遍路三度 70番から満願へ                   H19.7.28-8.5

 今回は、満を持して二ヶ月ぶりのお四国です。念願の、夏の特別休暇をすべてとって
 土日から次の土日まで9日間のお休みをもらいました。

 また、こんなに長い間歩くのも初めてです。はたして、どれくらい歩けるのでしょう。
 70番から満願の予定を立てました。

1日目 7月28日(土)
 朝、7:00大阪発の高松行き高速バスです。3時間半。渋滞はそんなでもありませんでした。
 10:30のJR高松駅に到着しました。お遍路さんは、いませんでした。

 大阪ーー高松ーー予讃線高松ーー        もとやま
  7:00ー10:30 11:21うたず行き  乗り換え 12:54

 JR高松駅では、少し時間があります。早速駅のうどん屋さん「連絡船」で、ぶっかけを食べました。
 この間、毎日ほど四国うどんを食べましたが、このぶっかけが一番うまかったのは、気持ちですかね。
 
  

 JRもとやまで下りて、炎天下を1km。あの五重塔の70番本山寺に到着です。
 今回、初めてのお寺です。いよいよ、今回のお四国が始まりました。

 

 ぱらぱらとおまいりがあります。今日は土曜日ですね。真夏の午後ですが、みなさん本気です。
 少し休憩して、体調と時間で観音寺まで電車か歩きかを決めようと休憩していたら、変なおじさんが・・。

 「もう1年半帰ってない。説法をして9回目である。人に憑いている邪をとってやっている。・・・」なんと10数分間。
 いやはや、お話をしていただくのはいいのですが、どうも神や仏が混じっていて、『眉つば』です。

 

 もう電車が来るまで15分。駅まで早足で10分。限界です。初日から逃げるように、駅に向かいます。汗、ダクダク!     

 電車で観音寺駅の宿へ。泊 観音寺サニーインは、駅のすぐ前。もう二回目の利用です。
 

2日目 7月29日(日)
  電車 観音寺から始発で「みの」まで 5:19発。みの駅が、5:34着です。
  駅から、2kmくらいで道の駅「みの」です。そこからあののぼり道ですね。今日も暑くなりそうです。 
  71番弥谷寺 参拝して。

 

  3.5km。竹やぶを抜けるのですが、またここが「まむし」のメッカなのです。びくびく進みます。

  

  高速道路の下を抜けて、72番曼荼羅寺に向かいます。
  お参りも、やはり夏はほとんどいません。パラパラですね。

  
  0.6km坂道を真直ぐ登ると、73番出釈迦寺です。バスの団体さんが2組いました。ぞろぞろ。
  先達さん、しっかり説明してあげてよう!遥拝所の話もあの巻物と箒の話もありません。
  2.2km、昨日に続いて炎天下。日焼け止めのクリームもしっかりとね。

  74番甲山寺に着くころには、もう「木村屋」がちらついて。1.6kmももどかしく。
  75番善通寺には真ん中の本堂と御影堂の間に着きます。そう、あの「かたせんべい」屋さんのところ。

   

  ごめんなさい。御影堂の横をすり抜けて、裏の駐車場を抜けて、うどん「木村屋」さんへ!
  ざるうどん小。キツネ寿司。300円いやあ、最高ですね。

  気をとりなおして、お参りしました。まだ1:30です。ここから、3.8km76番金倉寺に向かいます。
  太陽がじりじり照っていますが、向かいましょう。町を歩くのは、夏は特にきついです。
  道の照り返しが、気温を倍にします。へろへろですよ。

 

  JR金倉寺から善通寺に戻って、今日はもう寝ましょう。    泊 善通寺グランドホテル
  明日は、土用です。ほかほか弁当で、鰻にしました。前回は、クリスマスでしたよ。


3日目 7月30日(月)

  

  朝 一番の電車で 善通寺駅から道隆寺までいきました。これで、今日も7kmほどワープ!
  早朝の77番道隆寺。まだ納経所は開いていません。ゆっくりパンなど食べて、待ちました。
  なんと、本堂の扉が、自動で上に上がっていきます。衛門さんも、びっくりですよ。

  

