遍路三度 33番から39番                    H18.12.23-25 

お四国  12月23日(土)から12月25日(月)、今年もクリスマスは四国です。去年は、香川の善通寺でした。

いつものように、前日までかなりハードな仕事で夜10時帰宅。さっそくリュックにあれこれ詰めて、旅支度。
さてさて、今回はどんな遍路になることやら。眠れないまま、午前4時起床です。

12月23日  朝、5:00 出発です。天気は良さそうです。
        7:10伊丹発 高知行き 飛行機です。どうも搭乗手続きは苦手です。前回は、帰りに線香用チャッカマン
        を取り上げられて、今回はどうしたものかと思案のすえ、手持ちバックにいれていました。
        予想通り、あのレントゲン検査でアウト!またチャッカマンひとつ没収されました。

        8:00には、高知竜馬空港に着いて、すぐにタクシーで種崎渡船場に向かいます。本当だったら、
        32番峰寺さんの下からなのですが、ちょっと6kmほどワープです。

           

        8:20  渡船乗り場に到着。なんと8:30発がすぐにありました。
        念願の種崎から渡船での33番雪渓寺さんお参り。去年は、ちょうどお盆で、また一時廃止のうわさも
        あった渡しですから、今回このように利用できるのは本当にうれしいです。
        対岸までわずかに5分。土曜ということもあって、利用客は自転車の人ひとり。
        「以前は、種崎というと造船でにぎわった大変な場所」(タクシーの運転手さん)だったそうです。

        8:35 対岸の長浜から1.5km
        9:00に33番雪渓寺さんに着きました。
        去年の新築本堂もすこし黒ずんで、風格がでてきましたよ。やはり年末でしょうか、お参りはぱらぱら。
        さあ、歩きましょう。16kmくらいでしょうか。日差しが暖かく、歩くとすぐにあせばんできます。

        

        9:30  33番から 6.3km 34番種間寺まで、平坦な道です。野道と村を次々抜けていきます。
        このあたりは、都会に近いからでしょう野菜栽培が中心ですね。ビニールハウスが並んでいます。

        11:00 34番種間寺に到着です。入り口に来たとき、女性の遍路さんが次に向かうのが見えて
        いました。鐘を撞きました。この旅が無事でありますように。ご本堂で読経です。
        本堂の前に子安観音様が。底の抜けた柄杓がたくさんお供えされています。
        (孫が元気に育ちますように、南無)

          

        11:30 駐車場のベンチで、パンをすこし。ここでもお参りは、車が数台きただけでしたね。
        ここから9.8km。35番清滝寺に向かいます。この道は、前も歩きましたからだいたいの記憶があります。
        地元の転作事業だとかで、ビニールハウスでは、うなぎの養殖が行われています。

        仁淀川にきました。かわらは草が刈られて、いい感じ。魚を突いておられたおじいさんと会話。
        「わしもお四国に行きたいんじゃが。ご苦労様じゃのう。」と。ありがたいですね。

          

        仁淀川の橋は、かなりの長さです。もう山の中腹には35番清瀧寺が見えているのですが、遠いです。
        あの国道バイパスを歩いて、オレンジローソン(なぜか看板がブルーでなくてオレンジのローソン)を
        過ぎると右に曲がって、お寺のほうにいきます。高速の下でまた休憩。ここから道が細くなります。
        バス、マイクロもここまでと看板があります。

             

        村にはいると石柱。さて、きつい坂道を上がりましょう。半分くらいから、遍路道です。まっすぐ上に
        上ります。道がコンクリートですので滑りませんが、きついですよ。

        有名な龍の天上絵の山門です。無残なのは両方の仁王さんの目がくりぬかれてないのです。
        ふうふういって、やっとあのでかい観音さまの前に出ます。お参りまえに休憩です。
        納経所には確かでかいゴールデンがいたはず。ベンチも眺めのいいところにあったはず。
        お庭がきれいになっていて、ベンチもわずか。あのワンちゃんがいない。去年は、アンパンを一個
        ペロッと食べたのに。南無。犬がいなくなるのは自然でしょうが、待っていてくれるものがいないと

                 

        寂しいです。37番岩本寺のコロちゃんは元気でしょうか。

        15:00  35番清瀧寺までタクシーを呼ぶのは、細い山道だし大変でしょうから、下まで降ります。
        たしか下の高速の向こうにタクシー会社がありましたからそこまで歩きます。2kmくらいかな。
        途中、おじさんやおばさんが望遠鏡持参で田んぼをみています。どうやらここは、鶴の餌場のよう。
        遠くの田んぼにつがいの鶴がいます。地元の人の楽しみなのでしょうね。
        
         もう門松です。  梵字不動さま

        足の方も限界。ひざが痛み、筋肉がぎしぎし。12km位でしょうか、36番青龍寺までタクシーにしました。
        タクシーの運転手さん。「先ほど女性の遍路さん、足のマメがつぶれてダウン。近くのビジネスホテルに
        送ったよ。だいぶ気分もまいってて、リタイヤするかも。通し打ちで2週間くらいだとか。」
        あの種間寺で見かけた方です。どうか、ゆっくり休んで、続けてほしものです。南無大師遍照金剛。

        16:00  36番青龍寺に到着。あの階段を上がっておまいりです。夕方になり、陽が落ちてくると
        冷えてきます。恵果和尚のお堂があります。

        

        お寺から、湿地の縁を700mあるいて今日の宿「三陽荘」に到着です。あのはでな「黄金大師」の宿です。
        見かけは派手なのですが、玄関に近づくと「お杖は、ここで洗ってください。」と丁寧なもてなしです。
        なんとお泊りは3組のみ。リトルリーグの少年団10数人。早めにお風呂をどうぞ。まだ誰もいないからって。

