに「おうごんの井戸です。お金持ちになりますよ。」って説明しています。まあいいか。
14:00発 3km 45分 すてきな遍路道。
さあ、大好きな愛染院に向かいます。途中、大師堂にも。
家族で歩いている集団が、高架道路のしたで迷ってる。みんな地図は持っていないんです。大胆というか。
後ろから来た青年も。あちらから山道にと説明したのですが、青年は「さっきタバコ屋のおばさんは、こっちだと
いったから。」と向こうに。家族連れは、5番の地蔵寺に行くというので、村のなかの道を説明しました。
山道の入り口で、自転車遍路さん。自転車で行けますかというのです。山道ですが段差はないから大丈夫で
しょうと言ったとたんに転びそう。手押しで前を。
愛染院 20分 14:40着
自転車おじさん、ご朱印がほしいらしいのですが、あの高齢の院住のおばあさんがお留守とか。
お元気でしょうか。4番大日寺への道を説明して、行かれました。のんびり縁側でパンを食べていると、
また歩きの方。通しでなくて、連休のお参りですね。本当に多いです。今から4番はちょっと遠いし、
予定よりゆっくりします。
15:20発 南に下がって県道12号で、「羅漢」バス停に。あの消防署のところです。
徳島バス鍛冶屋原線「徳島駅」行き。
徳島バス 鍛冶屋原線 http://www.tokubus.co.jp/rosen/ekimae_map/jikoku/kajiyabara.pdf
15:50発 余裕をみて。
バスは、空いています。でもすごく時間がかかりますね。
16:40着 徳島駅。
駅前のビジネスホテル サンルートは、新しくて開館記念でお安い。
部屋もきれいで、次回もここかな。
駅前そごうで晩御飯。ホテルの下がサンクスです。
5月4日(木)
朝、徳島駅から羅漢に1番バス7:05発「鍛冶屋原車庫」行き。夕べ、下見してバス停もばっちり。
電車がつく度に、お遍路さんが増えていく。今日もいい天気です。
「羅漢」バス停まで、昨日の道をもどります。7時50分着。さあ、消防署の前で旅仕度です。
地蔵寺を横目に、大日寺に向かいます。足取りも軽く、途中の遍路小屋まで。地方ナンバーの車が
みんな見ていきますよ。
2km 30分
4番大日寺 8:20着
もうお参りでぞろぞろという感じ。でも幸い?団体バスはいません。きっと初日に通過ですね。
なにもかもが懐かしい。33観音様もおられます。ん?鐘楼がない?今回は、各お寺の鐘楼の写真を
撮って行こうと思っています。
8:50発 1.8km 20分
五百羅漢 9:10着 中の拝観はしないで地蔵寺へ。花がきれいでしたよ。きっと一日いても
飽きないだろうな。お参りもほとんどないし。あの羅漢さんのなかに父に似た方がおられるんです。
こころ残りではありますが、先があるんで。
0.2km
5番地蔵寺 9:15着
本堂のお参りを済ませて、施餓鬼の水琴窟にお水をかけようと柄杓を見ると、なんと私の去年のです。
またまたうれしくて、でもいっぱい水を垂らしても音が鳴らないんです。・・・残念。もうひとつの水琴窟は、
きれいな音色でしたよ。
9:35発 5.3km
村の中をとことこ歩いていると、向こうで家族でボール遊びをしています。近づくとみんないなくなって
あれっと思っていたら、一番小さな女の子がお茶の缶をお接待です。「これ!ご苦労様」。お父さんが
合掌されて、みんなで手を合わせてくださるんです。こんなにあたたかいおもてなし。最高です。
近くの神社の境内で、持参のパンとお茶をいただきます。慣れないリュックも軽くなった感じです。
6番安楽寺 10:45着
歩きだと、駐車場とは違って山門正面向かう道からお参りできます。この風景がいいんです。
歩きの醍醐味ですね。境内では、池の前のお大師さんを囲んで記念写真を撮っている若者が。
まあ、いわれあるお大師様ですが、お許しでしょう。なごやかというか、ほほえましいですね。
門前のコーヒーを楽しみにしていました。パンとセットで250円。おいしいんです。
