金剛杖(こんごうづえ)

 遍路のアイテムとして欠くことのできないものに、金剛杖があります。

 姿がどんなものであっても、遍路に出るのなら是非、持ちたいものです。
 それは、杖が「お大師さま」そのものであるからです。『同行二人』という、遍路概念の象徴として
 自分とお大師さまと、常に一緒であるという「心の支え」である「金剛杖」です。

   

 先人のHPの一説をお借りしました。
http://www15.ocn.ne.jp/~t-long/fuzisan/tozanyogu/kongotue.htm

お遍路の実用必需品です。特に、疲れてきた時や登りの山路では有り難味がわかります。
 また、野犬や蛇などから身を守る道具にもなります。

  昔、金剛杖は、お遍路の途中で倒れた時に卒塔婆の代わりになるものでした。
  金剛杖は今でも上の方が卒塔婆の形になっているのです。
  この部分は、保護しなければなりませんので、上部に布カバーがついたものを持ちます。

  @実際にアスファルトの道を突いて歩くと先がささくれだってきます。ささくれだって来たら、路面に擦り付けて
   取ります。決して、刃物で削ったりしてはいけません。最後まで使うと10cm以上磨耗するといいます。
   最後の88番大窪寺の大師堂の前の石畳で、ささくれを落とすといいます。私もしました。

  A橋の上で突いてはいけない決まりになっています。昔、宿に困ったお大師さまが、番外霊場十夜ヶ橋の
   橋の下で寒さに耐えながら野宿されたという伝説に由来したお遍路の心得です。お大師さまが橋の下で
   寝ていたら失礼だから。

  B宿についたら、まず、金剛杖の先を洗い清め、タオルで拭き、床の間など部屋の一番良い場所に
   立てて、合掌して宝号を上げ、お礼の言葉を述べてから一日の行を解きます。
   「杖より先に自分を休めるな。」と「汚い所に置かない。」というのが基本ルールです。 

  C道中の休憩時も、杖を先に休ませてから腰を下します。

  D便所へ入るときは持って入らず、必ず外へ置きます。


  Eまた、人の忘れた杖を拾って使ってはいけない事になっています。
   何故なら、他人(持ち主)の業を背負って歩くことになるからだといわれています。
 
  お遍路を無事完了したとき、杖を第八十八番札所大窪寺に納めるという方法もありますが、
  わたしは自宅まで持ち帰り、大事に保管しています。


仏教における杖

   

 修行僧や、修験者・先達が持つ杖を錫杖という。頭に6個の金属環が付いている。
 
 山岳信仰の有る地域では八角柱の杖が販売されている。乗鞍岳などでは土産物などとしても販売されている。


 登山家の杖  
         http://www15.ocn.ne.jp/~t-long/fuzisan/tozanyogu/kongotue.htm

 金剛杖は六角形の断面をした木の杖です。登山にとって杖は体のバランスを取るために、また歩行の補助として
 大いに役立ちます。近年は折りたたみ式の杖やスキーストックを持っていく人もいますが、登山用具と富士登山の
 記念を兼ねる金剛杖を使っています。

 登山用具としての金剛杖は持つ位置の自由度が高く、突いた時のあたりが柔らかいのが特徴です。

 金剛杖を選ぶ一つの理由は、富士登山の記念品として最良の品であるということです。

 富士宮口の場合、大半の人が新五合目(バス終点)で金剛杖を購入します。金剛杖の価格は長さによって
 違いますが約1000円です。ちなみに杖に着ける鈴は、「富士山を開山したと言われている役の行者が霧で
 道を失ったとき、鈴の音で霧を晴らした」との故事に由来した縁起物です。

 登山中は各山室に寄りながら焼印(1個200円)を押していきます。富士宮口には全部で九種類の焼印が
 あります。山室ごと異なるデザインの焼印ですが、九合五勺の日付入り焼印は富士山中唯一の特徴的な焼印
 です。自らの足で歩いた記録を残すことができる金剛杖は、下山後なにものにもかえがたい記念品となります。