  青年遍路。さわやかさん!もうここくらいになると、ほとんどのお遍路さんは、さわやかです。
  さて、愚痴聞き地蔵さんにも挨拶して、暑い中、郷照寺さんに向かいます。ほとんど街中です。
  丸亀城を越えていきます。ミニストップのハロハロ!マンゴウアイス!7.2kmは、きついですよ。

  

   JRうたずの駅を左に見ながら、見覚えのある地蔵堂。そうそう、ここから古い遍路道。お墓の
  岡を越えて、神社から郷照寺さん。前には、「地蔵餅」屋さん。
  78番郷照寺にお参りして、奥の粟島さんもお参りして、さてさて「串団子」がたしか3つ残っていたはず。
  いそいそ「地蔵餅」屋さんにいくと、なんともうない!「ないんですか?」「さっき売れました。」・・・

  TOKIOが寄ったお店

  とぼとぼと、5.9km。坂出の街を抜けます。遍路道が、商店街というのも不思議ですが、小学校1年生?の女の子
  3人組が、私と並んでとことこ意識して歩くんです。ははは。思わず急ぎ足で、すたこら!

  遍路道は、公園の中を通ります。

  やっと家もまばらになり、交差点の横で休憩です。後ろから、女性が一人、いいペースできます。
  「この道、真直ぐですよね!」「そうですよ。」

  少し行くと、右に入る遍路道があったのですが、どうやら見つけられずに真直ぐ車道を行ったようです。
  79番高照院に着きました。ここは、天皇寺さんです。翌日に聞いた話ですが、このあたりは昔から天皇が
  流された流刑の地で、今の皇室も四国に来たら必ずこのあたりにおまいりにくるのだとか。
  
   行く度に、金色になっていくお大師様

  お参りしていたら、あの女性が到着しました。会釈して、電車で国分寺までいきます。今日は、国分寺に
  お参りしておくと、明日の朝が都合がいい。再び電車で、高松に行こうとしたら、来た電車にあの彼女が乗ってた!  
  次の日も出会うのですが、聞きますとおばあさん2人と一緒に電車に乗ったのだそうですが、やはり戻って歩きなおした
  とのことです。どう見ても、体育会系(ソフトボール)ですね。パワフルです。

 
4日目 7月31日(火)
  高松からJR始発松山行きで国分寺へ向かいます。昨日から連続5連泊で、高松です。
  実は、よくよく考えたのですが、同じホテルだと荷物を減らして歩くことができる。また、交通の便がいいので、
  前の日の場所に戻っていける、などの利点があります。

  国分寺駅から6.5km、山を登ります。今回の行程の一番きついところでしょうか。
  山の中腹まで、へろへろになって行きますと、休憩場所におじさんがいました。地元の詳しい方のようで、
  湧き水を頭からかけてもらい、そこから途中まで一緒に道案内をしていただきました。

    

  81番白峯寺には、木のトンネルを抜けて車とは逆方向からお参りです。また同じ道を戻って、そこから
  5.0kmで82番根香寺です。実は、この根来寺に行く手前の1kmくらいは、かなりのくだり坂なんです。
  オレンジロードまでの間を、その坂を帰りには上らないと、JR「きなし」に行けません。

  

  そこで、5.5kmまだまだ下って、香西寺まであるいて行きます。なんと、この下りの道は、山百合の群生地!
  別格寺です。いろいろなお地蔵様がおられるのですが、もう足が棒です。
  寺を抜けて国道のバス停を見ますと、あと二分で高松行きが来ます。
  バスで「高松築港」まで行って、こと電で「一宮」まで向かいます。これも2分待ちですよ。

  

  83番一宮寺は、こと電「一宮」から徒歩10分もかからない。でもやはり炎天下の昼下がりですからね、
  お参りはほとんどない状態ですね。お薬師さんの石の扉も、のぞきましたが大丈夫でしたよ。ははは。

  

  今日も、高松に戻ります。毎日6時には、とろけるようにベッドに入っています。それでも翌朝4時まで、
  うとうとしても10時間ですから、回復しますよね。

5日目 8月1日(水)
  さて、今日は、高松「瓦町」から琴電で「やしま」に行きます。始発は、6時20分。
  「かたもと」で下りて、3km、84番屋島寺までですが、この3kmがまた半端ではありません。ずっとのぼり。
  二年前の年末に、雪の「食わず梨」でしたが、今回はなんだか足が動かない。きつきつい。