11:20発 1.2km 15分
今度こそ、真念石を見逃さないで歩かないと。前回は、見つけられなかったんです。
少し狭い車道を行くと、右に遍路道。とことこ。ありました。角の地蔵様の横に真念しるべ石。
7番十楽寺 12:15着
あの遍路石が3つある三叉路です。右正面に、十楽寺の白い山門。あれ?奥の方が工事中。
上がっていくと、大工事。納経所もプレハブですよ。
愛染様に遇えると楽しみにしていましたのに、通行止めで上がれません。残念です。
眼の地蔵様には、しっかりお参りしました。歩くと、アスファルトの照り返しで眼の奥が痛くなって
最近、歩きつらいんです。
12:45発 4.2km
山門を出て、すぐ右に折れて車道を歩きます。三叉路で迷いました。
「無料休憩所あり。熊谷寺あっち」という手書きの大きな看板です。遍路地図では左からまっすぐ
なんですが、ついつい看板に従ってしまいます。てくてく。牛舎の香りがだんだんきつくなってきて、
なんと、休憩所はそこのおじさんが、お接待でしておられる。「よっておいで。」と声をかけられたの
ですが、ご遠慮申し上げました。だって、あの匂いはちょっと無理かな。
そのばちでしょうか、温泉施設のところにきました。2人迷っていましたよ。同じだ!ふふふ。
交差点のところの公園で、ランチタイム。持参のピクニックシート全開。?銅像です。どこかで見た人。
なんと三木武夫(元総理大臣)さん。地元だったんですね。水道・トイレ完備ですよ。大休憩。
こうなれば、高速横の道を行くほうが近道です。向こうの本来の遍路道を歩く女性のお遍路さんを
抜かしていこうなんてね。
8番熊谷寺 14:30着
あの山門です。桜は完全に葉桜。新緑の山門もまた見事です。御詠歌が聞こえてきました。
駐車場もいっぱいです。心経もそろそろ慣れてきましたよ。
15:00発 2.4km 40分
そろそろ、あの佛涅槃の法輪寺に向かいましょうか。
田んぼの中を歩くんです。あの道は、好きです。前に、おばあさんから車を止めて飴玉をいただいたなあ。
9番法輪寺 15:40着
おそるおそる山門をくぐります。だって、前回話好きのおじいさんにつかまって大変だったから。
さいわいおられなくて、胸をなでおろし。ここも工事中。入って左になにやらお堂を建設中。
今日の最後のお寺です。思い残すことなく、しっかりお参りしました。
16:20発 JR鴨島駅まで。
どうしよう。あと5km歩く力も残ってないなあ。とりあえず大きな道まで出よう。スーパーまるなかで
今夜のごはんと明日のパンと購入。向かいの薬局の駐車場で、タクシーを呼びました。鴨島駅から
来てくれます。
5.0km
17:00着 タクシーで10分。
鴨島のビジネスホテルは、前も泊まって知っています。ちょうどチェックインのとき、結婚式の最中で
花嫁さんのピンクのウェデイングドレスが、印象的でした。
明日も、早いから早寝ですね。ここで連泊します。だって、明後日は、あの焼山寺越えですからね。
5月5日(金)
朝の4時半には、もう目覚めました。興奮している
のかな。わくわく感が消えません。
鴨島のホテルから歩いて 6:00に出発。
今夜も連泊だから、荷物を軽くして出ます。
鳥の声、柔らかい朝の日差し。
吉野川を渡ります。ちょっと遠回りですが、堤防を。
5.0km
小豆洗大師
9番法輪寺が見えますが、昨日おまいりしていますからちょっと近道をします。2年前、朝に食べたうどん屋さん
を探して、車道を行ったのですが見つからず。阿波農業高校の横を曲がって、遍路道に。
3.8km
途中から、夫婦連れのお参り兼ハイキング風の方と
抜きつ抜かれつ。
やっとつきました。前と同じく、山門の右上の神社の境内
で休憩です。
さて、333段の階段を上がりましょう。
10番切幡寺
9:00着
もう何人ものおまいりです。5.6人の方がお参りではなく、仏閣見学の様子。とにかく、私はおまいりです。
鐘楼のベンチで休憩していますと、その団体の方が上の多宝塔に。お一人、おばあさんが足がお悪いのか