        大浴場をひとりじめ。最高でしたね。これからは、ずっとここにしようなんて思いました。有名な方々の色紙。
        もちろん朝青龍もね。朝日が砂浜(目の前)から上がるんです。

12月24日  宿でいろいろ聞いたのですが、須崎まで宇佐のバス営業所から出てるのですが、1時間かかるとか。
        朝、須崎8時57分発の土讃線に乗りたいので、タクシーを呼んでもらいました。
       7:45  「三陽荘」からタクシーで須崎へ24km。思ったより早くつきました。だって信号なんてないのですから。
       8:20 須崎で駅前のかまぼこ屋さんで、「芋天」が!一個80円。でかい。どうやら、高知のてんぷらの衣は甘い。
       皮が硬くて、パリパリ。おやつですね。

         かわうその町「須崎」

       8:57  須崎 発特急の自由席。窪川へ30分。なにしろ次の電車は、10時台までないのです。

       9:22  窪川 着。歩いて門前町を抜けて500m。37番岩本寺です。
       ここは、あのご本堂の天上絵にマリリンモンローがあるお寺です。ご本尊も5体。36番からは58.5km離れています。
       いつかは歩きたいですね。「そえみみず遍路道」。ここ2年ほどは高速道路建設で通れないとか。
       納経所の前にある「ころ」ちゃんの小屋が空です。どうしたのでしょう。「機嫌がわるいと噛み付きます」の
       看板はありました。散歩でしょうか。またまた寂しい思いでしたよ。

         

       駅に戻って、切符を買おうとしましたが、JRにはありません。ここで土讃線は宇和島の方に。土佐くろしお鉄道が
      中村から宿毛に行きます。バス会社の窓口で切符を買います。難しい。

        JRのホームから土佐電の駅を

      10:59  くぼかわ駅から、土佐くろしお鉄道で中村駅まで35分。やっぱり特急しか電車がありません。
      しばらく走ると海沿いです。天気は晴れ。でも、山や田んぼは霜で雪のようです。このあたりは冷えるのでしょうか。
      歩くと足摺まで80kmあります。2泊しないと着きませんよ。

      11:34  中村着。ネット予約していたトヨタレンタカーで金剛福寺まで44km。
      なれないレンタカーですが、やっぱり海沿いの道を走りたい。狭いです。対向できません。でも行きました。
      13:00 足摺到着。ほとんどだれもいないお寺でした。お庭が見違えるほどきれいになっていて、大きな池が
      きれいな石に囲まれています。愛染堂もきっちりお参りしましたよ。

        

      お昼ごはん。前の土産屋さんの二階食堂。かつおのたたき定食。いやあ、いままで食べたたたきの中でも
      いちにですね。たれが自家製で絶品でした。これからは、ここですね。ははは。

      時間は、14:00.どうしても次回のことを考えると、39番延光寺まで行っておきたい。宿毛経由で行こう。
      距離は45kmくらいかな。15:30には着くだろう。あいかわらず、曲がりくねった道ですが、道幅は広い。

      宿毛から中村への道の途中に、39番延光寺はあります。大きなお寺ではありませんが、赤亀のお寺。
      おいずるの亀の印は、ここでもらいます。とうとう土佐16寺を打ち終わりました。39ヶ寺。

        

      16:00  中村に戻ってきました。レンタカーは6時間です。100kmほどです。なんとガソリンは6リットル。
      1500ccの車です。燃費がいいなあ。よく走りますよ。

      16:30  サンルート中村に泊。クリスマスイブですね。駅前のコンビニでうなぎのおむすび。ケーキはなかった。
      人通りもない駅前通りを眺めながら、19:00には消灯しました。

12月25日 今朝は曇っています。どうやら天気は下り坂。
      9:21発の 南風12号で高知へ出ます。電車でひと寝入り。窪川・須崎と思い出の駅を見ながらです。

      

      12:30高知駅発空港行きのバスに乗ります。まだ少し余裕があるので、珍しく高知の町を散策しました。
      あのはりまや橋までは、駅から700mくらいです。繁華街ですから、ブラッと散歩です。

      12:30  高知空港行きのバスに乗りました。はりまや橋からごめんの方に。右手には五台山が見えます。
      そう、たかすです。前回泊まったビジネスホテル前。ここから五台山に歩いたんだって、感慨無量。

       

      14:15  高知-伊丹 ANA1618便で15:00には大阪です。
      すでに、次回の行程が浮かんでいます。ここのところが大阪からでは一番遠いので、たいへんです。
      もう一回、高知から宿毛、観自在寺から仏木寺、明石寺ですね。大宝寺・岩屋寺はいつになるか。
      帰りは、松山空港です。2月の連休まで無理かなあ。

      帰り道は、いつも寂しくて、もっともっと四国に居たくて。
      今回は、犬たちに会えなかったのが、残念で。老い、死に行くのは生き物の定めですが、こころの一部が
      消えていくようで、この辛さは「苦」ですね。何度、どんな別れをしても、この辛さを満たすものはありません。
      せめて、いい思い出を抱いて過ごすことでしょうか。

      「満足」とか、「渇き」とか、生き死にの営みのなんたるかは、今生きているものには分からないのでしょうかね。
      「生まれ生まれ生まれ生まれて生の始めに暗く死に死に死に死んで死の終りに冥し」
      お大師さんのおっしゃる「悲しみ」がわかってきたような。あまりにも辛いものですね。

      ■遍路三度 家から高野山へ(1) (2) (3) (1番ー16番) (17番ー26番) 
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