  

  やっとの思いで、屋島寺です。「たぬき」夫婦に迎えられて、早朝のお参りです。

 

  さてさて、今度は向こうに見える八栗まで、坂道を下ります。あのロープウェイの手前に、「山田屋」という
  とても有名なうどん屋さんがあるのですよ。距離は5.0kmほど。今はちょうど8:00ころですから、
  開店時間に到着か?!それだけを頼りに、八栗の湾を抜けて、プールに行く子供たち全員に「おはよう」と
  いい続けて、あの駐車場に到着です。9:50!「待とう」!

  

  開店と同時に、すでに数組のお客さん。てんぷらの付いてる冷やしうどん。はは。ん?見覚えのあるお遍路
  さんがやってきた。「あ!こんにちは!」あのソフトボール遍路さんが、青年遍路さんと二人で入ってきた。
  いやあ、歩きの人たちとは、何度も出会うものなのです。店を出るとき、二人のうどん代もお接待しました。

  一足先に、85番八栗寺へ。こっそりケーブルカー。はは。
  歓喜天さんもおまいりして、今度は志度の海に下りていきます。延々とアスファルトの下り坂。結構勾配が。
  とことこ6.5km。あの浜辺の公園まできました。村のお店で、カルピスの氷。

  やっぱりゆっくり休んでいると、若き遍路お二人が過ぎていく。ううん、こと電があるさ。はは、近くの駅から
  「しど」駅まで。なんと3kmほど、ワープ!

 
 
  86番志度寺では、疲れたような顔をして、二人よりも先に到着。でも、疲労度はきっときついかな。
  ここから、バス(大川コミュニティーバス)がないかなあと歩き出したのですが、どこまでいってもバス停がない。

  3kmほど行ったところに「オレンジタウン」というJRの駅があります。今日はここでダウン!!はは。無理はしない。
  JR高松駅まで戻りました。

  明日の台風が気になります。予報では、明日の午後からは、荒れるらしい。なんとか午前中に満願したいなあ。
  夜中まで、テレビの天気予報を見ながら、うつらうつらzzzzz

6日目 8月2日(木)
  朝6:10発 琴電「長尾」行きです。まだ晴れています。なんとかもってくれればいいのですが。

  ご本堂が、屋根の修復中!

  7:00前には、87番長尾寺に。早速納経印をいただいて、さああと1寺。ここからずっと山にむかって一本道。
  12.3kmで88番大窪寺です。いよいよ満願の道ですよ。

  

  5kmほどで、前山遍路交流センターに着きます。道の駅です。ここで、先日からお見かけしている遍路仲間が
  集まります。みんな、同じような予定ですからね。「遍路交流センター」で『へんろ大使』の認定証とバッジを
  もらっています。わたしは、一昨年の冬にもらっています。今年の7月に番号を更新したらしく、127.8.9番くらい。

  時折、ザーと雨が降り、風も時折。やはり嵐のようです。三々五々、遍路たちは雨具の準備をして、女体山の方に
  向かっていきます。

  私は、車道から途中で遍路道に入って、太郎兵衛館から女体山ドライブウェイをあがります。車道では、15kmは
  ありますし、女体山の鎖場は危険すぎますものね。

  だらだらとドライブウェイを上ること3時間、なんとか上の神社まで着きましたが、なんとすでに雲の中。真っ白に
  見えるほどの滝のような雨、横殴りで笠に当たる雨音でなにも聞こえない。道は滝のようで、はねかえりでびちゃびちゃ。
  大窪寺の奥の院のほうに下りる遍路道がみつからない。

  泣きそうになりながら歩いていくと、やっと見覚えのある遍路道。ここから階段を下りること約1時間。
  雨粒が、下着の中を伝わっていくのが感じる。なにもかもずぶぬれ。どうか、お軸と携帯電話が濡れていないことを
  祈っていました。

  誰にも会いませんよ。やっと坂の上から大窪寺の納経所横に到着です。雨は少し小止みですが、それでも降っています。
  先におひとり、おじいさんが到着されていました。続いて私。しばらくして、あとさきで女性の遍路さん。
  このSさんは、大阪の方で、だんなさんが大窪寺までお迎えに来られてたのですね。