ベンチで待ちますって。そこで、皆さんが降りてこられるまでお話しました。
「お遍路は、どこから始めてもいいのか?」と興味ありそう。
私はちょうど前神寺の手ぬぐいをしていて、切幡さんのもありますよって教えました。また、ご本堂の裏を回る
といいのも。皆さんと合流すると、さっそく納経所に行かれました。
10:00発 のんびりと出発です。今日は、時間的にも余裕ですから。いい天気です。
9.3km 180分
下の村に下りてきました。地元の神社から、太鼓の音がします。そう、今日は、子供の日なんですね。
吉野川にきました。潜水橋が渡りたくて。橋の堤防の階段の上で、ひげのおじさんがこっちを見ながら
座ってる。(ちょっとやな感じ)近づくと、「朝から潜水橋を歩く遍路の写真を撮るために、ずっと待ってる。」
数人しか通っていないので、是非写真を撮らせてくれというんです。
橋の途中まで行って、戻ってきてくれとか、でっかい望遠レンズのカメラを担いで、走りまわるんです。
まあ、いいか。何かのコンテストに応募するんだとか。炎天下です。趣味も大変だ。いい写真が取れたの
でしょうか。(へんなおじさん被写体で、ごめんなさい。)
川中の島?の畑を進みます。昔の渡し場にちょっとだけ遠回り。鉄塔のところで、大休止。
前の道行くお遍路さんに、みんなに手を振ってご挨拶。仲間というか、連帯感ですね。
もうひとつの潜水橋の川島橋。こっちのほうが長い。ゆったりと初夏の釣り船。
11番藤井寺 13:00着
期待していた藤が、今年はどうも元気がありません。まあ、まずはおまいり。多くの人がいますから、
こっそり天上絵の写真。大師堂が開いています。中の回りには、雄大な吉野の山風景絵がありますよ。
藤棚に戻って、ゆったり皆さんを眺めていたら、カメラを持った方が近づいてきて、「藤の写真を撮りに高知
からきたのだが、今年はあまりよろしくない。そこで、遍路を脇景に入れた写真を撮りたい。休憩している
姿でいい。」と申し入れです。
20年前に、高知で何気なくインド人遍路を車に乗せたのがご縁で、もう3度もインドに旅行、ホームステイ
したとか。出会いとかご縁というものの不思議談義をしました。お別れの時に、名刺をいただきました。
こんど、高知に行ったとき、またお会いできるかもしれませんね。
ずいぶん長い時間おしゃべりして、そろそろ鴨島に戻ります。山門に来ると、また別のおじさんが待っていて
「悪いが、横から出てもう一度入ってきてくれ。カメラにおさめたいのだ。」とのこと。はいはい。もうモデルさん
の気分です。ははは。1日に3回もですよ。喜んでいただけるなら、何でもしますよ。
14:30発 ゆっくりと。
2.5km 40分
ホテルに戻るときに、明日の買い物。スーパーまるなかです。ここは、去年も来たので売り場も知ってる。
夕食の弁当と明日のパン。スイカの切り身を買いました。まだ甘くはないですが、水分がうれしい。
鴨島のホテル 15:30着
なんと、フロントで鍵をもらって、明日早いので精算しておくというと、お接待でおにぎりを作るから、
寝る前に取りに来てくれと。ありがたくいただきました。メッセージも入っていて、おにぎり3個入り。
うれしいですね。
さあ、明日は4時起き、5時出です。おやすみなさい。
5月6日(土)
朝、鴨島から+2.5km 5:00に出ました。
すでに夜は明けて小鳥が呼んでいます。
早朝にもかかわらず、散歩の方がちらほら。
商店街・駅前通をすたすた。40分で到着。
11番藤井寺
5:40着
お参りの地元のおじいさん。「これから焼山寺だね。
がんばって。」と声をいただきました。
さあ、12.9km 480分 8時間予定(弱足さん)。
マイペースで行きます。
藤井寺本道左の焼山寺道。すぐの坂がきつい。
上ると車道に到着。ベンチがあると、すぐに休憩
ですよ。もう上着を1枚脱ぎました。
もう2人に抜かれました。さて、今日は何人に抜か
れるのでしょう。亀さん!
