真言安心和讃

  帰命頂礼大日尊            
  八葉四重(はちようしじゅう)の円壇は
                
  一切如来の秘要(ひよう)にて    
  衆生心地(しんじ)の曼荼(まんだ)なり

  十方(じっぽう)浄土の諸聖衆(しょしょうじゅ)は
  大日普門の万徳(まんどく)を

  開きて示しし尊なれば
  蜜厳(みつごん)国土の外(ほか)ならず

  青龍(しょうりゅう)阿闍梨の教戒に
  菩提を得(う)るは易(やす)けれど

  真言秘密に逢うことの
  得がたきなりと演(のべ)給う

  二仏出世の中間(ちゅうげん)に
  果報つたなく生まるれど

  いかなる宿世(しゅくせ)の種因(しゅいん)にて
  解脱の時を得たりけん

  五濁(ごじょく)に満てるこの世にも
  真言(まこと)の教え求めつつ

  如説(にょせつ)に修行するときは
  正像(しょうぞう)末(まつ)のへだてなく
 
  一念一時一生に
  三蜜加持の不思議にて

  無尽の功徳円満し
  即身成仏せらるなり

  善根(ぜんもん)功徳をかさねきて
  決定(けつじょう)諦信(たいしん)ゆるぎなく

  至心(ししん)に神呪(じんしゅ)を唱えなば
  無明を除くと説きたまう

  一蜜おこたることなくば
  増上(ぞうじょう)縁の力にて

  三蜜具足の時いたり
  終(つい)には仏果を証すべし

  わけても光明真言は
  諸仏菩薩の総呪にて

  一字に千埋(せんり)を含むゆえ
  無辺の功徳備われり

  信じて唱うるわれわれは
  口称(くしょう)の功力(くりき)を因として

  蜜厳(みつごん)浄土とひとすじに
  安心決定(けつじょう)致すべし

  南無大師遍照尊
  南無大師遍照尊
  南無大師遍照尊

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