降三世明王(ごうざんぜみょうおう Trailokyavijaya)   
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                  真言     オン ソンバニ ソンバ ウン バザラ ウン パッタ
                    この真言を唱えれば、煩悩がなくなる。
                    ザクロの枝を持って一万回真言を唱え、男女別々の人形の局部を打つと、
                    不倫を白状するらしい。

 サンスクリット語では「ソバニ」。五大明王の1人で、東方に配されている。
シヴァ神の化身であるという説や、金剛大日如来の化身であるという説もある。

梵名は「トライローキャヴィジャヤ」と言い、「3つの世界を降伏するもの」という意味。
過去、現在、未来の「三世」における、貪欲(とんよく)、瞋恚(しんに)、愚痴(ぐち)の三毒を取り除いてくれる。
3つの世界とは、「過去・現在・未来の三世」と「貪・瞋・痴の3煩悩」のことを言う。
三つの世界(過去・現在・未来の三世と貧・瞋・痴の三煩悩)を降伏するもの意で、勝三世明王ともいわれる。

                            懺悔文(さんげもん)
                               我れ昔より造りし所の諸(もろもろ)の悪業は、
                               皆な無始の貪、瞋、癡、に由る。
                               身と口と意より生ずる所の、
                               一切を我れ今、皆な懺悔したてまつる。

阿しゅく如来の化身とされ、五大明王として東方に配され、強情な衆生を力をもって仏道の入らせるために
恐ろしい形相であらわれた姿とされる。ちなみに古代インドのシヴァ神の化身ともいわれる。

[お姿]

 その姿は、一面二臂、一面四臂、、四面八臂等が説かれるが、
『降三世成就深密門』のもとづく正面を三目とする三面八臂で、
左右第一手で降三世印を結び、第二の右手は金剛杵、左手は
金剛戟を持ち、第三の右手は矢、左手は弓を持ち、第四の右手は
刀、左手は索を持っている。左足下に大自在天(シヴァ神)右足下に
その妃である烏摩(ウマー)を踏まえるものが一般的である。

持ち物
 剣      悪を滅ぼす
 弓矢     邪心が深く仏道にはいることの困難な衆生を仏の智慧
         ですばやく導く
 戟(げき)  悪を打ち滅ぼす
 五鈷鈴や金剛杵など   仏の説法を現わしている
 索      強化しにくい者達を縛り、導く





[法話]

大自在天を降伏させた説話は二つあります。
【説話1】
金剛頂経では暴悪な神々は仏教に従わなかったので、金剛サッタが降三世明王の姿で現れ、神々を調伏させたが、大自在天だけは自分は三界の主であると主張し従わなかった。大自在天は毘盧遮那如来に助けを求めたが、毘盧遮那は大自在天を救うのは怒りの姿しかないと思い、降三世明王に任せ、ついに倒れた大自在天とその妻の烏摩(うま)を踏みつけた。毘盧遮那如来が慈悲の真言を唱えると大自在天と烏摩は救われたという。

【説話2】
シュンバとニシュンバという阿修羅の兄弟がいた。この兄弟は昔、大自在天妃に殺害されたという。それで金剛さったが忿怒の姿で現れ大自在天を降伏した時に、阿修羅の兄弟の姿をとったと言われている。

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