釈尊の生涯  

八相成道(はっそうじょうどう)・・・8つの重要な事跡
①降兜率(こうとそつ)・・・前世の釈尊が、白象に乗ってこの世に降りてくる。
②入胎(にゅうたい)・・・摩耶夫人の右脇から入って母体に宿る。
③出胎(しゅったい)・・・摩耶夫人の右脇から生まれ出た。4月8日誕生会
④出家(しゅっけ)・・・29歳、白馬に乗って都から出た。
⑤降魔(ごうま)・・・6年の苦行の末、菩提樹下で悟りを開こうとする釈尊に、悪魔が妨害する。
⑥成道(じょうどう)・・・35歳、菩提樹の下で悟りを開き、仏陀になった。12月8日成道会
⑦転法輪(てんぼうりん)・・・初転法輪は、5人の比丘に。45年間の説法教化。
⑧入滅(にゅうめつ)・・・80歳、クシナーラの沙羅双樹の下で、最後の説法をして亡くなった。
2月15日涅槃会



①降兜率(こうとそつ)・・・前世の釈尊が、白象に乗ってこの世に降りてくる。
 スリランカ『島史』BC466-386、北方系BC466-386、日本BC463-383説。

②入胎(にゅうたい)・・・摩耶夫人の右脇から入って母体に宿る。
 マヤ夫人の夢。

③出胎(しゅったい)・・・摩耶夫人の右脇から生まれ出た。4月8日誕生会
 ・ルンビニ―園で。アシタ仙人の予言。出家すれば悟りを得る。王になれば、転輪聖王になる。
  樹下観耕作(じゅげかんこう)・・世の悲惨さと弱肉強食の現実を観想「老」と「病」
  ・・・以後の伝説「四門出遊」――― 北門を出て出家。
 ・ヤソーダラーと結婚。ラーフラ王子。

④出家(しゅっけ)・・・29歳、白馬に乗って都から出た。
 ・出家ゆ城(しゅっけゆじょう)・・真理を求めて王城をでて出家。
 ・マガダ国ビンビサーラ王と出会う。

・沙門(しゃもん)「シュラマナ(沙門)」・・・
四依法・・・樹下座(じゅげざ)、乞食(こつじき)、糞掃衣(ふんぞうえ)、陳棄薬(ちんきやく)
・二人の仙人
  ・アーラーラ・カーラーマ・・・「無所有所」(いかなるものも存在しない)瞑想の境地
  ・ウッダカ・ラーマプッタ・・・「非想非非想処」ひそうひひそうしょ。悟りの境地
・ウルヴェーラーのガヤーシーサ山(象頭山ぞうずせん)で5人の仲間と苦行に入る。
 (のちの五比丘・・コンダンニャ、バッディヤ、ヴァッパ、マハーナーマ、アッサジ)

⑤降魔(ごうま)・・・6年の苦行の末、菩提樹下で悟りを開こうとする釈尊に、悪魔が妨害する。
 悪魔ナムチ(『スッタ・ニパータ』)
 ・・触地印・・大地に向けて右手を差し伸べる。

⑥成道(じょうどう)・・・35歳、菩提樹の下で悟りを開き、仏陀になった。12月8日成道会
 宿命明(しゅくみょうみょう)・・第一の明知・・自分の過去世の生涯を思い起こす。
 天眼明(てんがんみょう)・・第二の明知・・諸の生存者の未来の生死の連鎖が業により引き起こさ
れるのを知る。
 漏尽明(ろじんみょう)・・第三の明知・・諸の煩悩の穢れを滅する。
 ・・・真理に目覚め、悟りを開いた。
 成道
 ★悟った真理
  一説には、「四諦(したい)」とも「十二縁起」とも。
 三(四)法印―諸行無常 一切皆苦 諸法無我 涅槃寂静
 (1)中道(ちゅうどう)・・・「不苦不楽」