   


  大窪寺で、いるのはこの歩きのへんろさん5人だけ。嵐の満願です。これで、3回目。また格別の思いです。

  私、この遍路で「禁煙」宣言したんです。最後に大窪寺で、娘と孫の写真が貼ってあるライターを奉納しました。
  泣きそうでしたよ。自分だけが、ルールです。甘やかすのも厳しくするのも自分だけ。こだわりの価値とは、・・。

  

  大師堂の地面のタイルで、杖のささくれをこすりました。満願しましたから。でも、4回目も使います。納めません。
  毎回、小さなお守りを購入して杖につけています。3個目のお守りを買いました。薬つぼですね。

  山門を下りていくと、お店のおばさんがえらいねえと。コミュニティーバスに乗りますというと、「あと2分だよ!」
  あわてて、お土産のしょうがせんべいとジュースを買いましたが、もうバスがそこまできています。
  びしょぬれのまま、バスで長尾に。そして、こと電で高松に。はやく暖かいシャワーが浴びたいなあ。

  一度ホテルに戻ってから、またうどんを食べに商店街に向かいました。でも、コインランドリーがなくて。
  こんど高松に泊まるときは、ホテルに洗濯機があるところですよね。


7日目 8月3日(金)
  やっぱり今朝もゆっくりできなくて、JR高徳線で高松から板野に向かいます。各駅で6:20発。
  でも、途中いっぱい電車待ちして、着いたのは8:40くらい。天気は曇り。台風一過とまでは無理でした。 
  板野駅から逆打ちで、3番金泉寺に。うどん「こんせん」は、まだ開店していませんでした。残念。

   

  真っ赤な山門をくぐって、金泉寺。国道をどんどん1番に向かいます。やっぱり、最初ではなく、満願逆打ちは
  なぜか心うきうき、歩く早さも速そうです。ふふふ。

  2.6kmで2番極楽寺。おのお店で、新しい杖の袋(上の部分)を購入。前回もここで買って、古いのを高野山に
  奉納したんですよ。長寿杉もタッチして、重軽地蔵を抱っこして、さてさて。いそいそと1.4kmあるいて、1番霊山寺
  に向かいます。途中二人の遍路新人君。「がんばって」「気をつけてねえ!」と。みんあ明るく晴れ晴れした顔で
  出発していきましたよ。

  

  山門右の駐車場のお店でうどんの食べ納め。先に食べてから、ご本堂・大師堂とお祈りして、やっとお軸に
  満願のご朱印をいただきます。「おめでとうございます。」と拝んでくださるのが、誇らしいしうれしいですね。
  素直に喜べるようになってきましたよ。

  バスの時間を見ますと、もうすぐ徳島駅行きがきます。さっそく乗りました。そして、大阪行きの高速バス2:00発
  で帰路につきました。予定より、二日も早く帰阪しました。

おまけ 8月4日(土)は、一日中うつらうつらと居眠りばかり。じっと家にいたのですが、もったいないと思いだして、
8月5日(日)、高野山に上りました。まあ、家から1時間半ですから大層なものではないのですが。
これで、お軸も後は表装するだけ。ついでに、お盆の高野槙も購入。やっと3回目のお四国も完了です。



   

高野山でゲットした、大日如来のフィギュアです。これで、愛染明王・不動明王と三体です。

思い起こせば、去年の三月。家から橋本・高野山に西高野街道を歩いたときから、8回のお四国で満願しました。
どんどん歩く距離が多くなりました。でもまだまだ、長距離の札所は電車やバスを利用しました。
少しずつ、点(札所)を線(へんろ道)でつなぐ喜びをかみしめています。

さてさて、こんど4回目はどうしようかなあ。まだまだ夏休みはあるぞー!でも仕事もあるぞ!ううう・・。

  ■遍路三度 家から高野山へ(1) (2) (3) (1番ー16番) (17番ー26番) 
再度高野へ(町石道)  (27番ー32番) (33番ー39番) (40番ー43番、51番) 
(44番ー53番) (54番ー69番)  (70番ー88番、3.2.1番、高野山)