遍路の山道を慰めるのは、山間から見える町の
風景と満開の山つつじ。
ここまででも、どんなにきついか。体格のいいおじさん(60歳)が、やはりひいひいいって来ました。
ゆっくりですが、止まらない。休憩の度に抜かされる。歩き始めると、こっちが抜く。とうとう追いつけなくなり
ました。
長戸庵(ちょうどあん)。一息ついてちょうどいいところにあるからとはいうものの、地元の散歩?
のおじさんが、今日は休みだから、展望所からここまできたよって軽くいうんです。やっぱりいやみに
しかとれない自分が小さい。
初めての青年が来ました。まだ先は長いんですかって。まだまだ1/4ですよ。山を3っつですからね。
ここは、一つ目のそれもまだ上ではないんです。
次に目指すのが、柳水庵。直前の急坂を下りるとお堂があります。湧き水がおいしい。もうすでに
空っぽのペットボトルにポカリの粉をいれて補給です。なにしろ500mmのボトルが3本は必要です。
去年できた遍路小屋 お札がいっぱい。
青年遍路がふたり。あちこちに座って休憩中。みんながんばれ!
さあ、ここからはすこし下って、だらだら林道をのぼります。途中から、きついのぼりの遍路道。
どうやら、リュックの分だけきつい。なんど酸素を吸ったことか。
一歩づつ。歩いた分しか進まない。一歩づつ。骨身にこたえますよ。
気がつくと階段の上にお大師さんが待っておられる。「来ました。また来ましたよ。」
この感慨は、例えようがありませんね。左右内(そうち)のお大師さん。一本杉の
お大師様です。
大休憩。パンをいただきます。十一面千手観音様。大師堂。
これからの無事を、本気で祈願。だって、去年より不安です。焼山寺に行ける
でしょうか。このきつさは、本当にやばいです。
急坂を下ります。せっかく稼いだのに、貯金を全部使いはたします。左右内の村
まで下ります。ひざががくがく。渓流まで下りて、ここからあの地獄の坂を。
お不動さんにお願いします。どうか、上までお導きください。
もう足元しか見ていません。見れません。足が鉛のように重い。背中が重い。肩に食い込む。
でも、止まらずに一歩ずつ。
はあー!山道が終わりました。砂利の車道にきました。ベンチです。
人間というのは、終わってしまえばもうあの苦しみを忘れてしまうものなんですね。
あとから来たおじさんに、道案内して元気そうな顔ができるんです。つくづくげんきんなものだと思います。
あと1km、だらだら車道を登って駐車場。山門までの道が工事中。またきれいになるらしい。
時計を見たら、2時ちょうど。なんと、7時間半で着きました。えらい!弱足さんを越えました。
われながらすごい!