 (2)四禅(しぜん)・三明(さんみょう)
    菩提樹下の4段階の瞑想(初禅・第二・第三・第四禅)
     宿命明(しゅくみょうみょう)・天眼明(てんがんみょう)・漏尽明(ろじんみょう)・成道
 (3)縁起(十二縁起)
 老死(結果)の根本原因は、無知(無明)自分がどうして存在しているのか、その真実を知らない。
  ①無明(無知)、②行(潜在的形成力)、③識(識別作用)、④名色みょうしき(色声香味触法)、
  ⑤六処ろくしょ(眼耳鼻舌身意)、⑥触そく(感覚の対象と器官の接触)、⑦受じゅ(官需作用)、
  ⑧愛(割愛、衝動的な欲望)、⑨取しゅ(対象への執着)、⑩有う(生存)、⑪生しょう、⑫老死
    ①→⑫流転門、⑫→①還滅門げんめつもん
 (4)四諦・八正道
    輪廻世界における生存の苦を解き放って、こころ寂静なる涅槃にいたらせる
   苦諦くたい ・・・人生は苦、この迷いの世界すべてが苦であるという真理
   集諦じったい・・・苦の原因は、無明であるという真理(十二縁起の過程)
   滅諦めったい・・・苦をまねく無明の絶滅こそ涅槃であるという真理
   道諦どうたい・・・涅槃に至る八種の正しい修行があるという真理
     八正道
  1.正見しょうけん ・・・釈尊の教えに向かい合い、正しく理解すること。
  2.正思惟しょうしゆい・・行いを正しくして、より高い精神状態を目指す向上心を起こすこと
  3.正語しょうご  ・・・人を傷つける言葉をつつしみ、正しいことばを語ること
  4.正業しょうごう ・・・人を傷つける行いをつつしみ、正しい行いをすること
  5.正命しょうみょう・・・正しい手段(2-4)で正しく生活を送ろうと努めること
  6.正精進しょうしょうじん・正しい努力、解脱涅槃に向かって一心に進むこと
  7.正念しょうねん ・・・意識的に四諦を記憶に留め、わすれないこと
  8.正定しょうじょう・・・正しい禅定の修行生活を送ること
   3-5=戒学・・身口意の行いを正しくし
   7-8=定学・・自分と自分を取り巻く世界も無常であり、無我であると正しく心を統一し
   1-2=慧学・・無明を絶滅させる智慧を覚醒させるべき
   6  = ・・・身を以て日常生活に精進することを体得する修道論
 (5)五蘊・十二処・十八界
   ①五蘊・・・人間の心身を構成する集まり
     色しき・・・色形をもつもの、 受じゅ・・・感受作用
     想そう・・・表象作用、    行ぎょう・・意志意欲  識しき・・識別作用
   ②十二処・・・6つの内的感覚器官(六内処、六根)と6つの外的感覚対象(六外処、六境)
      眼・耳・鼻・舌・身・意        色・声・香・味・触・法
   ③十八界・・・十二処に感覚の心作用(六識)を加えたもの
      眼識(視覚)、耳識(聴覚)、鼻識(臭覚)、舌識(味覚)、身識(触覚)、意識(知覚)、

⑦転法輪(てんぼうりん)・・・初転法輪は、5人の比丘に。45年間の説法教化。
 ・悟りをひらいて49日目、説法の躊躇
 ・梵天勧請・・・バラモンの最高神ブラフマー(梵天)による説法の勧め
    「耳ある者たちに甘露(不死)の門は開かれた。」
 ・ブッダガヤーからサールナート(鹿野苑)へ
 ・初転法輪(五比丘)
五比丘・・コンダンニャ、バッディヤ、ヴァッパ、マハーナーマ、アッサジ(阿羅漢)
       南方系・・四諦と無我を説いた。
       北方系・・中道・四諦・五蘊(無常、苦、無我)・十二縁起などを説いた。
 ・サンガ(僧伽そうぎゃ)・・・仏教出家者の集団
      三宝・・・仏(釈尊)、法(教え)、僧(その教えを信奉する出家者)の成立
 ・教団の成立
    次第説法・・ヤサに。施しー戒めー生天―出家。・・出家信者
  ヤサの父(最初の在家信者)母、妻・・優婆塞・優婆夷
    カッサバ三兄弟への説法(ウルヴェーラーの神変)
    ビンビサーラ王の帰依と竹林精舎の寄進
    サーリプッタ(舎利弗)とモッガラーナ(目連)・・縁起法頌えんぎほうじゅ
      智慧第一       神通第一
    マハーカッサパ(摩訶迦葉まはかしょう)・・第一結集を主催
      頭陀行第一
 ・四衆の形成・・比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷によって、教団の全体枠組みができる。


⑧入滅(にゅうめつ)・・・80歳、クシナーラの沙羅双樹の下で、最後の説法をして亡くなった。
2月15日涅槃会
 ・七不退法・・ラージャガバ(王舎城)のギッジャクータ山(霊鷲山りょうじゅせん)で。
 ・三学(戒・定・慧)に精進すれば無明から解脱できる。
 ・マガダ国のパータリ村では、在家信者に、三宝(仏・法・僧)に帰依し、五戒を守り、行いを正
しく怠らないよう努めよ。(不殺生・不偸盗・不邪淫・不妄語・不飲酒)
 ・ヴァーサーリー市で、遊女への説法・・遊女アンババーリーに。
 ・ベールヴァ村で、・・自灯明・法灯明
   「この世で、自らを島とし、自らをたよりとして、たのものをたよりとせず、法を島とし、
法をよりどころとして、他のものをとりどころとするな。」「大パーリニッバーナ経」
 ・パーヴァ村で、チュンダの供養
   四種の修行者についての説法①道による勝者②道を説く者③道によって生きる者④道を汚す者
 ・クシナーラーにて(最後の説法と入滅)・・二本のサーラ樹(沙羅双樹)
    最後の言葉。アーナンダに、「怠ることなく努めなさい。(不放逸)」・・放逸をなすなかれ!
 ・有余涅槃(うよねはん)・・・釈尊成道以降
  無余涅槃(むよねはん)・・・肉体の束縛から離れる
   釈尊が入滅すると、帝釈天が「諸行無常偈(雪山偈せっせんげ)」をよんだ。 
    諸行無常 是生滅法 生滅滅己 寂滅為楽
 ・火葬と分骨
   縁の深かった八部族に分骨。
   のちにストゥーパ(仏塔)に安置され、大乗仏教の仏塔信仰に展開する。