観音巡礼(3)   [上醍醐寺、三室戸寺]


 西国観音巡礼二回目なのですが、四国お遍路を始めてから、歩くことの喜びが分かってきて、

早く上醍醐寺に行きたいと思っていました。実は、西国薬師を終えたら西国不動様36ヶ寺をとも

思っていたのですが、観音霊場にした一番大きな理由が上醍醐寺のあの坂道ですね。

 

 あさ8時30分、(下)醍醐寺の駐車場から、大切な四国のお杖をいそいそと杖袋からだして、

いよいよお大師さまと上醍醐に向かいます。金堂や不動堂にお参りし、女人堂に。

去年の冬に、この女人堂で「十句観音経」のお写経をしたね。金堂お薬師様で、一心にお祈り

したね。ある意味、ここが私たちの仏道への原点。

 女人堂の前の水掛仏にお祈りして、いざ出発です。全20丁。始めの5丁までは、だらだら上り坂。

階段が始まります。16丁まで階段。後は下り坂。ちょうど真ん中にお不動様がおられます。

たくさんの方がもう下りてこられます。「一歩一歩会」という会があるそうです。

途中、78歳の方が声をかけてくださいました。お参りが、今日で1782回目ですって。バスに乗って

来られるそうです。かくしゃくとしておられます。すごいなあ。あちこち回るだけが意味あるのではない。

仏心が深い浅いが問題でもない。ひとつのことに打ち込むことが、もっともすごいことですね。

先週、帰りの坂道でころんだそうで、うでにはまだ絆創膏がありました。いつまでもお元気で、

2000回を目指してくださいね。


 

 以前もこんなにきつかったかなあ。覚悟はしていましたが、ほんとうにすごい階段です。

観音正寺の岩階段もすごいけど、やっぱり西国観音ではここが一番の難所ですかね。

四国の「遍路ころがし」最初の11番から12番への道をいけなかった残念さや後ろめたさもあって、

辛さをもっと体験したいという願望。あのおじいさんまでいかなくても、今後も折りあるたびに

お参りしたいお寺です。准胝観音様。女性像といわれます。線香・ろうそく。

 そうして、さらに山頂の五大王堂に。

 ここには、五大明王様がおられます。

 正面には、役行者さん。護摩壇があり

 修験道の霊場でもあります。

 さらに、今はもういらっしゃらない薬師堂。

 中には、お大師様だけが。

 山間からは、京都山科の町が。

 こんなに上ってきたんだ。


 のぼりに約一時間。上で一時間。下りるのに一時間。駐車場横の「雨月」というレストランで、

 そうめんがほんとうにおいしかったね。まだ二時だから、宇治に向かおう。三室戸寺へ。

 万福寺も寄りたかったね。平等院、源氏物語ミュージアム。見所はいっぱいだけど、またこんど。

 

 この日は、久しぶりの真夏の天気。34度です。午後のお寺は、人影もまばらです。

 朝からの筋肉痛で、足がぎしぎしいってます。階段は、へとへとでした。本堂前は、紫陽花は終わって

 蓮の鉢でいっぱいです。午後には蕾が閉じています。ちょっと残念です。

 後ろの山に包まれた独特の風景ですね。ゆっくりとお経をあげました。

 本堂まえに牛の石像があり、口の中のまるい玉をまわすと

願いが叶うそうですよ。くるくるまわしました。

わたしは、三室戸と聞くとかぐや姫を思い出します。

「なよだけのかぐや姫」と名づけたのが、

「三室戸斎部(いんべ)の秋田」という人なんです。

このあたりだなあって。

 こんどの巡礼では、ひとつずつのお寺で、自分の何かを

作っていこうと思っています。その歩みの

 一歩ずつを記録できたらいいなあ。




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