12番焼山寺
14:00到着。
ゆっくりご本堂まであがります。今度は、「大師堂・宝物館」建設中。本堂の右横に。今は、各お寺
工事期間ですかね。まずは、鐘を。バスは15:00過ぎにでたら十分ですから、余裕です。大師堂、
納経を済ませて、ベンチで大休止です。
と、一人の若者が「これから徳島に帰りたいのだが、あなたはどうするのですか。」と相談を持って
きました。下のバス停まで降りてバスに乗る説明と徳島バスの乗り換え、次の時間など説明すると、
「下まで一緒に行って下さい。」という申し出です。
3時過ぎに出発しましょうと、世間話。静岡県から一人で来たといいます。時間的・金銭的にも余裕が
ありそうです。今日は、徳島の宿を取っていて、明日は晴れれば18番から歩くとか。
(以前に13番から17番は来たらしい。)
私が3度目だというと突然、「何か自分が変わりましたか?」という質問です。
わたしも一瞬戸惑いましたが、「最初は、信仰からお四国を始めましたが、いまの気持ちでは、
何も変わろうとかも思わなくなりましたよ。ただただ楽しくてしかたありません。」とお答えしました。
「何人もの歩きのお遍路さんに、お接待をしてお会いしましたが、ある人は観音様のように柔和な
お顔に。また、ある人は、お不動さんのように精悍なお顔つきに。あと1種類の人は、取り付く島も
ないほど自分の世界にいるひと。その3種類ですね。」「あなたも、半分も歩けばきっと観音様の
ようになりますよ。」と言っておきました。
なにも身の上は聞きませんが、どうやら何か悩んで遍路に出たようです。人付き合いや処世術で
すかね。会話も少ない。でも、きっとこの一ヶ月で変わるでしょう。偉そうにはいえませんが、そんな
気がする青年です。明日、雨なら徳島でゆっくりするとか言うんです。また、以前行ったから13番から
17番をとばすつもりのようです。
「88箇所のなかで、お気に入りのお寺を教えてください。」
「そうだね、できたら星の岩屋。太龍寺の捨身が岳。45番岩屋寺かな。」
「お四国3っつの禅定に行けたら、いくといい。」そんな会話もしました。
そろそろ3時を過ぎて、下のバス停まで出発します。
3.3km
途中、下の村に出て、杖杉庵(じょうしんあん)。あの衛門三郎の像があるところです。
同行青年も知っていました。47番から48番の間でしたか、三郎のお堂もあるから見なさいと付け加えて
おきました。
ゆっくり休憩して、4時に出て、鍋岩の村のバス停「焼山寺」 16:20に着きました。
酒屋さんの前のバス停で、納め札を交換しました。
16:31発 神山町営バス「役場前」行きがきました。30人乗りのマイクロバスです。250円。
「寄居中」まで、わずかに10分(6km)。歩いて「神山温泉」までは、まだすこしある。
接続が5分で、徳島駅行きの徳島バスが同じ停留所に来る。ならば、そのバスを待とう。彼も一緒だから。
16:38発のバスで4駅ほど。http://www.town.kamiyama.lg.jp/kanko/ac_bus.html
バスを降りて、見えなくなるまで手を振ってお別れです。どうぞ彼が無事に満願しますように。
「神山温泉」 16:50着
今日は、満室です。できるだけ早く温泉に入りたい。部屋に入って、すぐに宿泊客専用浴場に向かいます。
なんと、誰もいないんですよ。最高!疲れた足をもみもみ。ジェットバスに足の裏や背中を打たせて至福の
時です。夕食も山菜・雨子。明日も朝が早いので、おにぎりにしてもらいます。畳の部屋は、やっぱりくつろぎ
ますね。連休料金で、14.400円(1泊2食)は高いけど、自分に対するご褒美です。よくぞ、焼山寺道をあるいた
ものだ。偉いよ。明日は、雨・風らしい。本降りなら今回はここまでにして、徳島駅に出よう。そんな気持ちで、
7時半消灯です。
5月7日(日)
朝、バスに乗る予定なので朝寝しました。5時半起床。外を見ると、朝方吹いていた風も止んで、雨もほとんど
降っていません。
神山温泉から 朝ご飯、おにぎりをいただいて
7:06発のバスで、前回と同じコースで、
徳島バス 神山線 時刻表
21km 45分 7:50
「一宮札所前」で降りました。途中、バスの窓から昨日焼山道で抜かれた青年が歩いているのが見えて
いました。雨がパラパラ。リュックカバーのリュックは、やっぱり重いな。足もきついな。
13番大日寺
7:55
大日寺に、立派な門ができています。電光掲示板までです。雨なのにおまいりが途絶えない。
さすがに歩きの人は、いません。時間帯かも。
さあ、今回最後の日ですから、きっちり歩きましょう。お寺の横から川沿いに。歩き始めると、だんだん足も
軽くなって、意外と早い。以前に、「区切り打ちの人はかわいそうだ。慣れてきたころに帰らねばならず、
また今度はじめからきつい思いをしないといけない。」と通し打ちの人が言っていたのを思い出しました。
8:20発 2.3km 40分
橋渡って、丘越えて。とことこ。すぐに介護施設と幼稚園「常楽寺」です。その向こう、池のほとりから階段を
あがって着きます。
14番常楽寺
9:10着
あららぎ大師のお寺です。なんと、立派な鐘楼ができています。あららぎ大師の木の前にもお賽銭箱です。
お参りして、ゆっくり休憩。神山温泉のおにぎりで朝食をいただきます。
9:45発 0.8km 15分
村の中を通って、八大祖のお堂がまた塗り替えられてて、ここはいつきても色鮮やかです。かわいい八祖さまが
並んでいますよ。
15番国分寺
10:00着
阿波国分寺。鐘楼も文化財ですね。残念なのは、大師堂がないこと。再建のめどもないらしい。ウスサマ堂で。
ご朱印をいただいて、礎石のところで休憩。幸い雨もあがってる。ところで、裏の庭が見えないものかと、塀の
隙間をうろうろ覗いていたら、地元らしいおば様が寄ってきて、「見えないね。立派な庭らしいのですが、わたしも
見たことがない。以前は塀の隙間からみえたんだが。地元として恥ずかしい。四国4県で一番みすぼらしい国分寺
だ。」と憤慨されています。礎石の青い石は、阿波の青石といって立派なものだと説明を受けました。いえいえ、
十分私は、満足です。
10:30発 1.8km 30分
あの田んぼのところで写真を撮ります。3年連続同じ場所。今回は田植えです。あとお寺ひとつでおしまいかと
思うと、もっとゆっくり歩きたいな。小学校の横を、味わいながら過ぎます
H18 H17 H16
16番観音寺
11:00着
観音寺到着。なんと本堂が新品ですよ。立て替えたんだ。ゆっくりお経をあげました。今回最後のお経です。
さて、「府中(こう)」駅に向かいます。駅の100m手前から、急に雨がパラパラ降ってきました。
まるで、私の遍路の終わりを待っていてくれたようです。歩いている間、雨がやんでいましたよ。感謝です。
11:30発 1km 15分
「府中(こう)駅」
12:09発の電車。徳島へ。12:22着
府中駅時刻表 http://ekikara.jp/newdata/line/3701051/36201061/up-1_1.htm
実は、3日に13:45発徳島バスのチケットは買ってあったんです。だって、連休最後の日の午後ですから。
JRバス1台、徳島バス3台が同時増発ですよ。
待ち時間ができたので、久しぶりに喫茶店でマロンケーキと本格コーヒーをいただきました。おいしかったな。
13:45発 バスで大阪へ。 16:15大阪着。
今回の旅も終わりです。いろんな人に会いました。お寺も年々変化しています。何度お参りしても発見があります。
今回は、肩に力を入れずに、歩きを楽しもうと思います。あっという間の5日間でした。充分満足しています。
いつ、お大師さんに会えるでしょうか。もう、心は次の旅の計画を考えています。夏休みですかね。
あと4日なければ、阿波23寺が終わりませんが、それもいいでしょう。機会ができればその時に。それがご縁。
お大師さんが、呼んでくれますよね。準備だけは、きちんとしておこう。リュックの軽量化も考えよう。
掛け軸入れも考えよう。ワクワク感をずっと持ち続けたいと思っています。
すべてのものに感謝。 南無大師遍照金剛。 合掌
■遍路三度 家から高野山へ(1) (2) (3) (1番ー16番) (17番ー26番)
再度高野へ(町石道) (27番ー32番) (33番ー39番) (40番ー43番、51番)
(44番ー53番) (54番ー69番) (70番ー88番、3.2.1番、高野山)